治療院経営ラボ代表の松村です。

さて今回の記事は、過去に僕が動画や音声セミナーでお話させていただいた内容も文字にし、なおかつ作り直したものとなります。

さて、自費移行の相談はいまだによく受けます。
そして治療院経営ラボにも、まだまだ「自費移行したいんです!」と入会して来られる先生が後を絶たちません。

少しでも自費移行したい先生方の助けになれば、と思いこの記事を書かせていただきました。

治療を行う際に基本的な身体の使い方や医学的な知識を知らないといけないように、自費移行も基礎知識を持っている、持っていないですごい差になります。

このシリーズをお読みになり、ぜひとも自費移行の成功率をアップしていただければと思います。

 

自費移行しなければならない4つの理由

保険者の変化

僕が保険をやっていた頃なんて、被保険者に回答書を送付するなんてほんの一部の組合だけでした。
だからこそ、毎月送られてくる会報には「回答書を送付した保険者リスト」がありました。

途中から、企業の保険組合以外では医師国保が少しだけ回答書があったくらいでしょうか。

それが今やもう、普通の市町村の国保でも送付するところが増えてきています。

あれは本当の外傷でない限りは、患者さんにも嘘をついてもらわないといけないわけです。
僕はすごくラッキなーことに、患者さんに回答書を送付されたのはたったの2件。
しかもその2件ともガチ外傷でしたので、「そのまま書いてください」と胸を張って言うことができました。

超ラッキーでした。
まあ単価もむちゃくちゃ低く請求してましたから、そういうのもあったんだとは思いますが。

後述するYahoo!知恵袋ではこんな相談もあります。

ベストアンサーに選ばれた人の回答もなかなか攻めてきますね。
まあ文句言えない業界ですよね。

こんな時代に、誰がした!

我々より上の世代の柔道整復師です!
だからこそ、我々が変わっていかないといけないのだと思います。

 

 

厚生局の取り締まりの変化

僕が開業した頃(2005年)は、まだ「日数は足すな」「来てない人を請求するな」くらいでした。
実際、厚生局の記録を見ても、付け増しや架空請求での摘発ばかりでした。

また、不正の金額も少なくても100万円以上という高額な不正ばかりでした。

しかし最近は、置き換え請求、すなわち慢性症状を捻挫や打撲等に置き換えて請求するだけで摘発されています。
不正金額1万円台とかもあります。

トリガーの1つは相談支援料なのは明白で、僕が保険をやっていた後半にこれが出たのですが、僕はこれを絶対につけませんでしたが、大正解でした。

その理由がわからない先生は、ぜひ僕のセミナーに出て直接僕に聞いてください。

 

スマートフォンの普及

2008年に日本でiPhoneが発売されましたが、当時はソフトバンクからだけでした。
2011年にauがiPhoneの販売を開始。その年にLINEもリリースされています。

2012年にはもうかなりスマートフォンが普及したことで、ネットに誰でもつながる時代になりました。

それとともに誰にでもそこそこ専門性の高い情報にアクセスできるようになった結果、柔整の闇は白日の元にさらされることとなったわけです。

Yahoo!知恵袋で「整骨院 マッサージ」で検索すると・・・・

こんな質問が多いです。
そしてベストアンサーに選ばれるのはだいたい「柔整師不正してるぞ」という回答です。

 

最近は「整骨院 回数券」という検索も多いです。

 

回数券売りつける手口、流行りましたもんね〜
あの手法、絶対ダメだって言い続けてますが、保険依存やめても値引きと回数券依存症になっちゃってる先生むちゃくちゃ多くてびっくりです。

 

ベストアンサーがあってるかどうかが問題ではなく、この回答を質問者がベストアンサーに選んでいるというところに着目しましょう。

「回数券を販売しているところは悪徳だ」と言われるようなもので、質問者にも被害者意識があるのでこういう論調のほうがベストアンサーに選ばれやすいわけです。

さてお待ちかねの「整骨院 不正」で検索してみましょう。

すごいですよね。
ちょっとだけ中身をのぞいてみましょう。

 

我々柔道整復師を困らせる対応をしっかりレクチャーしてくれたり、同業からの回答もあったりとしますが、やはりベストアンサーとなっているのは柔整イコール詐欺的な論調のものです。

患者さんからの相談だけでなく、受付スタッフや柔整や鍼灸の学生スタッフや、免許持ちのスタッフからの相談もたくさんあります。

もう悪いことはできない、そういう時代なんですね。

 

市場の問題

こちらをご覧ください。

医療費は上がっています。
以前は、医療費と療養費は比例していましたが、療養費総額は下がっていますね。

そして面白いのはあはきと装具の療養費は上がっているのに、全体は下がっているという状況。

そうです、あはき装具が上昇したところで柔整を抑え込んでおけば療養費全体は下がるという証明がされてしまっているわけです。

個人院が、こんな下がり続ける市場で何十、何百と店舗展開して〝保険+安価な自費〟でやっているグループとパイの奪い合いをしなければならないのは、むちゃくちゃ辛いです。

ありんこが巨象に立ち向かうようなもんです。
僕なら怖くてできません。

 

 

今、自費移行しない未来を事例で紹介します

さて、もしかするとあなたは「とはいえ、別に請求総額もそれほどでもないし、平均単価も下げてるからうちは大丈夫では?」と思っておられるかもしれません。

実際に僕の知り合いの先生に起こった事例と、僕の院に来られてる患者さんの事例を紹介させていただきます。

 

