この記事の要約
- 柔道整復師・あはき師(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師)の国家資格取得者は、毎年およそ7,000人が新たに業界に参入している
- ベテランがひしめく飽和市場で、新人治療家が生き残る答えは「治療技術+経営視点の両輪で学び続けること」
- 本記事では、安定経営を実現した先生方の実例から、資格取得後にやるべき具体的な取り組みを紹介する
先に結論からお伝えします
| Q. 柔道整復師・あはき師として独立開業し、失敗を避けるにはどうすれば良いか? A. 治療技術の研鑽に加えて、経営者としての視点を持って学び続けることです。ベテランが多数を占める療術業界において、ルーキーの先生が安定した生計を築くために必要なのは、技術力だけではありません。経営・集客・マネジメントを含めた「学び続ける姿勢」が、そのまま将来の安定につながります。 |
柔道整復師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の養成校を卒業し、国家資格を取得した後はどんな道に進むのか?
このブログをお読みいただくことで、柔道整復師、あはき師で独立開業を考えたときに失敗を避ける手法の一つを手に入れることができます。
都会の街を歩けば接骨院や整体院、リフレクソロジー、マッサージといった療術業のテナントが、コンビニと同じくらい立ち並んでいるように見えます。それもそのはず、療術業界には毎年「ある一定の人数」の新人治療家が誕生し続けているのです。
毎年およそ7,000人が業界に参入している

厚生労働省および公益財団法人東洋療法研修試験財団の発表データをもとに、直近の第34回(2026年3月実施)国家試験の合格者数を見てみましょう。
図1:第34回 国家試験 合格者数(2026年3月発表)
はり師ときゅう師は、出題180問のうち170問が共通問題のため、多くの受験者が両方を同時に取得します。実質的には1人=1セットと捉えるのが実態に近く、「鍼灸師」として約2,700人と数えます。
つまり毎年、
柔道整復師 約3,200人 + 鍼灸師 約2,700人 + あん摩マッサージ指圧師 約900人 = 合計およそ6,800〜7,000人
の新人治療家が、この療術業界に参入してきている計算になります。過去5年の平均で見ても、毎年約7,000人前後で安定的に推移しています。
過去5年間の合格率推移
では、合格率はどのように推移しているのでしょうか。直近5年(第30〜34回/2022〜2026年実施)のデータを資格別に比較しました。

図2:国家試験 合格率の推移(第30〜34回)
- 柔道整復師:49.6%〜71.5%と振れ幅が大きく、難化と緩和を交互に繰り返す傾向
- あん摩マッサージ指圧師:84〜88%台で安定的に高水準。4資格中もっとも合格率が高い
- はり師:第34回は前回比▲6.7ptで近年最低水準(67.2%)まで低下
- きゅう師:はり師と同様の推移。第34回は70.5%
この記事を書いた人:治療院経営ラボ 代表 作尾大介 柔道整復師・鍼灸師
2013年にこころ鍼灸整骨院を開業。自費移行で廃業の危機に直面したが、経営の独学で業績をV字回復させ「治療院成功塾」を創設。コロナ禍でも会員全員が売上を伸ばし、開業1年で月商100万円の治療家を多数輩出。2026年、治療院成功塾と治療院経営ラボの合併により代表に就任。技術と経営の両立で、治療家とその家族・スタッフが幸せになる仕組みづくりに取り組んでいる。
出典・データソース
| 厚生労働省 国家試験合格発表(柔道整復師/あはき) https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/goukaku.html |
| 第34回 あはき師国家試験 合格発表(厚労省) https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2026/siken13_14_15/about.html |
| 第34回 柔道整復師国家試験 合格発表(厚労省) https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2026/siken16/about.html |
| 公益財団法人 東洋療法研修試験財団(過去の受験者数) https://ahaki.or.jp/exam/examinees/ |
ベテランがひしめく飽和市場で、ルーキーはどう戦うか
毎年7,000人の新人が参入する一方で、業界には10年・20年とキャリアを積んだベテラン治療家が多数存在しています。新規開業の接骨院・鍼灸院が増える中で、価格競争・集患競争は年々激化し、開業しても3年以内に廃業に追い込まれるケースも少なくありません。
そんな中でも柔道整復師やあはき師の国家資格を取得される先生は、毎年およそ7,000人近くの先生がいらっしゃいます。ベテランの治療家たちが混在する療術業界の中で、ルーキーの先生たちはどうやって治療院業界を生き抜くと良いのか?
このブログは私だけでなく、養成校を卒業した先生たちが、現在安定した治療院経営を実現してきた軌跡をもとに作成しました。
成功している先生の取り組みをもとに一つの答えを出すならば、療術業界で将来にわたり安定した生計を立てる方法はズバリ「技術と経営の勉強を両輪で学び続けておくこと」です。
将来治療院を開業したい。
あるいは療術業界で将来生計を立てていきたい。
そんな目標を持っている先生や未来に不安がある先生は、治療技術の研鑽、知識の習得に加えて、経営者としての視点を持って学び続けることが大切です。
このブログには、現在安定した治療院を経営している先生の実例をもとに、柔整やあはき師の国家資格を取得後の取り組み方も紹介しています。ぜひ、最後までブログをお読みください。
10年以上ぶりに、母校の門をくぐりました
先日、私が鍼灸師になるために通っていた母校──神戸東洋医療学院にお邪魔してまいりました。

