治療院経営ラボ、代表の松村です。
今回は売れる治療メニューを作るための基礎の部分を6つのステップに分解して解説していきたいと思います。
治療する時間がどうしても長くなりすぎてしまう・・・
なんだか不安で自信を持って患者さんに治療できない・・・
根拠が弱いせいで、患者さんに対して堂々と次回の来院を告げることができない・・・
ということでお悩みの先生や、
学ばれている治療法の効果をもっと上げたい
という先生は少し長い記事ですが、ぜひじっくりしっかりと最後までお読みいただけましたら、解決策になるかと思います。
治療メニュー以前のお話
治療院という箱を用意して事業を行う以上、それは店舗ビジネスです。
飲食店や小売店となんら変わらない法則に支配されます。
その法則とは超絶シンプルで〝汚い店では稼げない〟というものです。
「飲食店にはキタナシュエランがあるやないか!」と思われるかもしれません。
しかしそれはあくまでも低価格、かつ超絶大衆店でのお話です。
たとえば焼肉屋だったとして、そこに高級店であれば大枚をはたかないと食べられない肉を仕入れていて、それを安価で提供していたとしても、それは大衆店のお話。
メニュー表は油で汚れ、日光で脱色し、床はヌルヌル。
ゴキブリが出ても文句は言えないようなお店で、薄利多売のビジネススタイルをしているだけです。
さらに言うならば、飲食店であれば「美味いメシ」という形のあるものを提供しますし、元々そういう汚い店でコスパの良い食事をすることを求めてる人が来るわけですからそれで良いわけですが、治療院の場合は何かしらの症状を抱え、不安を感じ、しかも大切な自分の身体を他人に預けるという行為をするわけですから、安心できる環境を作るという点で、圧倒的に清潔でなければいけないのです。
このあたりは先日(2023年1月15日)に開催した売れる治療院の作り方講座ベーシック編でお伝えした内容になるので割愛しますが、最低限の条件として清潔かつ無駄なモノが置いてない治療院、さらに男性治療家であれば常駐する女性スタッフ、患者さんがリラックスできて不快にならないための身だしなみとコミュニケーション能力、これらが最高の状態とまでは言わなくとも、治療院を開業してやっていけるだけの最低限のレベルで備わっていることが大前提となります。
そしてそのレベルはどうやって測るのかというと簡単です。
2回リピート率が50%以下でないかどうか。
多くの患者さんは、1回で結果を求めていません。
だいたい3〜4回は通院しよう、と覚悟を決めて受診される方が多いです。
にも関わらず2人に1人が初診で離脱するというのは、治療以前の問題が相当重症であるという証明です。
まずは2回リピート率を計測し、50%以上であるかどうかご確認ください。
なお、保険を使っている柔整師の先生の場合は、保険だとリピートのハードルが低すぎて、数字が異常にハネ上がってしまいますので、保険を使ってる柔整師の先生の場合は保険患者さんではなく自費患者さんのみで計測しましょう。
ステップ1 本当に使える治療法をあぶり出す
1万時間の法則、をご存知でしょうか?
物事を習得するのに必要な時間と言われてます。
もちろん、考え無しで間違ったことに1万時間費やしても何も習得できませんし、才能や環境で1万時間以下に短縮できる場合もありますが、凡人であればだいたいそれくらい必要だよねって数字です。
1日24時間使うことはできません。
たとえば、1日8時間ずっと治療をしていたとして
10,000時間÷8時間=1250日
1250日÷365日=3.424657・・・・年
約3.5年必要となるわけです。
〝石の上にも3年〟昔の人は良いことを言うものです。
もしあなたがゴルフを始めたとします。
レッスンプロに一度スイングを習ってコースデビューしてスコアを作れますか?
もしあなたが野球を始めたとします。
プロ野球選手のYouTubeを見て野球ができるようになるでしょうか?
