治療家の身だしなみがリピート率を左右する|40代を超えたら「気にしすぎ」くらいがちょうどいい

「治療技術には自信がある。でも、なぜかリピート率が上がらない」
「自費移行を考えているけど、施術費に見合う院を作れるか不安だ」
「患者さんが2回目、あるいは3回目以降来なくなる理由が、正直よく分からない」
もし先生がこのようなお悩みを抱えておられるなら、今回のブログはちょっと耳の痛い話かもしれません。
でも、大切なことだからこそ、お伝えさせてください。
今回は「治療家の身だしなみ」がリピート率にどう影響するのか、そして自費移行を成功させるためになぜ身だしなみが大切なのかについて書きました。
前回のブログでは治療院の「整理整頓」についてお伝えしましたが、実は院内の環境と同じくらい、先生ご自身の身だしなみがリピート率に影響しているのです。
▼前回のブログ:自費移行・リピート率改善の第一歩|治療院の売上が「整理整頓」で上がる理由
治療家のセルフイメージは、だいたいズレている
こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
いきなりですが、先生は今の自分の見た目をどのくらい正確に把握していますか?
実は先日、Googleフォトを見返していたら10年ほど前の自分の写真が出てきました。
「あの頃はこんな顔だったのか…」と、現在の自分と比べて随分と変わっていることに気づき、少しショックを受けました。

私も気がつけば今年で45歳になります。まだまだ無理が効くと思っていますが、やりすぎると次の日に疲労が残ることも増えてきました。
ここで、一つ大切な研究結果をご紹介させてください。
「自分が思っている自分」と「他人から見た自分」は違う
現実の自分と理想の自分にはズレがある
Hernández-López氏らが2021年に発表した研究(Journal of Eating Disorders)では、身体への不満(body dissatisfaction)について、こう定義されています。
「自分が認識している実際の身体」と「理想の身体」との間のズレ」
噛み砕いて言うと、こういうことです。
人は誰でも、自分の見た目について「頭の中のイメージ」を持っています。
でも、その頭の中のイメージは、鏡に映る現実の自分とは違っている。しかも多くの場合、自分のイメージの方が現実よりも良い方にズレているのです。
身体イメージは「主観的な思い込み」で作られる
さらに、身体イメージ研究の第一人者であるThomas F. Cash氏の研究では、身体イメージについてこう述べられています。
「身体イメージとは、自分の外見についての認識や評価を含む、自己概念の一部である」
つまり、自分の見た目をどう捉えているかは、客観的な事実だけではなく本人の主観的な認識によって形成されています。
身体イメージは「知覚」「認知」「感情」の3つで作られる
Cash氏の研究ではさらに、身体イメージは単なる見た目の話ではなく、以下の3つの要素から成り立っているとされています。
- 知覚:自分の身体をどう見ているか
- 認知:自分の身体をどう評価しているか
- 感情:自分の身体をどう感じているか
この3つが組み合わさって「自分の見た目のイメージ」が作られるため、そのイメージは必ずしも客観的な現実と一致するとは限らないのです。
これを治療家の話に置き換えると