このたび、ありがたいことに母校で 治療院経営ラボのパンフレットを設置していただける ことになり、ご挨拶を兼ねてのご訪問です。

久しぶりに母校の学びの場を見せていただき、当時の景色や匂い、教室の空気感に、心がふっと和みました。 あの頃、必死で机に向かっていた自分の姿が、ふと目の前に重なって見えるようでした。
仕事と学業を両立した、6年間の修行時代
10年以上前── 当時の私は、病院や接骨院で下働きをさせていただきながら、 3年間、神戸東洋医療学院で鍼灸師になるための勉強をしていました。
朝は6時前に身支度をして出勤。 昼休みの合間に専門学校へ向かい、授業が終われば、また職場に戻って夜まで働く。 そんな生活を、柔道整復師と鍼灸師の資格を取得するために6年間 続けました。
※柔道整復師も鍼灸師も、それぞれ3年間の専門課程を修めた上で国家試験に挑むカリキュラムです。
正直なところ、当時は仕事と勉強でいつもクタクタで、 学生生活を楽しんだ記憶はほとんどありません(笑)
それでも── 神戸東洋医療学院で学ばせていただいた3年間が、 今の私の施術家としての”土台” になっていることは、間違いありません。
出来の悪かった私を、最後まで手取り足取りご指導くださった先生方。 支え合った先輩、後輩、同級生たち。 あの場所で出会えたすべての方々のおかげで、今の自分があります。
本当に、ありがとうございました。
なぜ「技術」だけでは、治療院は続かないのか
さて、ここからが今回お伝えしたい本題です。
私はこれまで多くの鍼灸師の先生と関わらせていただいてきました。 そして、開業されたあとに、こうおっしゃる先生をたくさん見てきました。
「技術は磨いてきた。でも、患者さんが思うように来てくれない」
「腕には自信がある。でも、経営は誰にも教わらなかった」
学校では、国家資格を取るための知識と技術 は徹底して教えていただけます。
しかし、卒業後に必ず直面する 「治療院をどう経営するか」 という視点は、 カリキュラムの中ではほとんど扱われません。
※今は養成校でも数時間のカリキュラムもあるとのことですが、目まぐるしく国内の経済状況は変化しています。
これは決して学校の問題ではなく、専門課程の役割が違うからです。
だからこそ── 「技術の研鑽」+「経営者としての視点」 の両輪を持てた先生が、 最短で安定した治療院運営を実現できる、と私は考えています。
その証拠が、治療院経営ラボにいる「神戸東洋医療学院の卒業生」たちです
少し烏滸がましいお話かもしれませんが、お伝えさせてください。
現在、治療院経営ラボには、私を含めて神戸東洋医療学院を卒業した鍼灸師の先生が4人在籍しています。
そして、その4人全員が──
- 技術の研鑽を続けながら
- 経営の学びにも同じ熱量で取り組んだ結果
現在、社会保障(保険)に頼ることなく、たくさんの患者さんに来院していただける治療院 を運営できるようになりました。
これは、たまたま起きたことではありません。 「技術と経営の両方を学んだ」からこその結果 だと、私たちは確信しています。
その論拠として、治療院経営ラボの会員であり、神戸東洋医療学院を卒業後に安定した治療院経営を実現している先生を紹介します。
治療院経営ラボの会員であり、神戸東洋医療学院を卒業し安定した治療院経営を実現している卒業生たち
いしだ鍼灸整骨院 院長 石田奨太郎 先生 鍼灸師・柔道整復師
愛媛県西条市で外傷以外は保険診療を一切使用しない治療院の経営を実現しておられます。

