治療院経営ラボ顧問の松村です。
さて、令和8年度の療養費改定案が公表されました。
明細書への負傷名記載の義務化検討、保険者判断による受領委任払いから償還払いへの強制切替、そして「保険者単位の償還払いへの変更」の検討明文化。
これらは別個の項目ではありません。
一本の線でつながった、従来型の保険依存モデルへの構造的な圧力です。
この講座は、改定案を一次資料として精読し、何が起きていて、各院が今どの位置にいるべきかを論理的に整理する場です。煽ってラボに入会を促すこともしませんし、楽観視させるようなことも言いません。

改定案の核心 ─ 4つの動きと松村の見解
1.明細書への負傷名・施術部位の記載
明細書発行体制加算は「明細書発行加算」に名称変更。同時に、明細書に負傷名又は施術した部位を記載する欄を設ける方向で様式整備が進みます。発行すれば部位置き換え請求が書面化され、発行しなければ調査対象になりやすくなる。
非常に論理的だと思います。
置き換え請求封じの一手としてはとても効果的です。
2.2部位目に80%逓減を新設
後療料(打撲・捻挫)は550円に引き上げの一方、2部位目は80%、3部位目以降は60%に逓減。5か月超の長期は75%、長期+頻回は50%まで逓減されます。
初診料算定の件からすると、3ヶ月通院させたら次の3ヶ月は離脱させないとどう取り締られても言い逃れできない状況作りの最初の一手と言えなくもありません。
3.償還払い変更の基準が明文化
直近1年間に通算8か月以上、かつ通算9部位以上の施術を受けている患者は、患者ごとの償還払い変更の対象に。手続きは「一部を迅速に行えるよう」整理される方向です。
通算、なので日数ではなく期間。
本当の外傷のみ、ならスポーツを相当ガチで・・・しかもそれこそ柔道とかしてない限りそれほど頻繁に怪我なんぞしませんから、社会的に見たら妥当な数字ではありますが、置き換え請求、部位転がしをしている接骨院からしたら悲惨ですね。
4.「保険者単位の償還払い」の検討明記
「引き続きの検討事項」として、必要に応じ保険者単位の償還払いへの変更について検討を行うと明記。将来、院単位を超えて保険者ごと一括での切替が制度化され得る、ということです。
これが実現されれば、組合保険や被保険者数が少ない市町村の国保などはすぐに取り掛かれるようになります。
正直なところ、地方によって甘い厳しいがある状態ですし、社団とズブズブなところもあるかと思いますが、それでもかなりの抑止力になるし、組合は非常に喜ばしいことではないかなと思います。
松村の見解
完全に置き換え請求&部位転がしに対する対策であることは明白です。
また、改定案最後のページに
①自己施術・自家施術について
・自己施術、自家施術については、療養費の支給対象外であることを明確化する。
と書いてあるんですね。
これはものすごく曖昧な表現。
例えば・・・・
明細書に傷病名を記載しなければならなくとも、患者さんと結託さえしてしまえばなんとでもなります。
保険を不正に扱うことに情熱を燃やす柔整師と、不正をしてでもなんでも、「俺(私)だって保険料払ってるんだから」などと言って、なるべく安く施術を受けたい層が噛み合えば、口裏を合わせて保険+自費という形で経営していける可能性もあります。
しかし、この文言があれば、「いや、そもそもあかんがな」と言えます。
どうとでも解釈できる、ということは、行政側の裁量でいくらでもやりようがあるとも言えるわけです。
「松村、そんな大げさな」
本当にそうでしょうか?
今まで、柔整師はこうやってチマチマと真綿で首を絞められ続けてきたではないですか。
今、また新たな真綿が追加されようとしてると思っていいんじゃないでしょうか。
自費にしなければならない理由
これは明確です。
保険だけだろうが、保険+自費だろうが、肩こりや腰痛を置き換え請求してるならもうアウト。
詐欺として告訴、とまではいかないし、個別監査や個別指導まではいかなくても、疑わしいなら対応できるようになるということです。
そしてもう一つ。
僕が保険をやめたのが2012年。
2013年から完全自費にしたわけですが、その頃は厳しくなったとはいえまだまだ甘かった。
事実、僕は社団の執行部員をしていましたが「松村が狂った」と言われてました。
今はどうでしょう?
今から開業するのに、外傷以外を保険でやる経営手法を選択するほうが狂ってる時代になりました。
外傷を売りにしている接骨院でも、本当に外傷だけでちゃんと稼げてるところは少ない。
だって単価いくらですか?
骨折、脱臼なんぞそうないですよ。
これを読んでるあなた。
骨折したことあります?
僕は柔道をしていたので、肋骨骨折1回しました。
僕の同級生は鎖骨骨折を3回していましたが。笑
突き指で病院行ったこと何回あります?
そんなもんでしょ?
えらそうに外傷外傷と吠えてても、置き換え請求してるならアウト。
保険+自費ももちろんアウト。
肩こりが主訴の患者さんを問診したら2週間以内に負傷してそれが原因の肩こりだから・・・と言ってもアウト。
要するに、屁理屈こねてもダメなものはダメ、な世の中になってきたということです。
なので、真っ白な経営をしようね、が結論なんです。
ちなみにうちは完全自費院ですが、いまだに捻挫、肉離れ来ますよ。
骨折脱臼はもう少なくなりましたが、それでも長年外傷を診てきたからか、3年ほど前にcotton骨折に遭遇しました。
人生二度目のcotton骨折でしたが、もちろん整復できるはずもないし固定も・・・・なので、そのまま整形外科を紹介させていただきました。
ま、外傷を言い訳にするなってことです。
講座の内容
- 最新の改定案から見た、保険を使い続ける危険性
- 最新の改定案から見た、保険+自費の今後
- 自費移行の考え方
- 自費移行のマインド
- 自費移行までの流れ(2パターン)
- 自費移行できるレベルの治療家かどうかの基準
- 外傷の取り扱いについて
- 寝違い、ぎっくり腰の取り扱いについて
講座概要
日時:2026年6月3日(水)20:30〜22:30(時間厳守)
形式:Zoomオンライン
参加費:無料
申込締切:2026年5月27日(水)
講座のルール
- 時間厳守。開始時刻に間に合わない場合の入室はお断りします。
- カメラON必須。顔を映してきちんと参加していると確認できる状態でご参加ください。
- 途中退室された場合の再入室はできません。
- 静止画やAI生成画像での参加を防ぐため、参加者本人の確認テストを行います。
- 柔道整復師免許を持っていること。

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