こんにちは、治療院経営LAB主宰の松村です。

かれこれ二十数年前、まだ1990年代から整骨院で修業を始めました。
マッサージ以外で最初に教わったのは操体法でした。(当時、流行っていたようです)
その次に各部の矯正でした。ボキボキ、はよくやりました。

あの時代、みんなが開業を目指して修業しておりました。
修業なので丁稚奉公。初任給は月1万円。金額に差はあれど、あの頃はほとんどの人がそんな感じでした。

そんな時代なので、なかなか治療のセミナーを受講するということはできませんでした。

修業を始めたとき「今から10年は開業するな」と言われました。
要するに、10年間で開業しても通用する技術を身につけろということでした。

有名な整骨院グループは、一時期無免許や経験年数が少なすぎるスタッフにでも分院長をさせて凄い勢いで事業拡大をしていきました。
それまでは整骨院で分院展開するためには、そこそこのレベル以上の柔整師を分院長にしないといけないということもあり、事業拡大のスピードはコンビニや飲食チェーンなどと比較すると遅いものでした。

もちろん、無資格者を整骨院の分院長にするのは違法です。
免許を登録しないといけないので、仕事ができない柔整師やその分院で勤務する柔整師の免許を形だけの施術管理者として登録して、現実は無資格のスタッフに院長をさせ、保険請求の名義はその柔整師名義というやり口でした。

しかしさすがに明らかな違法経営がいつまでも継続するわけがありません。
次は、免許取り立ての柔整師を分院長にしてしまうという、法律的に「だけ」セーフな経営方法が流行りました。
今は柔整学校も多いですし、開業を目指さない人も多いので、受け皿として成立してしまうのが辛いところです。

そんな環境で育った(治療家としては育ってないですが)人が、治療の勉強をするはずもありません。
最近はマッサージをバカにする風潮もありますが、そのマッサージですら、筋肉をまともに触知できない、骨の場所を触知できないという、マッサージをバカにする資格すら持っていない先生が多いのが現実です。

 

 

治療ができない先生は総じて経営に悩んでいる

5年前に自費成功アカデミーを主宰し、今年から治療院経営LABとして柔整師に限らず、法に縛られている国家資格者の先生方の治療院経営を助けたいと思って活動してきました。
そんな中、共通していることがあります。

 

売上が悪い院で治療ができる先生は一人もいない

アカデミー時代から、会員の先生だけでなく他の先生からも売上に関する相談はたくさん受けてきました。
売上が悪い先生全員が、経験不足か治療のセミナーに参加していないか、参加していても1回受講したらできた気になっているか、認知の歪みからか教わったことが全く実践できていないか等で、要するに開業してもいい技術レベルではない先生方でした。

本人が努力しないパターンや、「僕は1回で覚えるんですよね」という勘違いパターンもあれば、全然駄目な治療セミナーにドハマリしてしまって抜け出せない先生など様々ですが、結果として治療ができないというところは同じでした。

 

治療ができずに売上が出ている先生は、常に不安を感じている

売上で悩んでいる先生の共通点として治療レベルが低いというのはありますが、では、売上が出ている先生はみんな治療ができるかというと案外そうではありません。
あまり治療ができない先生でも、マーケティングやスタッフのマネジメント、マニュアル化で売上を出すことができます。
治療レベルが低いことや、自分ができてないことを自覚し、なおかつ「本当はこのままではいけないよな」と思っている先生で、それでもプライドが邪魔をして白帯の気持ちになれずにいることでなかなか治療セミナーに参加できないという場合、いわゆる「漠然とした不安」を抱え続けることになります。
でも、自分を変えることができないので、その不安をぬぐうことができず、どれだけ稼いだとしても満たされない精神状態でいることがほとんどです。