ちょう鍼灸整体院 院長 曹 将 (チョウ チャンホ)先生 鍼灸師
兵庫県塚口にて地域との関係性を深めながら安定した鍼灸院を開業されておられます。

okada鍼灸整骨院 院長 岡田英士先生 鍼灸師・柔道整復師
神戸市垂水区で外傷以外は保険診療を一切使用しない鍼灸整骨院の経営を実現されておられます。

そして最後は私です。
こころ鍼灸整骨院・こころ整体院 院長 作尾大介 柔道整復師・鍼灸師

※自分の紹介はリンクだけにさせていただきます。笑
他にもラボには神戸東洋医療学院を卒業された先生がいらっしゃいますが、私と同じ同期の先生のみ許可を得て紹介させていただいております。
安定した治療院経営に、本当に必要なものとは
「経営」というと、数字やマーケティングを思い浮かべる方が多いかもしれません。 でも、私たちが大切にしているのは、もっとシンプルなことです。

① 患者さんから「ありがとう」と感謝される技術と人間力
患者さんから「先生のおかげで楽になりました」「ここに来てよかった」と 心から感謝していただける施術 を提供すること。
そしてそれを支える、人としての在り方=人間力の向上。 これが、すべての土台になります。
② 患者さんの目線・立場で、安心して通える環境づくり
どれだけ技術が高くても、
- 入りにくい雰囲気
- 不安にさせる対応
- わかりにくい説明
これらがあるだけで、患者さんの足は遠のきます。 「患者さんが、安心して通い続けられる環境」 をつくること。 これは、技術と同じくらい大切な要素です。
③ 治療院の環境・システム・動線を確立する
患者さんのお悩みを解決するためには、 施術の腕だけでなく、
- 予約から会計までのスムーズな流れ
- 院内の動線設計
- リピートにつながる仕組み
といった 「目に見えない仕組みづくり」 が欠かせません。
④ 患者さんが受け取りやすい言葉で、情報を発信する
体の不調を抱えて、「どこに行けばいいんだろう」と迷っている患者さんは、 今この瞬間にもたくさんいらっしゃいます。
そんな方々に向けて、
- 専門用語ではなく、わかりやすい言葉 で
- 不安を煽るのではなく、安心していただける表現 で
情報を届け、来院しやすい入り口をつくること。 これも、立派な「治療家の仕事」だと私は思っています。
治療院経営ラボでお伝えしているのは、この「構造」と「仕組み」です
技術書や施術セミナーは、世の中にたくさんあります。 経営本やマーケティング講座も、探せばいくらでもあります。
でも── 「治療家のための、技術と経営の橋渡し」 をしてくれる場所は、まだ多くありません。

治療院経営ラボでは、
- 「ありがとう」と言われる施術家であり続けながら
- 患者さんに長く愛される治療院をつくる
そのための 構造・仕組み・考え方 を、現役で結果を出している治療家同士で学び合っています。
神戸東洋医療学院で学ばれた先生方へ
烏滸がましくも、こうしてブログを書かせていただいているのは、
一人でも多くの神戸東洋医療学院の卒業生・在校生の先生に、 「技術+経営」という選択肢があることを知っていただきたいから
ただ、それだけです。
同じ場所で学んだ先生方が、 独立後も悩みを抱えたまま消耗していく姿は、見たくありません。
技術を磨くのと同じくらい、経営の視点を持てば、 患者さんも、ご自身も、ご家族も、みんなが幸せになれる治療院 をつくれます。
それを、私たち4人の卒業生が、身をもって証明しています。
これから鍼灸師を目指す方へ
そしてもし、これを読んでくださっている方の中に、 「これから鍼灸師を目指したい」とお考えの方がいらっしゃったら──
私は、迷わず 神戸東洋医療学院 をおすすめします。
今は時代も進化していて、 働きながら国家資格を取得できるよう、WEBでも授業を受けられる仕組み が整っているそうです。
神戸・三宮駅から徒歩5分。 通いやすい立地で、熱意ある先生方が待っていてくださいます。
少しでもご興味のある方は、ぜひ一度、神戸東洋医療学院に問い合わせをしてみてください。
最後に──ご対応いただいた先生方へ
今回、治療院経営ラボのパンフレット設置を快くお引き受けくださった、神戸東洋医療学院の
- 石橋 尚久 理事長
- 福家 慎太郎 先生
- Nobuyuki Mitsukami 先生
- 池田 朋子 先生
本当にありがとうございました。 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
久しぶりに母校の学びの場を見れて、心が和みました。 あの頃の自分に恥じないよう、私も初心を忘れずに、これからも精進してまいります。
そして、神戸東洋医療学院で学ばれた一人でも多くの先生が、 「技術」と「経営」の両輪で、患者さんに長く愛される治療院 を実現されることを、心より願っています。
(監修:柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)

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