治療院経営ラボ代表の松村です。
月商100万円以下の先生が月商100万円を目指す際、多くの先生が考えるのは
「患者さんを集めよう」
ではないかな、と思います。
要するに集客ですよね。
売上が悪いのは患者さんが来ないから・・・
知ってもらいさえすれば・・・
その気持ち、むっちゃわかります。
僕も昔、そう思っていた一人でしたから。
2014年に整骨院自費成功アカデミーを立ち上げ、令和とともに治療院経営ラボにし、足掛け8年。
成功事例ばかりならありがたいのですが、当然のことですが成果を出すことができずに去っていかれる先生もおられます。
世の中に絶対はない、とは言いますが僕の力不足を痛感する瞬間でもあります。
とはいえ、それすらも糧にして治療院業界を変えていかなくちゃいけない、そう思っておりますので、常に理事3人で分析をするようにしています。
今回は8年間の積み重ねでわかった、治療院の売上を高い水準で安定させるためにやるべきことをお話させていただきたいと思います。
新規を集める前にするべきこと
患者さんに来ていただかなくては、売上は出ない。
これは当然です。
ですが、ちょっと冷静に考えてみましょう。
あなたの院の売上は、現在ゼロですか?
まだ開業していない先生以外は、NOではないでしょうか。
日商がゼロという日もあるかもしれません。
しかし、月商がまったくない、ということはないんじゃないでしょうか?
あなたの院に来られた患者さん、例えば常連の患者さんだったとしても、初診があったわけです。
ということは、あなたの院には新規集客に関して努力をせずとも、なんらかの理由で新患の方が来られているということになります。
新規に目を向ける前に、そういう患者さんにしっかり目を向けてみませんか?
それとともに、どのような経路を辿ったかはわからないけれど、新患で来られて、2回目以降来院されなかった患者さんはいませんか?
3回目以降から・・・4回目以降から・・・・5回目以降から来院されなくなった患者さんはいませんか?
いったい、月に何人の新患さんが来られて、何%が2回目来院してくださいますか?3回目は?4回目は?5回目は何%ですか?
そう、まずは自身のリピート率を出してみませんか?ということなのです。
リピート率の計算方法は以下の通り。
まずは月毎のリピート率を出しましょう。
例えば1月のリピート率なら・・・・
2回リピート率は
1月の新患さんのうち、2回目来院された人数÷1月の新患の人数×100
となります。
3回目、4回目、5回目はそれぞれ、上記の式の左側、つまり分子の部分が1月の新患さんのうち、3回目来院された人数、4回目来院された人数、5回目来院された人数に変わるだけで、それらを必ず1月なら1月の新患人数で割るというのが基本になります。
1月末に来院された新患さんの場合、2回目以降が2月になりますが、その場合も1月でカウントです。
なぜなら、1月に来院された新患さんを基準として計測するので。
これを、できれば1月から12月までを出していきます。
それぞれの月の2回リピート率、3回リピート率、4回リピート率、5回リピート率が出たら、平均値を出してみましょう。
たとえば2回リピート率の平均値なら・・・
1〜12月の2回リピート率の合計÷12
ですね。
これで、月平均が出ます。
あなたの2回リピート率は何%でしたでしょうか?
あなたの5回リピート率は何%でしたでしょうか?
まずはこの数字を出してきましょう!
数字から、やるべきことを炙り出せ
さて、ここからは数字によって施策は変わってきます。
今回はラボの中でやっているように細かいカテゴライズをせずに、ざっくりと2つにわけて施策を考えていきたいと思います。
2回リピート率95%以上、もしくは5回リピート率80%以上の場合
素晴らしい数字だと思います。
ぜひ今すぐ集客をしてください、と言いたいところですが、この数字を出されてる先生で集客が必要な先生ってそれほど多くありません。
治療の勉強もしっかりされているし、人柄もよく患者さんに慕われているということがほとんどです。
さらに高みを目指す、という場合は、稼働率の問題が出てきます。
まずは稼働率60%程度で、今より売上金額が多くなるような設定を作ってから集客されたほうがいいです。
まあ一番簡単な方法は値上げしてから、ですかね。
2回リピート率80%以下、もしくは5回リピート率50%以下の場合
この場合、絶対に集客行為をするべきではありません。
なぜなら、集客してもその患者さんが継続されない状態では、ザルに水を入れるようなものです。
まず、なぜリピート率が低いのかを分析しなければいけません。
リピート率が低い主な原因は・・・・
院外、院内問題
・院外の清掃ができていない
・院内の清掃ができていない
・院内の整理整頓ができていない
という院の問題。
実はこれは非常に厄介で、その院にずっといる先生は慣れてしまって「綺麗にしている」「整理整頓している」と思い込んでいるんですね。
保険メインの整骨院なんて、本当に乱雑です。
下手するとテーピングとか置いてある処置台が見えるのがかっこいいという勘違いをしてる先生までいます。
自分の価値観ではなく、他人、特に一般人女性の多くにウケるようにしなければ無意味です。
問診問題
実は問診って、単に病態把握するだけのものではありません。
簡単な言葉で言うならば〝傾聴〟が必要。
ただ、これはすぐにできるものではなく、理論を知って練習していくことが大切です。
口下手でも、理論通りの問診ができれば問題ありません。
むしろ、ペラペラペラペラ自分のことを喋る先生のほうがよくありません。
治療家はコメンテーターでも落語家でもありませんので、まずは聞く技術を高める必要があります。
技術問題
飲食店が、料理まずけりゃ人は来ません。