どれも無理だと思います。
さてもう1つ。
先ほどと同じ例にしましょう。
ゴルフや野球を一度や二度だけ3年頑張って続けたからといって、いったいどれくらいのレベルになるのでしょうか。
もちろん、初心者レベルは超えると思います。
センスがある人なら〝アマチュアレベル〟であれば上手な部類に入れると思います。
しかし〝ソレ〟でメシを食うプロになれるでしょうか?
スポーツの世界で、一度結果を出す(試合に勝つ、タイトルを取る等)ことができれば、もう練習しなくてもOKでしょうか?
練習するにしても、もう他者に教わることなどなく、我流で練習し続けるでしょうか?
ずっと磨き続けている技、これこそがプロが使うべき技術ではないでしょうか。
さて、では患者さんに提供できる技術の選定基準をお伝えします。
3年以上継続して学び続けていて、かつ今も学び続けている技術
※学ぶペースは月1回以上であること
過去に3年以上、学び続けた技術
※学ぶペースは月1回以上であること
です。
要するに〝ある一定以上のレベルまでは習得できているであろう技術〟ということになります。
この治療法の名前を書き出してください。
厳しいようですが、年に1、2回セミナーを受けただけのものは、そのセミナーやそのセミナーの講師がいかに優れていようとも、いや、優れている場合こそ、たかだかそれくらいでテクニックだけでなくその講師の想いや魂をも学べたとは言えませんので、それは「ちょっとだけ教わった」レベルであると自覚してください。
僕らの業界、治療家を気取る方々(国家資格者、無資格者に関わらず)、一度習えばそれでできると勘違いしてる人が多すぎる気がします。
実際、何人ものそういう勘違い野郎に遭遇してきました。
ひどい場合は、「僕はどんなテクニックでも1回受講すればマスターするし、どんな症状でも1回で治します」と自分でそれを豪語するぶっ壊れた先生までおられました。
本来、たかだか数回セミナーに出たことがあるとか、DVD教材を買ったとか、その程度で治療のテクニックを語るな、という話なんです。
なお、グループ院に勤務していた頃に院内勉強会で教わった技術は含めないでください。
回転寿司を作る従業員が、いかに早くそれなりに寿司〝らしいもの〟を上手に作れても、それは本物の寿司ではありません。
ファミレスもしかり、チェーン展開をしている治療院もしかり、です。
これについてはそれしか知らない先生からするとムカつくでしょうし信じられないかもしれないのですが、残念ながらどの業界にも共通する法則です。
大切なのは、認めること。
以前、どれだけ自信を持っていたかは知りませんが、過去の栄光は捨て自分自身を客観的に見た際の本当のレベルを認識してください。
ステップ2 技術のカテゴライズ
さて、次は技術のカテゴライズです。
ステップ1であぶり出せる技術がなかった先生も、このステップ2を材料にすれば最短でそれなりに本当の治療ができる先生になるための方法がわかるので、くじけずお読みください。
ベテランで勉強熱心な先生の場合、過去に習得した技術がたくさんある場合があります。
そういう場合は、今臨床でよく使っているものだけをピックアップしてください。
この場合、レアケースはちょっと無視しましょう。
というのも、レアケース・・・・たとえばイップスの治療のときに催眠療法を使うというような場合って、それはそれですでにメニューの1つになるのでまったく問題ないわけです。
まずはレギュラーで使っている技術を書き出した次にすることはその技術のカテゴライズです。
(ステップ1であぶり出す技術がなかったという先生は、学ぶべき技術の優先順位をお伝えしますので、もう少し我慢して読み進めてください。)
カテゴライズはあまり細分化しても最初は難しくなるだけですので、このブログではなるべくシンプルにしておこうと思います。
ではジャンルの説明をしていきます。
骨格系
カイロプラクティックや整体系など、骨格系のバランスを整えるテクニック全般です。
手法がいかに不思議で今の科学でわかっていない場合でも、骨格のバランスを整えることが目的のテクニックであればここにカテゴライズしてください。
筋肉系
マッサージやストレッチ、筋膜リリースなどはこちらにカテゴライズしてください。
要するに筋肉群にアプローチして、筋肉になにかしら変化を与えるテクニック全般です。
東洋医学系
東洋医学の理論に基づいた治療全般はこちらにカテゴライズしましょう。
エネルギー系
東洋医学と被る部分も出てきますが、良し悪しは抜きにエネルギー療法系は教える側の先生の独自の世界観、解釈の場合もありますので完全な東洋医学系でない限り、あらゆるエネルギー療法はこちらに含めてください。
物理療法系
超音波やマイクロ波という温熱系から中周波や高周波という電療まで、物療機器を用いることはすべてこちらにカテゴライズしてきましょう。
さてさて、あなたが学んできた技術はどこに入るでしょうか?
