治療院経営ラボ代表の松村です。

初診料10,000円→1,980円、みたいなチラシが僕たちの業界で出回ってもう何年くらいになるのでしょうか。

正直な話、初回1,980円、下手したら3回1,980円という特典(オファーと言います)をつけて集客し、回数券を売りつけてその場の売上を出すという商法を教えるコンサルに引っかかった先生から、むちゃくちゃたくさん相談を受けます。

素直で真面目な先生ほどこの商法そのものに悩まれるようです。

さらに「入ってるグループ抜けて本当はラボに入りたいけど、抜けたら何を言われるかわからない・・・」なんて悩みもあるようです。

なんて悲惨なんでしょうか。

真面目な先生がそういうところに引っかからないように、今回はなぜ多くのコンサルが値引きチラシをバカの1つ覚えのように使い倒すのかを解説していきたいと思います。

 

 

チラシの基本的な構造

まずはじめにチラシの基本的な構造のお話。
細かい話をするとキリがないので、今回の記事のテーマに必要な部分のみざっくりと紹介させていただきます。

キャッチコピー

ターゲットとなる人に響く言葉です。
治療院におけるキャッチコピーは、大企業のように意味不明なポエムにするのではなく、ターゲットとなる人に響けばかっこよくなくても全然構いません。

 

具体的な悩みと共感

ターゲットとなる人が思わず「そうそう!そうなんだよ!」と言ってしまうな具体的な内容とそれにこちら側が共感する文章。

 

プロフィールと自己紹介

誰が悩みを解決してくれるんだ、ということがわからなければいけません。
ターゲットの方に合った自己紹介文とプロフィール文が必要になります。

 

解決策の提案

ターゲットの悩みごとを解決するためのことがないと、さすがに「どうやって解決するの?」となりますから、わかりやすく表現する必要があります。

 

オファー

ターゲットとなる人の背中を押すための提案です。

 

屋号や連絡先、アクセス等

どれだけ良いデザインでも、どれだけ中身を充実させても「お前、どこの誰やねん」ってなってしまえば無意味です。
しかし、ラボでもチラシの添削に出してこられる原案で、これが抜けているのが非常に多いのも事実。

どこの誰やねん、は絶対に必要ですね。

 

写真とデザイン性

20年前までのチラシであれば手作り感満載の汚いチラシでもなんとかなりました。
しかし現在はプロが撮った写真に加え、写真のチョイスもチラシのプロがして、デザイン性があるものでないとなかなか反応が出ません。

ちなみにチラシに載せるプロフ写真。
治療してる風の横とか下とか向いてる写真を選んじゃう先生はチラシ作りにむいてません。
正面を向いて正々堂々と写った写真が必要です。

 

 

チラシ作りで一番難しいポイントとは?

相当省略しましたが、前章でチラシを作るための基本的なパーツを紹介させていただきました。

さて、これだけわかっていても本来チラシ作りというのは非常に難しい部分があります。

それがターゲット設定。

治療の勉強を全然せずにそれほど経験もなくすごしてきた先生が開業した場合、ターゲットは「自分でも治せる症状で困っていて、なおかつ治療家のことをナメないでなんでもハイハイと言うことを聞いてくれる人」になることが多いです。

でもそれだと浅い。浅すぎます。

そうじゃないんですね。

もっと、自分の理念に応じた「この人のためなら今よりもっと頑張れる!」みたいなそんな人をターゲットにするべきなんです。

自分の理念や生き方など考えたことのない先生は、これを機に考えてみてください。
マーケティングって、そこからスタートなんです。

ターゲットが決まれば、ターゲットとなる人〝だけ〟に響くお手紙を作る。

これがチラシの元ネタになります。

あとは反応が出る配置、というものが存在するので、前章で紹介したパーツを作って反応が出る配置通りに置いてデザインをしていけばチラシは完成します。

すなわち、ターゲットが定まり、かつそのターゲットとなる人の本当の悩みに共感できない限り、良いチラシは作れないのです。

 

 

値引きチラシの罪

ところで、値引きチラシはなぜダメなのかご存知でしょうか?
実は広告のオファーに大幅な値引きを使うという手法が入った業界というのは、ことごとく大変なことになっています。

治療院業界はまだ〝原価〟という概念がありませんが、工務店や飲食店の場合は値引きすることで質の低下を招くことがほとんどです。

実は治療院でも、値引きチラシに反応するような人間をたくさん相手にすることで治療家が疲弊したり「どうせお前も安いから来たんだろ」状態になることで本気で治療しなくなるなどで結局は質の低下を招きます。

「ちゃんとやればいいんじゃないの?」と言いますが、真面目に治療の勉強をしてきた先生ほど、不真面目な患者さんを前に本気出せません。

それは僕も経験済み。
初診でこちらがお話聞こうとしても「ええからはよやってや」的な態度だったり、あからさまに「安いから来た、2回目は絶対来ない」というノリの態度だったりされるわけで、正直まともに相手にできません。

