治療院経営ラボ代表の松村です。
今回は、私が自身の経営哲学としている教えをシェアさせていただきたいと思います。

 

はじめに

「経営のことは学びたくないけど、売上に悩んでいる…」

そんな思いを抱えている治療家の先生方、この記事は特にあなたに向けて書いています。
今回、私の経営哲学の核心をお伝えしようと思います。

これを知り、学び、実践すれば、私のような平凡な人間から学ばなくても、あなたの治療院の経営は安定し、高いレベルに到達するでしょう。

率直に申し上げると、この哲学が実践できていないことが、あなたの治療院の売上が伸び悩んでいる主な理由かもしれません。
単純ですが、それだけの話なのです。

 

なぜこの内容を公開するのか

最近、会員外の多くの先生方から経営相談をいただくことが増えました。

残念ながらその多くの人は、私が誠心誠意その相談に回答したとて、そのときに軽い感じでお礼を言うだけで、結局は何も実践することもなく、無料のオンライン勉強会にも参加せず、私のセミナーを受講することもなく、ラボに入会するわけでもなく、次は平気な顔をして他のコンサルの無料セミナーに参加してアンケートに答えていたり・・・と人を裏切るようなことばかりしています。

そこで、こういった状況を改善し、同時により多くの方々に価値ある情報を提供するため、思い切ってこの内容を公開することにしました。

 

私の経営哲学の根幹:二宮尊徳の教え

私の経営の基本は、日本の偉大な思想家である二宮尊徳の教えにあります。
その教えを治療院経営に応用することで、多くのことが学べるはずです。

 

報徳思想:徳を以て徳に報いる

二宮尊徳の教えの中心にある概念の一つが「報徳」です。
これは「徳を以て徳に報いる」という考え方です。私の母校も、この報徳思想をベースにしています。

私は高校時代から接骨院の開業を決意していたため、他の授業では居眠りすることがあっても、報徲講話の授業だけは一切睡眠を取らず、熱心に聞き、教科書を徹底的に読み込みました。

 

徳とは何か

二宮尊徳の定義によると、徳とは「そのものに備わっている個性的な持ち前・取り柄・長所・美点・価値・効用・恵み」を指します。

重要なのは、この「徳」は必ず私にもあなたにも備わっているということです。

そして、それらが備わっていることに感謝し、それらにお返しする、つまりそれらを用いて世の中の役に立つことをするというのが、報徳思想の基本なのです。

 

 

報徳思想の基本原則

 1. 積小為大(せきしょういだい)

「積小為大」は、「小さなことからコツコツと」という意味です。

二宮尊徳はこう語っています。

「大事を成し遂げようと思う者は、まず小さなことを怠らず努めるがよい。それは小を積んで大となるからである。でき難いことに頭を悩ましているが、でき易いことを努めない。それでは大きなこともできない。大は小を積んでなることを知らぬからである。」

この教えは、大きな目標を達成するためには、まず小さな努力を積み重ねることの重要性を説いています。治療院経営においても、日々の小さな改善や努力が、最終的に大きな成果につながるのです。

 

2. 五常講(ごじょうこう)

五常講は、儒教の教えをベースにした五つの徳目です。

これらを理解し、実践することで、ビジネスにおいても人間関係においても、より良い結果を導くことができます。

1. 仁(じん):

仁は、五常の中で最も中心的な価値観です。自己の欲望を抑え、相手の立場に立って考え、人々を慈しむ心を表します。治療院経営において、患者さんの立場に立って考え、真摯に向き合うことの重要性を示しています。

 

2. 義(ぎ):

義とは、正しい道理や倫理を意味し、私利私欲を捨てて公共のために行動することを指します。治療院としての社会的責任を果たし、地域社会に貢献する姿勢が大切です。

 

3. 礼(れい):

礼は、社会における適切な行動や儀礼のことです。患者さんや staff を尊重し、相手の立場を考えて行動することで、良好な人間関係と治療院の秩序を保つことができます。

 

4. 智(ち):