もしかすると「どこにも属さない」と思われる場合もあるかと思います。
たとえば僕が今メインで学んでいる技術の1つは、身体の正中をそろえるという目的で手技をしますが、その手法は摩訶不思議です。
しかし決してエネルギー系ではありません。
その手技を学んだ先人の先生方が、有名な治療法の創始者になっているほど整体のベースになっているものですが、手首を整えるだけで全身が整ったりと、今の解剖学だけではおよそ説明がつかないテクニックです。
しかし、目的が身体のゆがみを整えるということになるので、骨格系に入ります。
このように、手法がなんであれその結果がまずどこに出てそれを評価するかでカテゴリーを決めてもOKです。
さてステップ1で出せる技術がなかった先生は、これから本当に使える技術を習得していかなければなりません。
実は学ぶべき優先順位があります。
まずは筋肉系か骨格系を学びましょう。
できれば古くから続き、それなりのキャリアを積んだベテランの先生が教えている、派手に宣伝したり売上をアピールしていない技術を学んでください。
エネルギー系は、それらを習得してからにしましょう。
その理由は2つ。
1つ目の理由は、エネルギー系はイメージ力が大切なため、リアルに解剖や生理を理解していたり、関節がどの方向にどのように動くのかを細かく把握しているほうが効果を出しやすい場合があること、
もう1つは
専門知識が無知なままでエネルギー系に走ると、最初はそれほど努力せずとも効果を出せてしまうことがあるから、全能感に支配されてしまい、大したレベルでもないのにまるで自分が名人達人になったかのような勘違いをしてしまい、その勘違い領域に入ってしまった先生は現実を直視できずに、エネルギー系から電磁波系、陰謀系とどんどん自分以外に責任を転嫁できるところに逃避してしまう可能性が高いからです。
これに関しては、過去にそういう会員の先生が何名かおられ、手を変え品を変えなんとか理解していただき、ちゃんと勉強と修練をしていただこうと思ったのですが、ダメでした。
(1名は僕の経営者仲間を紹介したのですが、その身体を見事にぶっ壊してくれました)
まあこのあたりは学ぶエネルギー系の先生が正しく導けば問題ないのですが、大したレベルでないのに全能感を持ってしまった人がセミナーをしている場合もあるので、何も知らずに学ぶのは相当リスキーです。
ですので、まずは本当の治療家になるための基礎をしっかり習得していただけましたらと思います。
さらに次のステップを学んでおきますと、優先的に学ぶべき技術を間違えない確率が高くなります。
ステップ3 取捨選択
このステップは治療家の欲との戦いです。
月商が100万円以下の先生は、この欲に打ち勝たなくてはいけません。
何をするかというと〝同じカテゴリーのものはどちらかを封印する〟ということです。
やりたいことでも、やるべきではないという結果ならやらない。
これは今回割愛してる内容でもあるのですが、自分がやりたいことをやるのではなく、患者さんが求めてる結果を出すために最善を尽くすことが最大の優先事項であるから、欲に打ち勝つ必要があるのです。
患者さんを治療するときに、筋肉系のカテゴリーばかりを何種類もやってもそれはオーバードーゼになりかねません。
1つの目的に対して1つの技術。
まずはこれを基準に技術の取捨選択をしていきましょう。
ステップ4 治療法の分析
次はカテゴライズして取捨選択し、残った治療技術の分析をしていきましょう。
外傷から慢性症状、内臓疾患や精神疾患まですべて網羅できる治療法を学ばれている場合は、その治療法自体にかなり幅と深さがあると思いますので、治療法の中の技でカテゴライズ作業をしてください。
さて進めます。
技術には得手不得手があります。
たとえば僕が学んでいる手技の1つは、身体のゆがみを取ることに特化しています。
すべてを網羅する治療法があったとして、それが総合格闘技だとすればボクシングや柔道のように何かに特化したタイプの治療法です。