問題はそういうチラシを見てきた人たちの中に、たまに本当にお困りの方がいること。

そういう人たちは、例えば工務店でリフォームしてもらったら出来栄えが全然だから「やっぱり町の工務店はダメだ!大手に頼まないと」となります。治療院は「やっぱ治らない!医者に行かないと!」となります。

その店舗や会社がダメだっただけで、腕の良い大工のいる工務店はいっぱいありますし、真面目に勉強してる治療家もたくさんいるのですが、十把一絡げで「ダメ」の烙印を押されてしまうのです。

こうやって業界そのもののイメージが悪くなってしまいます。

 

 

それでもコンサルが値引きチラシを使い続ける本当の理由

例えば、超大手コンサル会社は新しい業界に参入する場合は、その業界で成功しているところに上手く取り入り、コンサル料をもらいながらノウハウをパクります。

使えるな、と思った経営者をセミナー講師にさせます。
断れば「業界のことを考えられないのか!」と責めてきます。

しかしそういう大手の会社でも、チラシの作り方は知りません。

でも「うち、チラシは専門じゃないんで」とは言えない。

さらに、正しいチラシの作り方でチラシを作ると、自分の院の理念とかが反映されたチラシになるわけだから、ヨソがパクっても反応は出ない。

だからパクるのが得意な大手のコンサル会社も悩むわけです。
でも、「うちがチラシを作ればこれだけ反応率が出ます!」と言わなきゃなりません。

だから、安易にそこそこ反応が出る値引きチラシに逃げるのです。

そんなコンサルどもは業界の長期的展望など何も考えていません。

要するに

 

「僕が作ったチラシはむっちゃ反応いいんです!ほらこのデータ見て!」

 

と言いたいけれど、値引き以外でその結果を出す能力のないコンサルが選択する方法が値引きチラシなのです。

大手コンサル会社だけでなく、値引きチラシと回数券をセットでやらせるコンサルも同じです。

そうやって短期的な結果を出して、「俺のコンサル受けたらこれだけ儲かるぜ〜」って言って自分が集客したいだけなのです。

値引きチラシ一辺倒スタイルであったり、決まったテンプレしか使わない、使えないコンサルは、そのコンサル自身が無能であることを隠すためにえげつない値引きをさせるのです。

 

 

反応率は高ければいいというわけではない

反応率、例えば1000枚ポスティングして何人予約が入ったという数字ですね、これを最大化するにはどうすればいいでしょうか?

手段を選ばないなら・・・・・・

 

「肩こりから末期癌まで、どんな症状でも1発で治します。治せなかったら治療代はいただきません」

 

なんていいんじゃないでしょうか。
えげつない数字が出そうです。

 

これは大袈裟な例ですが、反応率をべらぼうに上げるということは、人の心を異常に煽るか、嘘をつくしかないのです。

だからこそ、響く人に確実に響く、それくらいの反応率を目指すべきなのです。

ちなみに、平均的な反応率はポスティングで0.1%、新聞折込で0.01%と言われています。(分母は最低2000枚)

例えばポスティングで反応率3%とか5%とか、そんなべらぼうに高い反応率を売りにしているコンサルは、その反応率そのものが嘘か、嘘をついた広告をしているかのどちらかでしかないのです。

 

 

手段を選ばないチラシを使い倒した治療院の悲惨な末路

さて、実際に値引きチラシや煽り系チラシをポスティングしまくった治療院はどうなるのでしょうか?
名前を明かさないかわりにネタとして使わせていただく許可を取らせていただいている事例だけでも結構悲惨です。

 

K先生の場合
ポスティングしていたら「ここらへん一帯にはもうチラシ入れるな!」と怒られた

K先生か関東の先生。保険100%の整骨院を経営されていて自費に移行したいということで某セミナーに参加に入信、いや、入会されたそうです。

無料相談もついていたし、なんだかみんな成功してそうな雰囲気だったので入会を決意し、テンプレチラシを院データだけ自分のものにしてポスティングしまくったそうです。

努力家なんでしょう、多い日は1日2000枚以上を朝からまき続けたと言われていました。

ポスティングを始めた当初、すごい反応で電話が鳴り止まなかったとか。

一気に忙しくなり、すぐに自費の月商は100万円超え。
素晴らしいですね。問題はここから。

同じエリアにある治療院が同じコンサルを受け、同じチラシをポスティングしだしたことで反応率が激減。

K先生も負けじと応戦し、ポスティング合戦のように・・・・

しかし毎日寝不足になりながらポスティングしているせいか、リピートしていた患者さんも減り月商は半分以下に。。。。

ある日の夜、診療が終わってからポスティングをしていて一軒家のポストにチラシを入れようとしたところに住民の方と鉢合わせ。

挨拶をしようとしたら

 

「あんたか!いっつもいっつも下品なチラシを入れてるのは!もう二度と入れるな!」

 