ただ、料理って不味いかどうかって結構明確になりやすいのですが、治療は教わる立場にいてないと自分が一番と思い込んでしまいがちです。
約8年、治療家の先生に何かをお伝えするという仕事をさせていただいてきましたが、面白いのは雇用されてる立場で分院長クラスの先生と、開業していて流行っていない先生ほど、やたら自信満々な雰囲気を出しています。
治療ができて、勉強し続けてる先生ほど謙虚です。
いや、謙虚というより自身が道半ばであるということをよく理解しておられる、そんな感じです。
治療家として、これを指摘するのは本当に辛いのですが、ここの認識を変えないといけない先生って結構多いです。
人間性問題
これもなかなか厳しいです。
例えば先日の記事( https://cmlabo.jp/blog/2022_3_3cml/ )で書かせていただいた、義理や人情などは、わからない人にはわからないです。
ただ、ある程度の性格の良し悪しであるとか、そういうのはあまり問題ではありません。
この場合の人間性って、例えば人が言ったことを絶対に否定する人であるとか、異常なまでの攻撃性のある人とかそういうレベルです。
ただ元々は普通の人でも、やたらと傲慢な人たちとつるむことで一時的にそうなってしまう残念なパターンもあります。
そういう場合もなかなか自分では気がつかないものですし、そういうときに人は人に対して不義理をして、数年後に自分の愚行を悔やむわけです。(僕自身も経験したことがあります)
リピート率を改善しないまま集客をするとどうなるか?
ラボ内外関わらず、個人経営の治療院においてリピート率が低いまま新規集客に注力した事例はむちゃくちゃたくさんあります。
が、そのどれもが悲惨なものです。
保険から自費に移行したのはいいけれど、問診も内装も何も変えずに値引きチラシと回数券を売りまくった先生は、遠方からわざわざ僕のところに相談に来られましたが時すでに遅し。
熱心な先生で頑張ってチラシをまき続けてしまったせいで、「あそこは安い値段で釣って回数券売りつけるところだ」と地域で言われ、それを払拭しきれずに結局自費から保険に再度移行することになりました。
治療技術の勉強を一切することなく開業された先生。
この先生は院の掃除も全然で、天井の角に蜘蛛の巣がありました。
2回リピート率は50%弱。
チラシを出したときだけ売上があがるので、チラシは優れていたと思います。
しかし、半年ほど経過し、チラシの反応がゼロに。
チラシが悪いと思い、いろいろ変えてもゼロのまま。
ある日、頑張ってポスティングをしていたら、住民の方と遭遇しチラシを見られ
「なんや、あの整骨院の先生か。あんた有名やぞ、いいこと書いてるけど実際行っても全然治らへんし、ただ通え通え言われるだけやって。もううちにもチラシ入れんとってや!」
と怒られたそうです。
こちらの先生、その地域ではもう院ができないということで、新たに借金をして別の場所で開業し直しました。
僕に相談を持ちかけたとき、この先生は泣いていました。
悪い先生ではないんです、本当は。
ただ、教わったやり方に問題があっただけなんです。
強力な集客テクニックを使えば使うほど、その反動は大きいです。
とはいえお金に困っているので、みな目先のお金のためにやってしまいます。
目先の売上よりも10年先を
高い水準の売上で治療院を安定経営させる秘訣とは
治療院経営ラボでは、目先の、短期的な結果に左右されることなく、少しずつ売上をアップしていきましょうという話をしています。
売上にお困りの先生は、生活もあるので「今すぐなんとかしたい!」と焦ってしまいます。
それに、やはり自分が原因、自院が原因とはなかなか認められないものです。
治療院経営ラボをやっていて、そのあたりの〝真実〟をやんわりと、でもちゃんと理解していただけるように伝えるかは僕もずっと苦心しております。
しかし、売上にお困りの場合ははず自分自身を変えていただかないことには、長期的にはもたないんです。
俺はなんでも治せるぜ〜、どこ行っても治らんかったやつうちに来いや〜ってチラシをまいても、治せないならその評判は悲惨なものになります。それなら、今すぐ名人達人にはなれなくても手技の基礎や問診はちゃんと学ぼうよ、基本の型からちゃんと覚えようよということが大事なのです。
名人達人が3回で治すのを僕たちは5回でもいいです。
もちろん、名人達人と同じ3回を目指し研鑽をし続けますが。
患者さんと信頼関係を構築し、わざわざ回数券に頼らなくても通っていただけるようにコミュニケーションをとれるようになればいいんです。
その上で、自身がどんな患者さんのお役に立てるかを明確にしていくことで、その人たちに向けたメッセージを発信すれば値引きなどしなくとも人は集まってくるのです。これが集客。
強いオファー、権威性だ返報性などは後でついてくるノウハウでしかないわけです。
建物も重要なのは基礎工事。
基礎工事で手抜きをすると、阪神大震災のときに根本から倒れてたビルのようになってしまいます。
例えば治療院で短期的にドカンと稼いで数年で撤退、これを数回繰り返して資金を獲得して運用とかするなら基礎は必要ないです。
立地学を勉強し、オファーの強い広告と回数券販売でピークの売上に持っていき、落ち目になり出すちょっと前にとんずらこきゃいいんです。
なんなら、その度にペーパー会社でも作ってそれを倒産させときゃ「ない袖は振れない」ってことで廃業時に使ってない回数券の返金も逃れられるかもしれませんよね。
ぺんぺん草もはえなくなった・・・ってやり方ではありますし、道徳的にどうやねんと思うので僕は絶対にやりませんが、法的にグレーゾーンな部分を攻めていけばやりようはあります。そういう場合は、基礎なんてめんどくさくて、面白くなくて、時間がかかって、努力しないといけないようなことをやってる場合じゃ、ない。
これに似たビジネススタイル、他業種でありますよね?