某地方厚生局の監査を受けた柔道整復師の先生のお話

僕の知り合いの先生のお話。
僕もまだ保険をやっていた頃だから、多分10年ほど前の話です。
僕は関西在住ですが、この先生は関西ではありません。

ある日から、患者さん数名のところに厚生局から電話が。。。。

患者さんから相談されてわかったそうですが、その数日後に院に電話で「◯日後に施術録を持ってきてください」と。
誰のを持ってくるかは、ギリギリまで教えないんですね。

付け増しや架空請求は一切していませんが、肩こりやヘルニアの患者さんばかりですから、そのまんまのカルテなんて持っていけるはずもありません。

3日前になって名前を言われ、必死で施術録を書いたそうです。

結局、ある患者さんがスタッフに不満を持っていて腹いせでの通報のようでしたが、大の男が泣くほど徹底的に詰められたそうです。

厚労省役人って、権力意識強い人が非常に多く、実際に岡山県の医師は個人指導が原因で自殺しています。

それくらい、徹底的に口でボコられたそうです。
今でこそ「あれ録音してたら多分こっちも慰謝料取れたはず」と言ってますが、当時の落ち込みようはすごかったです。

この先生はそれが悔しくて数年後に自力で自費移行していましたが、今でも「あれは地獄だった」「あんな思いするならもっと早く自費に切り替えたらよかった」と言ってます。

10年前でも、些細なことで通報されてます。

ネットですぐに情報にアクセスできるこの時代、あなたの院にいつ厚生局から電話がかかるかは・・・・誰もわかりません。

考えただけでゾッとします・・・

 

回答書が来たからうちの院に転院してきた患者さんのお話

僕の院がある西宮市というのは、そこそこ広くて同じ市内でもかなり離れていることがあります。
特に南北に長いことと、南北は東西と比較して主要幹線道路が少ないということで、移動もしにくい感じです。

そんな状況で、混んでたら車で30分くらいかかるくらいのところから女性の患者さんが来院されました。

主訴は肩こりと偏頭痛。

問診で今までの治療歴をお聞きしたら、家の近くの整骨院にずっと通っていたと。

「そこでは治らなかったんですか?」とお聞きしたらそうじゃないと。

マッサージはとても上手で気持ちいいので一度受けたら1週間くらいは頭痛も起こらない。

それだけでなく、ものすごく親切で多少診療時間を超えても「ちょっと今から行っていいですか?」と電話したら、「いいですよ」と受け入れてもらえる。

子供さん一緒に連れて行っていいか尋ねたら「お子様連れでもいいですよ」と大歓迎で。子供さん用の飴ちゃんまでもらったということでした。

いや〜、子連れ禁止、予約時間守らない人お断りのうちの院とはえらい違い。笑

僕は正直に「え?じゃあそちら行かれたほうがよくないですか?うちだと遠いですし・・・」と言いました。
どうもそれが火をつけてしまったようで・・・・

 

「実は会社の保険組合から文書が送られてきました。その中の書類に〝接骨院・整骨院のかかり方〟というのがあって、肩こりを保険でやってるのは不正ですと書いてあったんです!」

 

よくあるやつですよね。
ただ、それで終わるかと思ったら、怒り始めました。

 

「あの先生詐欺師だったんですよ!今まで親切にしてくれていたのは私を騙すためだったんです!うちの子供まで使って!」

 

と。

興味が出たので「ちなみになんてところですか?」と聞いたら思いっきり知ってるところ・・・・

良い先生なのでかばいたいので「僕、存じてますけどそんな悪い人には見えなかったんですが〜」と言うと、

 

「先生は正直にこうやって保険使わずにやっておられるから多分良い先生なんですよ。だから先生もあの先生に騙されているんですよ。」

 

と。。。。

ここまで言われるともう庇えません。

マンションの自治会ってんですかね、なんかそういうのの役もやってるそうで、その人たちに言いまくり、ママ友に言いまくりと、あちこちでネガティブキャンペーンやりまくったそうです。

治療に熱心な先生で、人もいいんですよね。

でも、詐欺師になるんです。

そして、それに関して言い逃れできない状況です。

だって不正してるというのは事実ですから。

〝まだ大丈夫〟と思っているあなたの院、最近保険患者さん減ってませんか?
もしかしたら、もう似たようなことが起こっているかもしれませんよ・・・・

ゾッとしますね。

 

 

まとめ

外傷にこだわりがある先生の中には、自費移行に批判的な先生もおられます。
外傷系セミナーをしている先生の中にも否定的な先生がいるのですが、その先生の院はなんと〝保険+自費〟で置き換え請求しまくりです。笑

所詮、そんなもんです。
不正してる人がいくら自費移行を批判しても、説得力は全くありません。

美容サロンやエステやって、自費移行から逃げてる人が自費移行を批判しても、クソの役にも立ちません。

いくら政治家を支援しても、置き換え請求が合法になることはありません。

回答書や厚生局の取り締まりも、甘くなることはありません。

まずは柔整業界が自浄しないと!
不正をやめ、不正を排除し、真っ当に事業をする!

他の業種が普通にやっていることを、僕たちもするのです

ある程度自浄ができたとき、初めて政治家を使って行政にアピールするべきなのです。

元々保険を使えなかった頃に、業界の大先輩が頑張って療養費の受領委任払いができるようにしました。
でも、その下の世代がそれに胡座をかき、悪知恵を働かせ不正しまくった結果が今です。

上の世代のケツふきするのは本当に腹立たしいことですが、誰かがやっていかないと、若い世代は柔道整復師になりたがらなくなるし、なっても悪い慣習を引き継がせてしまいます。

不正の上に成立する職業は、絶対に廃れてしまいます。

柔道整復師という資格、職業をなくさないためにも、真面目に治療に取り組む先生ほど自費移行していきましょう!

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