と怒られ、謝罪したそうです。
その日はそれで心が折れてしまい帰宅。

売上も落ちているのでコンサルに相談するも、「もっとポスティングを」「朝刊が入るちょっと前が反応いいから夜中2時か3時頃に入れてみて」と言われるばかり。

この時点で僕の院に電話がありました。
面識のない先生でびっくりしましたし、本来であればいきなり院に電話してくるような非常識なことをされたら絶対に対応しないのですが、なんとなく様子がおかしいこと、追い詰められてる感じがヒシヒシと伝わってきたので対応させていただきました。

 

「先生の院まで行きます!だから相談に!」と強く言われるので日時を決めてお会いしました。

もう、うちの院によく来院される〝病んでる系の患者さん〟と同じ顔をされていました。

 

どうしたらいいですか?ということだったので、別にラボに入る入らないはどうでもいいから、先にそのグループを抜けましう、そして、ポスティングをやめましょうと提案させていただきました。

しかし、チラシをまいて売上が出たという経験が逆に「チラシをまかなければ売上が出ない」にすり替わってしまい、やめるのが怖いと。

グループも知り合いの先生が入っているので、その先生の顔があるからやめられないと。

チラシが人生を決めるわけでもないし、知り合いの先生が経営責任を持ってるわけでもないと言いましたがダメ。

正直、何をしに関東から新幹線に乗って西宮まで来たんだって話なんですが、貧すれば鈍するというのでしょうか、もう精神状態が普通ではありませんでした。

何かあっては嫌だな、と思い、とりあえず「僕の提案、頭の片隅くらいには入れておいてくださいね」とお伝えして終了。

後日、連絡をいただき、結局そのグループを抜けなんと自費移行から再度保険移行という選択をされたそうです。
ラボで勉強しますか?と聞いたのですが、そのグループを抜けてラボに入ったのがわかると知り合いの先生に申し訳ないということで、僕も深追いをしませんでした。

 

 

M先生の場合
値引きチラシで集客したせいで地域で院ができなくなり廃業。全然知らない土地に移転するハメに。。。

鍼灸師のM先生は過去に僕のセミナーでご縁をいただき、Facebookでつながっていました。
当時、僕は整骨院自費成功アカデミーという柔整師だけのコミュニティを運営していたので、セミナーは受講されたものの入会は諦められていました。

そんなM先生、僕のセミナーを受講する動機は「開業するから」とのことでした。

ある日、

 

「松村先生、嫁の地元に引っ越しします」

 

という連絡がありました。

夫婦のパワーバランス的に、奥様のほうが強い夫婦の場合は奥様の地元で開業というパターンが多いので(笑)、てっきりそのパターンかと思い、

 

「いよいよ開業ですか?」

 

と返信しました。
すると・・・・

 

「実はあれからすぐ開業したんですが、もうやっていけないので院をたたむんです。嫁にも怒られてしまって、嫁さんの地元でやり直すことにしました」

 

とのことでした。

事情を聞くと、開業と当時にコンサルにお世話になることに。
そのコンサルが値引きチラシのテンプレを送ってきて、印刷してポスティングしまくりなさいと言われたと。

人生を賭けた開業です、奥様にも手伝ってもらって頑張ったとのこと。

しかし、コンサルが言うほど反応がありません。

地元での開業です。
そうこうしてるうちに友人から連絡が。

 

「お前、悪徳整体院の仲間になったんか?」

 

と。

まったく意味がわからなかったので事情を聞いたところ、同じ地域にあった整体院が全く同じチラシをまいて、回数券を売りつけて苦情がすごいことになったと。

まったく同じチラシだから、その悪徳整体院と同じやつがやっていると誤解を受けたようでした。

開業してすぐは認知度が低いため、チラシなどは確かに有効。
しかし、すでに値引きチラシの悪影響があったエリアで全く同じテンプレを使ってしまったがためにマイナスの認識を持たれてしまったのです。

そして世の中というのは悲しいかな良いウワサより悪いウワサのほうが広がりやすい。

開業して1年で奥様の我慢が限界になり、一旦リセットを決意。
もちろん事業資金の借入は残っています。

返済もリスケし、一旦廃業を決意されたそうでした。

 

 

まとめ

さていかがだったでしょうか?
我々の業界、値引きチラシが出回っています。

すべての値引きオファーが悪いわけではありません。
しかし、本来は自院をとことん落とし込み、ターゲットを炙り出したところでオファーが値引きだったとしても、そのデザインや文言は院によって絶対に変わるはずなんです。

要するに、オリジナルなチラシ以外あり得ないのです。

思考停止させ、テンプレで楽をしようとしたら、手痛いしっぺ返しが待っているのです。

チラシは誰にでもできるものではありません。
治療同様、しっかり勉強してみていただきたいです。

 

法律を完全に遵守しながら、理想の患者さんだけを集めるチラシを作ることができる講座があります。
値引きをせずとも、集客できます。

すでに治療院経営ラボ会員の先生方が実践して効果は実証済み。

次はあなたです。

真面目に治療に取り組む先生こそ、本当のチラシ作りを学んで地域の方々を救ってください。

お申し込みはこちら

https://cmlabo.jp/flyer-creation/

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