また、治療技術云々は自覚しているけれど、そこを向上させることに興味はなく(または少なく)、事業として売上を出すことに興味がある先生は、治療院経営を割り切って行っています。
しかしながら、いつまでも新規集患に重点を置いたマーケティングを行うこと、というかそれをしなければ不安であるというところから逃げることができません。
治療院における最大努力は、商品価値を上げること、すなわち治療レベルを上げていくことです。
これはLABでもずっとお伝えしています。
しかしそこを捨て去ったがゆえに、治療技術を上げることよりも労力が大変で、かつ不安定要素が強い新規集患に頼らざるを得ません。
しかし、結局は地域密着事業です。
頑張って値引きチラシをガンガンまいても、どんどん反応率は落ちてきます。
チラシだけでなく、ホームページやSNS等、色んなものを駆使し続けていかなければいけない、そんな経営に未来はありません。
そしてそれがわかっているから、売上があったとしても不安で、その不安感がさらに新規集患努力へと結びついてしまうのです。

 

 

治療と経営は両輪

治療院が少なかった頃は、確かに治療を追求することだけで売上は順調に伸びていきました。
しかしながら、バブルははじけリーマンショックもあり、そして日本の人口が減り続けているという日本市場が縮小していく中、有資格無資格関わらず治療院は増え続けている状況です。
そして10年前、20年前に他業種で流行った集客法がここ数年で一気に業界に流入したこともあり、治療レベルが高くない先生でもそういうことを勉強した先生が、その縮小し続けている市場を食い散らかしている現状があります。

また、正直なところを申し上げると、患者さま全員が「違いがわかる」というわけではありません。
逆に、だからこそ治療の勉強をしない院でも生き残ることができるという理由でもあります。

となると、経営方法を学び、その経営方法に自身が学んだ治療法を上手に乗せるというイメージで院を経営していくことで、今後10年更に縮小していく日本市場であっても盤石な治療院経営ができるのです。

 

 

もうひとつの喜び

治療家が治療家を辞められない理由なのかもしれませんが、治療の勉強をしていくと味わうことのできる喜びがあります。
患者さまの喜びの声もそうですが、単に「気持ちよかった」とか「楽になりました」というものではなく、変化に驚いてくださったり、時には涙を流していただいたり。そういう瞬間はたまりません。笑

もうひとつは完全な自己満足ですが、「ここやったらこっちがこんな変化するんだ」とか「この技のポイントはここだったのか!」という発見する喜びもまたたまりません。笑
せっかく治療家という職業になったのですから、治療家にしか味わえない喜びを感じていただきたいし、その喜びを知ればまた世界が違うし、努力して結果を得るという喜びは楽して手に入れたどんな成果よりも嬉しいものなのです。

 

 

肘井博行先生のBHS療法のセミナーを開催しました

ようやく本題かよ、的な感じですが、経営のためだけでなく、治療家人生のために、今回は肘井先生のBHS療法のセミナーを企画させていただきました。

肘井先生は有名な先生ですので、みなまで言う必要はないかと思いますが、2000人以上の治療家の指導実績のある先生です。
しかも、色んな症状をその場で変化させます。
この技は本当に凄いものです。
肘井先生と出会ったのは、私が月2回学んでいる手技の研修に肘井先生も来られていて、そこで声をかけていただいたことがきっかけです。自身で指導される先生が、まだまだ学ぶ姿勢でおられることに驚いたとともに感銘を受けたのを今でも覚えています。
その研修で手技を教えておられる先生も「肘井先生凄いから絶対に役に立つよ」と言ってくださっていました。
(その先生も凄いですよね。自分が教える研修で他の先生の研修を勧めるわけですから)

そして、なんと肘井先生からも「まっちゃん1度おいでよ」と声をかけていただいたことがきっかけで、私もBHS療法を学ばせていただくことになったのです。

そんな肘井先生、今回の講座でも受講している治療家の先生方の身体をどんどん変化させていきます。

受けた先生方から一様に「お〜〜」「すげ〜」「え?」「なんで?」という驚きの声がドンドンあがります。

それらの技の解説も出し惜しみなくお話くださいました。

 

最後の集合写真で、楽しく学べたことがよくわかるほどみんな笑顔です。

 

実は今回の内容は、事前にしっかり打ち合わせを行いました。

あ、いや、お酒は飲みましたがちゃんと打ち合わせしましたよ。笑

今回は受講される先生のほとんどが肘井先生のセミナーを受けたことがない先生ということと、キャリアにもバラつきがあることから、BHS療法の基本をお願いすることとなりました。

