学びをやめた瞬間、現状維持ではなく劣化が始まる|治療院経営ラボ令和8年3月セミナーレポート
「問診がうまくいかない。患者さんにどう説明すればいいのか分からない」
「技術には自信があるのに、患者さんに伝わっている手応えがない」
「一人で治療院を運営していると、自分の弱点に気づけない」
もし先生がこのようなお悩みを感じたことがあるなら、今回のセミナーレポートがヒントになるかもしれません。
令和8年3月に、岡山にて月に1回開催している治療院経営ラボのグループセッションを実施しました。今回のテーマは「問診:クロージング」です。

このブログでは、セミナーの内容と、参加された先生方の声をご紹介します。
「わかりやすい説明」ができる先生の共通点
こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
今回のセミナーで取り組んだのは、問診における「クロージング」についてです。
あ、クロージングと書くと強引に予約を取らせるとか、商材を売りつけるようなイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれませんがそれは違います。
今回学びを深めた問診のクロージングとは、新規患者さんが自分から「次回は〇〇に予約をお願いします」と、受付で予約を取って帰る構造について学びました。

患者さんから「次はいつ予約を取ればいいですか?」と、受付で自然と次の予約を取る理由は、問診から治療、クロージングまでの流れに澱みがなく、患者さんも治療や先生とのコミュニケーションに満足かつ信頼しておられる証拠です。
※治療院や治療家が安心安全を提供できている前提とします。
でも、次の予約を取らない。
あるいは、急に次回予約をドタキャンする理由は、問診から治療、クロージングまでの流れに澱みがあるからだと言えます。
では、新規患者さんが自分から「次は〇〇に予約をお願いします」と自動的にリピートする問診のクロージングとはどんな内容なのか?
具体的にいうと、
- 問診において、患者さんが受け取りやすい言葉を使う。
- 患者さんが理解しやすい説明をする。
- 施術で患者さんのお悩みを和らげる。
- 患者さんの求めるゴールと来院プランをすり合わせる。
- そして、次回施術を受ける理由を伝える。
ことです。
言葉にすると当たり前のように聞こえますが、これを実践するのは簡単ではありません。
そのために治療家は、知識を深め、技術を高めるだけでなく、自身が持つ技術の特性や効果効能を熟知しておく必要があります。
今回のセッションで、卓越した問診や検査、説明ができている先生に共通していたことがありました。
それは、知識や技術の成熟度に比例して、わかりやすい説明や的確な問診・検査が可能になっているということでした。
つまり、問診力を上げたいなら、問診のテクニックだけを学ぶのではなく、治療技術そのものと知識の習得を継続していくことが不可欠だということです。
説明できない=構造を理解していない

ここで、少し厳しい話をさせてください。
治療の勉強を継続していないため、あるいは勉強が不足しているために、問診や患者さんへの説明があやふやで、イニシアチブや合意が取れない先生もいらっしゃいます。
多くのケースは以下の通りです。
- マッサージをするだけしかできない。
- ストレッチしかできない。
- 昔学んだ技術を今も同じレベルで再現できると勘違いしている。
- 技術セミナーに5回くらい出ただけで「できるようになった」と思って学びをやめてしまった。
- 知識のアップデートをしていない。
- ちょっと学んだだけで知っているつもりになっている。
- 同じ技術の勉強を5年以上継続したことがない。
なぜ、こういう先生の説明や問診、検査の見立てが曖昧になるのか。
答えはシンプルです。患者さんが訴えるお悩みの構造を理解していないからです。
ここでいう構造とは何か。
構造とは、いくつかの部分から全体を成り立たせる組み立てのことです。
全体を形作る、諸要素の依存・対立の関係のあり方のことを指します。
患者さんにわかりやすい説明をするためには、治療家自身がまず「患者さんが訴えるお悩みの構造」を知っている必要があります。
神経、筋肉、関節、脳の働き。解剖学や生理学、神経学などを深く理解している。
これらがつながって理解できている先生は、患者さんに対して驚くほどシンプルに説明や問診ができます。
さらに必要な検査技術を活用して、患者さんの不調の原因を導き出すことも可能です。
逆に、構造の理解が浅い先生は、単発の知識やセミナーで聞いた点の情報、用語だけを覚えている状態です。
こういう先生の説明は、どうしても長くなり、分かりにくくなり、曖昧になります。
構造を理解している先生は「今、患者さんの体で何が起きているか」が分かる。だからシンプルに説明できる。
構造を理解していない先生は「なんとなくこうかな」の域を出ない。だから説明が曖昧になり、患者さんの合意が取れない。
この差は、リピート率にそのまま反映されます。
野球に例えるなら
少し分かりやすく例えてみます。
野球で毎日素振りだけしている人がいるとします。でもルールを知らない。ピッチャーの配球も知らない。守備位置も知らない。
この人が試合で勝てるかといえば、それは難しいでしょう。なぜなら、野球の構造を知らないからです。
治療家でも同じことが起きています。マッサージだけしている。ストレッチだけしている。昔の技術をなんとなくやっている。これは「素振りだけしている野球選手」と同じ状態です。
料理に例えるなら
料理で考えても同じです。
火加減を知らない。調味料の意味を知らない。なぜこの順番で作るか知らない。でも「昔やったことがあるから作れます」と言っている料理人。
こういう人が作る料理はどうなるか。味がバラバラになります。
治療も同じです。なぜそこが硬くなるのか、なぜ痛みが出るのか、なぜその手技をするのか。これを理解していないと、ただ触っているだけになってしまいます。
患者さんが訴えるお悩みの構造の理解=地図を持つこと
もう一つ例えるなら、初めての土地に行く時に地図を持っている人と持っていない人の違いです。
地図を持っている人は、自信を持って案内できます。地図を持っていない人は、あちこち迷いながら曖昧な案内しかできません。
構造を理解しているということは、治療の全体地図を持っているということです。
だから「今どこで、何が起きているか」が分かり、シンプルに説明できるのです。
患者さんが訴えるお悩みの構造理解の有無がリピート率を分ける
構造を理解している先生は、説明が分かりやすいので患者さんが納得します。
イニシアチブが取れますし、合意も取れます。結果として、リピートにつながります。
構造を理解していない先生は、説明が曖昧なので患者さんが不安になります。主導権が取れず、合意も取れない。結果として、リピートしません。
技術の習得は一朝一夕ではできない
技術の習得にはおよそ1万時間が必要だと言われています。3年学んで、少し分かった程度です。
技術セミナーに2〜3回、出ただけで「できるようになった」と思うのは、部活1年目の選手が「自分はうまい」と言っているようなものです。
本当の成長プロセスはこうです。
インプット → 実践 → 失敗 → 修正 → 再インプット → 再実践
これを何百回も繰り返す。そうすることで初めて、構造が見えてくるようになります。
正直に言います。
勉強していない先生は「治療しているつもり」なだけです。 その本質は、ただの作業になっています。
学びをやめた瞬間、劣化が始まる
技術の研鑽も知識の習得も、学びをやめた途端に現状維持ではなく、劣化が始まります。
この点は筋トレやスポーツと同じだと感じました。
トレーニングをやめれば筋力は落ちていく。練習をやめれば技術は錆びていく。
施術の仕事を続けていく以上、技術の研鑽と知識の習得は永遠に継続していく必要がある。そのことを改めて実感できた1日でした。
とはいえ、徒手療法や知識の習得に坂道を走り込んだり、重たいウェイトを上げるようなフィジカルは必要ありません。
楽しみながら継続していきたいと思います。
参加された先生方の声
今回のセミナーに参加された先生方からいただいた感想をご紹介します。
なかま鍼灸整骨院 宮下雄輝先生
今日も大変貴重な有り難い学びと気付きをいただき、ありがとうございました。
自分自身の治療方針・方法・技術が不足していることをワークでハッキリと自覚させていただきました。
これはとても恥ずかしいことではありますが、1人で治療院を運営していると伝えてくれはる人がいないので、有り難かったです。
先ずはしっかりと足元を見つめ直して、治療を体系付けることに取り組みます。