身体のゆがみが由来の症状には全部対応できます。
事実、僕自身がそれを臨床で証明しています。
そのかわり、外傷であったりゆがみが由来でない症状の場合は対応できません。
このように、自身の治療技術や技の特性を各カテゴリーごとに分析しましょう。
ステップ5 症状別分析
ステップ4まで済めば〝基礎的な〟治療メニュー構築ももう終盤です。
では進めましょう。
次は、よくある症状に対しての手順を決めましょう。
たとえばしびれもない慢性的な肩こりや腰痛の場合であれば、僕の場合であればゆがみを整える手技だけのときもありますし、筋肉の緊張がかなり強くつらそうな場合は鍼で少し緊張を取ってから手技をする場合もあります。
手順はこれだけです。
逆に、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛、脊柱管狭窄症のような神経症状がある場合は手技だけですと改善されるまでの期間がかなり辛いので物療機器を使用します。
物療機器も効果のない低周波やローラーベッド、温熱系のものでもなく、同じく効果が低い日本製の機器でもなくヨーロッパ製で、向こうでは病院が導入しているレベルの機器を入れています。
こうすることで、名人達人クラスの先生であれば手だけで出せる結果に総合力で近づこうという努力をしています。
このように、メインの症状をピックアップし、その際に何を提供するかということをステップ4までで残った技術を使って最大の効果が出るであろう順番に並べてください。
これが治療メニューの軸になります。
ステップ6 所要時間を算出
基礎的なメニューの作り方、最後のステップです。
ご家族やスタッフの方にその治療の流れをやってみて、所要時間を計測しましょう。
それと同時に動きに無駄がないか、効率的にできる部分はないかを分析し改善点があれば改善し、無理のない範囲でありながらも最大限短い時間にできるように努力してみてください。
その結果に出てきた所要時間が、基本的な治療時間となります。
まとめ
今回は正しい治療メニューの作り方の基礎的な部分を解説させていただきました。
ただし、これがすべてではありません。
というのも、最も重要な部分である「誰に治療を提供するのか?」という部分が抜けています。
なぜ抜いたのか?
決してイジワルをしたわけではありません。
現時点ですでに6000文字以上になっているわけですが、全部を解説するとこれの20倍以上の量になってしまいます。
多分、この内容だけで本が一冊書けます。
さらに、僕が危惧するのは文字での情報発信の場合は、その情報を正しく理解してもらえるかということについて、読み手の読解力に依存する部分が多くなってくるため、情報が正しく伝わらない可能性も高くなってしまいます。
治療メニューは治療院のメイン商品であるわけですから、間違った解釈のままに作ったしまわれるのも怖いものです。
ですので今回は基礎的な部分だけに絞って(それでも6000文字近くになりましたが)書かせていただきました。
現在、
治療する時間がどうしても長くなりすぎてしまう・・・
なんだか不安で自信を持って患者さんに治療できない・・・
根拠が弱いせいで、患者さんに対して堂々と次回の来院を告げることができない・・・
ということでお悩みの先生や、
学ばれている治療法の効果をもっと上げたい
という先生は、ぜひ下記のセミナーを受けてください。なお、ステップ1ですでに止まってしまった先生は、それでもなんとかする方法もお伝えしますので受講必須な講座だと思います。
絶対に解決策が見つかります。
定員は5名です。
ラボ会員の先生が多数受講されるため、定員を増やすことはできない状況です。
開催地は大阪ですが、遠方からでも絶対に受講する価値のあるセミナーであることに確信を持っています。
今年、この内容のセミナーをする時間はもうありませんので、スケジュールを調整して必ず受けましょう。