智とは、単なる知識ではなく、物事を正しく判断し適切に行動する能力のことです。治療技術の向上はもちろん、経営に関する知識も常に学び続け、賢明な判断力を養うことが重要です。

 

5. 信(しん):

信とは、誠実さと信頼のことです。約束を守り、言行一致を心がけることで、患者さんや staff との信頼関係を築き、治療院の評判を高めることができます。

 

これらの五常を実践することで、治療院経営においても多くの場面で適切な判断と行動ができるようになります。

 

例えば、誰かからその人の知り合いのセミナーを紹介された場合、五常の教えを理解していれば、次のような行動が自然にとれるようになります:

1. セミナーに参加したい場合、まず紹介してくれた人に感謝の気持ちとともに、参加したい旨を伝えます。
2. 紹介者からの返事を待ってから、セミナーに申し込みます。
3. 申し込む際には、セミナー開催者に対して、紹介者の名前を挙げ、感謝の言葉とともに伝えます。

これらの「当たり前」のことが自然にできるようになることが、成功への一歩となります。実際、多くの成功者はこういった細やかな配慮を当然のように行っています。

 

 3. 天道と人道

二宮尊徳の思想では、「天道」と「人道」という概念も重要です。

天道は天地自然のことを指します。

二宮尊徳によれば、天には本来善悪の区別はなく、稲が育つのも雑草が生えるのも同じように扱います。

天は生きているものすべてに平等に恵みを与えるのです。

一方、人道は人の行いそのものを指します。

例えば、稲を育てることを善とし、雑草を除去することで稲の生育を助けるのが人道です。

また、荒れ地となった田畑を開拓するのも人道の一つとされています。

この考え方を治療院経営に当てはめると、自然の摂理(天道)を尊重しつつ、人為的な努力(人道)によってより良い結果を生み出すことの重要性を理解できます。

例えば、体の自然治癒力を尊重しながら、適切な治療介入を行うことで患者さんの回復を促進するといった具合です。

 

 4. 一円融合(いちえんゆうごう)

「一円融合」とは、自分の立場からだけでなく、対立する側の視点も持つことの重要性を説いた概念です。

二宮尊徳はこう述べています

「人は自分の都合のよい半円の世界にとらわれ、他の半円に立つ他人の立場が見えなく、対立衝突し、論争や奪い合い、ついには鳥獣の道にまで至ることは明らかである」

この教えは、狭い視野や固定観念から脱却し、広く柔軟な心で物事の真の姿を見分ける重要性を説いています。

治療院経営においても、自分の視点だけでなく、患者さんの視点、スタッフの視点、さらには競合他院の視点なども考慮に入れることで、より良い決断と運営が可能になるのです。

 

 5. 心田開発(しんでんかいはつ)

「心田開発」は、人の心を耕し、育てることの重要性を説いた概念です。

二宮尊徳は「町や村が荒廃するのは、年貢を納める農民が貧しさの為に心がすさみ、やる気を無くしたからだと考え、農民の心を立て直すことが再建する鍵だ」と考えていました。

この考え方は「貧すれば鈍する」という格言にも通じます。

治療家の先生方も、自身の「心田」を開発することが重要です。例えば、日々の感謝の気持ちを忘れずに「ありがとう」と口にすること、継続的に良書を読むことなどが、心田開発の具体的な方法といえるでしょう。

皆さんの心田は今どのような状態でしょうか?荒れ果てていませんか?

 

 

最後に

ここまで紹介してきた教えが、私の経営哲学のベースとなっています。

もし「金を払ってまで学びたくない」「松村に頭を下げて教えを乞うくらいなら廃業したほうがマシ」と思っていた先生方も、ここで紹介した教えをベースにして、あなたの荒れ果てた心田を耕してみてはいかがでしょうか。

二宮尊徳の教えは、単なる古い思想ではありません。

現代の治療院経営にも十分に応用できる、普遍的な智慧なのです。これらの教えを理解し、日々の経営に活かすことで、きっとあなたの治療院も新たな成長の道を歩み始めることができるはずです。

私の考えが、皆さんの治療院経営の一助になれば幸いです。

共に学び、成長し続けましょう。

 

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