はだ鍼灸整骨院 羽田雄作先生
本日のワークで自分の弱点がはっきりしました。
手技も今月これを習ったから、これを使うというだけでなく、何を狙って何の為にこの手技を使うのかを意識していこうと思いました。
手数や時間を減らせそうです。
ありがとうございました。

開業前 宇都宮輝久先生
自分が今の治療の勉強をなんとなくやっていたんだなと、そのやり方が何をどうやって行くのかを細かく知らなかったと、今回のセミナーで知る事が出来ました。
自分に教えていただいている先生にお返しが出来るように、今、自分のやっている事をもっと深く勉強していきます。
本日はありがとうございました。

一人で気づけないことがある
宮下先生の感想の中に、とても大切な言葉がありました。
「1人で治療院を運営していると伝えてくれはる人がいない」
これは、多くの一人治療院の先生が感じていることではないでしょうか。
自分の問診のどこに課題があるのか。自分の技術のどこが不足しているのか。
一人で院を運営していると、率直に指摘してくれる人がいません。患者さんは不満があっても言ってくれませんし、同業の先生も日常的に自分の問診を見てくれるわけではありません。
だからこそ、同じ志を持った仲間と学び合える環境が大切なのだと、改めて感じました。
羽田先生が言われた「何を狙って何の為にこの手技を使うのか」という視点も、一人では気づきにくいポイントです。宇都宮先生の「なんとなくやっていた」という気づきも、ワークを通じて初めて自覚できたものでした。
学びを継続するためにも、同じ志を持った仲間がいると切磋琢磨でき、お互いに高め合えます。
安定した治療院経営は治療の勉強と経営の勉強の両輪で作られる

治療院を経営していくなら、経営の勉強と治療の勉強は両輪だと考えています。
どちらか一方だけでは、安定した治療院経営は実現できません。
治療院経営ラボでは、今回の問診セミナーのように治療に関するテーマも扱いますし、経営戦略や集客導線、価格設計といった経営のテーマも扱います。
治療と経営の両方を、同じ志を持った先生方と一緒に学べる環境です。
興味のある先生は、一緒に学んでみませんか?
4月から治療院経営ラボの料金体系が変わります
最後に、一つお知らせです。
2026年4月より、治療院経営ラボの会員システムと料金体系が変更になります。
| 会員種別 | 3月末まで(税込) | 4月以降(税込) |
|---|---|---|
| プレミア会員 | 55,000円 | 88,000円 |
| アドバンス会員(現スタンダード会員と同内容) | 33,000円 | 55,000円 |
| 新スタンダード会員 | ― | 33,000円 |
3月中にご入会いただければ、現在の料金体系のまま学び続けることができます。
同じ志を持った先生方と共に学べることを、心から楽しみにしております。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。
先生の治療院が、患者さんに感謝されながら安定した経営を実現できますように。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)
治療院経営ラボ
〒662-0913 兵庫県西宮市染殿町3-13 TEL: 0798-20-3340

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