肘井先生の治療の凄いところは、単にオリジナルの技術にあるだけではなく、どんな治療法の邪魔もしないという側面にもあります。
ですので、他の治療法を学んでいる先生でも必ず役立つことをチョイスしていただきました。

基礎とはいえ、一瞬で身体を変化させる技から、圧痛を取る技、そして飛蚊症まで一瞬で軽減してしまう技、歩けないほどのギックリ腰を歩けるようにする技など、ものすごく濃い内容となりました。またセミナー終了後の懇親会でも、違う技を見せていただいたり、治療のアドバイスをしていただいたり・・・とセミナー同様濃い懇親会となりました。

今回の内容で、受講者皆さん、院内の清掃と整理整頓がどれだけ重要かおわかりいただけたかと思います。
これに関してはLABでも経営的側面から口くるさく言ってきましたし、僕が講師をした問診講座、治るコミュニケーション術講座でもデモンストレーションをお見せしていたので、更にご納得いただけたかと思います。

受講された先生方は「守破離」の「守」をしっかりと実践し、今回学ばれたことが身につくまで何度も実践してくださいましたら幸いです。

 

 

若い先生、キャリアの浅い先生に伝えたいこと

今、我々の業界には色んな治療セミナーが存在します。
数が多いと質が劣化するのは原理原則でして、実際に「いやいや、君そりゃあかんやろ」ってものも多いです。
そんな中、肘井先生は紛れもない本物です。(僕ごときがエラそうに言うなと怒られそうですが)
もちろん、肘井先生以外にも本物の先生はたくさん存在します。
そういう先生に師事し、技術を高めている先生はこれからもそちらで精進すればいいかと思います。

ぜひ、治療を教えている先生のキャリアに着目してください。
1年2年の差ならすぐに埋まりますが、10年20年はというキャリアの差は、ベテランの先生が精進し続けている限りその差は埋まりません。
経営なら若手経営者から学ぶべきことも多々ありますが、知識だけでなく「身につける」という身体を使う技術に関しては、理論と感覚、そして研鑽を重ねることが大切なのでキャリアが長い先生で、なおかつずっと研鑽し続けている先生が本物であることは間違いまりません。

ちなみに、僕のキャリアはすでに20年以上、のべ人数にすると15万人以上の患者さまを診させていただきました。
治す、治さないではなく、診た経験だけなら髄膜炎やコットン骨折(整骨院ではなかなか来ない症例)、癌なども経験してきました。

そんな僕は、恐れ多くて治療のセミナーなどできません。
だって僕より凄い先生なんていっぱいいますから。

ということは、最低でも僕より数字が上で、なおかつ僕より研鑽し続けている先生でないと本物ではないということになります。

また、治療を覚える目的は先述した自分の喜びのためでもありますが、やはり患者さまのためというところは外せません。

「この技術で月商〇〇〇万円」なんてコピーで売ってる技術は受けないほうがいいです。
本物だと僕が思う先生で、ご自身の技術をそういうコピーで売っているのを見たことがありません。

若い先生や、脱サラなどでキャリアの浅い先生で、まだ本物に触れたことがない先生はぜひ1度本物の治療家から学んでいただければとい思います。

ただ、学ぶときには今までの自分のやり方や考え方などはリセットして、真っ白な状態で学ぶ姿勢がないと、本物の治療家の先生のセミナーでは迷惑になります。これは肘井先生が教えられているセミナーでも同じです。
素直な気持ちで受け入れ、言われたままを実践する、これができる先生は、たとえ若かろうがキャリアが浅かろうがしっかり教えていただけることでしょう。

 

 

最後に

肘井先生は、お忙しい中「まっちゃんの頼みだったらやるよ!」と快諾していただくことができました。
治療家というのは、技術だけでなく人間力も大切だと痛感させられました。
身体はデカいですが器が小さい僕は、まだまだ本物には遠いようです。

肘井先生、そしてBHS療法を学ばれていて今回補講師をしていただいた先生方、得体の知れない集まりのセミナーを受けていただいて誠にありがとうございました。

私もどんどん勉強させていただきますので、今後ともLABの先生共々ご指導のほどよろしくお願い致します。

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