ここまでの研究結果を、私たち治療家の話に置き換えてみます。
30代後半から40代を超えた治療家の先生は、自分では「まだまだ大丈夫」と思っていても、実際の見た目は10年前、20年前とは確実に変わっています。
残酷なことに…体臭も変わっています。
口臭も変わっています。
でも、自分のセルフイメージは「以前の自分」のまま止まっていることが多い。
これが大きな問題です。
なぜなら、体臭や口臭、身だしなみの問題は、周りの人が本人に言わないからです。
同僚も、友人も、ましてや患者さんは、「先生、ちょっと臭いますよ」とは言ってくれません。
家族でも気を遣うことです。
その結果どうなるか。患者さんは黙って離れていきます。
リピート率が下がっている原因が、実は治療技術ではなく、先生の体臭や口臭、身だしなみにあった。そんなケースは、決して珍しくないのです。
漫画「シジュウカラが鳴く頃に」を読んでほしい
ここで一つ、ぜひ先生に読んでいただきたい作品があります。
漫画家・奥嶋ひろまさ氏の読み切り作品「シジュウカラが鳴く頃に」です。マンガSPA!にて公開されました。
この漫画は治療院経営ラボの松村先生が会員の先生に、自身と他者のセルフイメージの乖離について注意喚起して下さった際に紹介してくださいました。
この作品では、40代男性の「自分が思っている自分」と「他人から見た自分」のギャップが描かれています。
まさに今回の話そのものです。
自分では「まだイケてる」と思っている40代のおっさんが、周囲からはどう見えているのか。
読むとドキッとする内容ですが、治療家の先生にはぜひ一度目を通していただきたい作品です。
治療家の身だしなみが悪いと患者さんに何が起きるか?
身だしなみの問題は、単に「見た目が悪い」という話ではありません。私も他人のことを言える容姿ではありません。
治療家は患者さんと非常に近い距離で接する仕事です。
施術中は、先生の顔が患者さんの目の前にあります。先生の息が患者さんに届く距離です。
先生の体臭や口臭が直接伝わる距離です。
その時に、口臭がきつかったらどうでしょうか。
制服が汗臭かったらどうでしょうか。
鼻毛や耳毛が出ていたらどうでしょうか。
患者さんは治療に集中できません。集中どころかきっと不快の極みです。
前回のブログで「院内の余計なものが患者さんの集中力を奪う」とお伝えしましたが、先生の身だしなみの乱れも同じです。
患者さんの意識が治療以外のところに向いてしまう。
その結果、治療効果が十分に感じられず、「もう行かなくていいかな」となってしまうのです。
しかも、患者さんはその本当の理由を言ってくれません。
「ちょっと予定が合わなくて…」
「また調子が悪くなったら来ます」
と言って、二度と来院されないケースがほとんどではないでしょうか。
セルフイメージの高い先生は「なぜリピートしないんだろう」と首をひねる。
でも本当の原因は、治療技術ではなく身だしなみだったということがあり得るのです。
リピート率改善のファーストステップ!治療家の身だしなみチェックリスト
おっさんは気にしすぎるくらいがちょうどいい。
私自身がそう思って日々実践していることを、チェックリストとしてまとめました。
毎日の習慣
□ 制服は毎日洗濯する 同じ制服を2日続けて着ない。汗の臭いは自分では気づきにくいものです。
□ 朝、出勤前に必ずシャワーを浴びる 寝汗は思っている以上に臭います。出勤前のシャワーは習慣にしてください。
□ 歯磨きは毎食後に行う 昼食後の歯磨きを省略している先生は多いですが、午後の診療で患者さんとの距離が近くなることを考えると、これは省略してはいけません。
□ 歯間ブラシ・舌ブラシ・うがい薬を活用する 歯磨きだけでは口臭の原因は取り除けません。歯間ブラシで食べかすを取り、舌ブラシで舌苔を除去し、うがい薬で仕上げる。ここまでやって初めて口臭対策と言えます。
□ 髭・鼻毛を毎朝チェックして処理する 鼻毛が出ているだけで、患者さんの信頼感は大きく損なわれます。
□ 耳毛もチェックする これは自分では気づかずに生えていることが多い。定期的に鏡で確認してください。
□ 次の日診療がある時は口臭や体臭がキツくなる食べ物を控える。
定期的なケア
□ 眉毛・もみあげを綺麗に整える 伸び放題の眉毛やもみあげは、だらしない印象を与えます。
□ 髪の毛は常に整えておく(寝癖は禁止) 朝のシャワーで寝癖は解消できます。
□ 散髪は1〜2ヶ月に1回 伸びすぎる前に整えることが大切です。
□ 歯医者の定期検診を受ける 口臭の原因は歯周病であることも多いです。定期検診で早期に対処してください。
□ ユニフォームやスリッパは年に1回は買い替える。色褪せた制服はNG
季節に応じた対策
□ 暑くなってきたら、午後の診療前に靴下を替える 足の臭いは自分では分かりにくいですが、患者さんには伝わっています。
□ ボディクリームやボディーソープ、アロマを活用して体臭を予防する 強すぎる香水はNGですが、さりげない(万人受けする)フレグランスやアロマ、ボディークリームは清潔感を演出してくれます。
体型の維持
□ 運動と食事に気をつける 体型の変化は見た目だけでなく、体臭にも影響します。不摂生な食生活は体臭や口臭を悪化させる原因になります。
※勇気がいることかと思いますが、このチェックリストは女性の方にも協力を仰ぎ、評価していただくことをお勧めします。そして、評価は素直に受け止めて改善に努めることが大切だと考えています。
なぜこの話が大切なのか
正直に言います。
治療院経営ラボでも、身だしなみについてはこれまで何度もお伝えしてきました。
「プロポーションにも気をつけましょう」
「運動や食事には気をつけましょう」
「体臭や口臭がキツくなりますよ」と。
でも、セルフイメージの高い多くの先生が「自分は大丈夫」と思っています。
そして、そういう先生ほどリピート率が低く、売上が伸び悩んでいる傾向があるのです。
体臭や口臭、見た目のことは、本当にセンシティブな問題です。周りの人は気づいていても、本人には言いません。
だからこそ、私は同じ45歳のおっさんとして言いたい。
30代後半から40代を超えた治療家は全員、自身の身だしなみ・口臭・体臭に「気にしすぎ」くらい気をつけるのがちょうどいいです。
先ほどの研究でも明らかにされている通り、自分のセルフイメージは現実よりも良い方にズレているのですから。
「自分は大丈夫」と思っているなら、それはおそらくズレている証拠です。
ぜひ今日から、上のチェックリストを一つずつ実践してみてください。
前回のブログで紹介した院内の整理整頓と合わせて、先生ご自身の身だしなみも整えることで、患者さんが治療に集中できる環境が完成します。
▼前回のブログ:自費移行・リピート率改善の第一歩|治療院の売上が「整理整頓」で上がる理由
リピート率改善に一人で取り組むのが難しいと感じたら
「分かってはいるけど、自分のことだと客観的に見られない」
その通りです。こんなことを書いている私も同じです。
だからこそ、第三者の目が必要です。
治療院経営ラボには、同じ経験をしてきた先生がたくさんいます。身だしなみのことも、院内の整理整頓のことも、自費移行のことも、率直に意見を言い合える仲間がいます。