ちょっと前にもニュースになってましたが、これは闇が深いのとちょっと怖い人たちも絡んでる問題なのでここでは書けませんので、僕と飲みに行く機会があったときに聞いてください。
話を戻します。
そんな非人道的なビジネスをするのではなく、治療家が治療家らしく、悩んでおられる方々をお救いしていきながら、自身も自身のご家族も幸せになり、そしてその幸せが安定して継続できるようにしていくためには、集客よりも先に基礎をしっかりと構築する必要があるということなのです。
院外、院内の掃除、整理整頓、自身の身だしなみ、受付オペレーションの確立、問診、と治療以外の要素がたくさんあります。
地味です。
しかし、ラボの事例で言うならば、月商が50万円以下の場合は院外、院内の掃除、整理整頓ができる(ラボ基準)だけも売上は伸びます。
そして僕は、柔整の保険、自費云々問題を抜きとするならば、売上にお困りの治療院で、院内外の掃除や整理整頓、身だしなみ、受付オペレーション、問診全部バッチリな院を見たことがありません。
必ず、そういう基礎的な部分に何か問題を抱えています。
それを改善しないまま集客をするということは、嫌われるためにお金を使うことです。
まずは基礎。
地味ですが、絶対に後で「やっててよかった」になります。
掃除や整理整頓はお金かかりません。
ぜひやってみてください!
まとめ
僕の場合は、保険から自費に変えて売上に困ったときにマーケティングの勉強をさせていただきました。
マーケティングとは集客のことではなく、そういう基礎的な部分ができてるかどうかの分析がスタートでした。
僕は、僕の院をレーダーチャート分析のようにやっていきました。
2013年から自費移行したので、開業して8年、
内装は綺麗ではあるけれど、老朽化もしているし、作りが保険。
お金がないからどうやってそれを自費っぽくするか・・・・
患者動線、受付スタッフ動線、治療家動線の構築、すなわちオペレーション、受付業務の再構築、治療方法の見直しと自身の客観的実力の再チェック(再、というのは元々そういう分析が好きで定期的にやっていたから)をしていきました。
集客にコストをかけられないので、当時はブログを書きまくりました。
なんせ忙しかったのが急に暇になったので罪悪感がすごいです。
何かしてないと発狂しそうだったので、ブログを書きました。
最初は論文みたいな文章しかかけませんでしたが、文章の書き方を勉強していきました。
1日10記事、ブログを更新するまで寝られないルールを課しました。
自費移行後、約半年で売上は保険時代のピーク以上に回復してくれました。
めでたし、めでたし。
ではなく、次の課題は予約が埋まり出したので稼働率を落としながら売上を伸ばすことに挑戦しました・・・
と、色々やってきての今があります。
2013年に自費移行してから9年やり続けた実績があります。
また、治療院経営ラボも、アカデミー時代から8年やり続けた実績があります。
一番は、最初から基礎をしっかりやっていくことなのですが、現在はたくさんの情報がありますから、惑わされてもそれは仕方ないことです。
しかし、もし今回書かせていただいたことに対して、もし少しでもあなたの琴線に触れたのなら、ぜひ治療院経営ラボを思い出してください。
代表自身が19歳からこの業界にいる生え抜きで、開業して20年弱というキャリアで、今もなお現役で治療現場に立っているので、治療院経営の正道をお伝えさせていただくことができます。
3月20日(日)新大阪で院経営の基礎の1つである正しい問診をお伝えする
〝真・問診講座〟
を開催します。
問診とは単に病態把握するものではなく、初対面の患者さんと信頼関係を結びながらお互い対等な大人の関係性を構築しあうことを目的にコミュニケーションを取る手段だと考えております。
そうすることで、初診時の治療効果も上がりますし、ちゃんと治るまで通院してくださるので口コミも生まれやすいです。
患者さん、という人を診るための問診の原理原則と方法論の両方を1日かけてお伝えいたします。
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