一人で抱え込む必要はありません。
治療院経営ラボには、自費移行後に最短で経営を立て直すためのメソッドが体系化されています。身だしなみや院内環境の整備から、集客導線の構築、リピート率の改善、価格設計まで、一人で手探りする必要はありません。
4月から治療院経営ラボの料金体系が変わります
最後に、一つお知らせです。
2026年4月より、治療院経営ラボの会員システムと料金体系が変更になります。
| 会員種別 | 3月末まで(税込) | 4月以降(税込) |
|---|---|---|
| プレミア会員 | 55,000円 | 88,000円 |
| アドバンス会員(現スタンダード会員と同内容) | 33,000円 | 55,000円 |
| 新スタンダード会員 | ― | 33,000円 |
3月中にご入会いただければ、現在の料金体系のまま学び続けることができます。
同じ志を持った先生方と共に学べることを、心から楽しみにしております。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。
先生の治療院が、患者さんに感謝されながら安定した経営を実現できますように。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)
治療院経営ラボ
〒662-0913 兵庫県西宮市染殿町3-13 TEL: 0798-20-3340
参考文献・出典
- Hernández-López, M., et al.「Testing the discrepancy between actual and ideal body image with the Implicit Relational Assessment Procedure (IRAP)」Journal of Eating Disorders, 9(1):82, 2021年 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8264984/
- Cash, T. F., et al.「Body Image and the Self-Concept」James Cook University Research Archive https://researchonline.jcu.edu.au/15980/
- Cash, T. F. & Pruzinsky, T.「Body Image: A Handbook of Theory, Research, and Clinical Practice」Guilford Press, 2002年
- 奥嶋ひろまさ「シジュウカラが鳴く頃に」マンガSPA! https://x.com/HiromasaOkujima/status/2005821098110156899/photo/1
- 前回ブログ「自費移行・リピート率改善の第一歩|治療院の売上が『整理整頓』で上がる理由」https://cmlabo.jp/2026/03/09/tidying-up/

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