治療院経営ラボ代表の松村です。

タイトルの通り、去年10月くらいからゴルフを始めました。
きっかけは去年7月に海外進出の視察のために行ったインドネシアで、アテンドしてくださった人から「視察のスケジュールのうち1日だけはゴルフしてもらうよ」と言われ、一切ゴルフをしたことがないまま(イメトレのためにYouTubeでタイガーウッズの動画だけ視聴しました)上はポロシャツ、下はスエット、靴はランニングシューズというゴルフをナメくさった服装で、かつ「松村さん、右利き?左利き?」と聞かれて「左利きです」と答えたので左利き用のレンタルクラブを持ってきて、ドレイビングレンジでちょこっと打ち方教わって始めたのがきっかけでした。

ワイワイ楽しく散歩してるみたいで楽しかったので、「これでゴルフもうちょい上手くなったらむっちゃおもろいんちゃう?」と思って10月からプロのレッスンを受けはじました。

それから去年12月21日にコースデビューをし、レッスンや練習を重ねて少しずつスコアが良くなってきてました。
それが今年7月から奈落の底へ叩き落とされることになります。

さてここから少し長くなるのですが、今僕がどういう状況かを把握していただき、そういう状況だからこそ「治療家はこうあるべきだ」と、ずっと思っていたことが明確に言語化できるようになったのでゴルフをしない先生も少し我慢して読み進めていただければ幸いです。

 

コースに行くようになってからの経緯

わかりやすいのは数字なので、スコア比較してきましょう。
ちなみにゴルフは数字が少ないほうが良い、そういうスポーツです。
そして()内の数字はパット数。

2022年12月21日(デビュー)→150
2023年1月2日→155(48)
2023年2月2日→137(49)

芝生で思ったように打てないし、お金と時間がもったいないと思っていたら、治療で通院されているプロゴルファーの方からのアドバイスで読売ショートコースが初心者にはお勧めということで、ここから数回読売ショートコースで練習するようになります。

2023年2月6日(読売ショート)→102(42)
2023年3月9日(読売ショート)→82(43)
2023年3月16日(読売ショート)→66(32)
2023年3月30日(読売ショート)→78(35)

2023年5月11日→127(42)
2023年5月25日→111(42)
2023年6月8日→124(40)
2023年7月6日→115(49)

この7月6日のラウンドまでは調子が良かったのですが、その後練習をしていて7番アイアン以上を打つときに手の感覚が消えます。
当たってるかどうかもわからないし、何をしても球にクラブがあたったときにグニャってなる変な感触が続き、右に飛ぶとか左に飛ぶとか以前に、球に当てられなくなってしまったのです。

とはいえまだまだフェアウェイウッドとUTは大丈夫でしたし、ドライバーは元々苦手だし、次は雲雀丘というショートコースなので問題ないと思って楽観視していました。

実際雲雀丘のスコアは89(40)と、超高難易度で何回行っても100切れなかったのが大雨でのラウンドの中でもバーディやパーも取れてなかなかよかったわけです。

この時は僕も「元々7番アイアンは苦手で右に曲がってたし、別に支障ないからええか〜」くらいな感じでした。

2023年7月20日→120(42)
2023年7月27日→107(36)

ここで自己ベストを出すわけですが、このときはフェアウェイウッドでティーショットをしてUTか9番アイアン以下で進んでいくという戦法でフェアウェイキープ率も高く、心も落ち着いてできたのでパット数も減るというある意味すべてが噛み合った感じで、僕自身も「ああまぐれだな」という感じでした。

しかしこの次の練習から悲惨になります。
7番アイアン以上での手の感覚が消えた、と言っていたのが、9番アイアン以下にも侵食してきたのです。
打てば打つほど感覚が消えていき、とうとうどのクラブで打ってもダメになりました。

まともに球に当たるのはパターだけ、そんな状況に陥りました。

2023年8月3日→122(49)

なんとかまだフェアウェイウッドが当たるのでそれでしのぎなからでしたが、精神がやられてパットがもう終わってしまいます。

2023年8月17日→138(42)

そしていよいよデビュー3戦目より悪いスコアに戻されました。
2023年2月のスコアは137(49)ということで、パターで打つ数は7打3戦目のほうが多いにも関わらずスコアは1打悪い状況。

元々ドライバーが下手で右にしか曲がらないので、ティーショットをフェアウェイウッドにしてきたのですが、もうそれも全く当たらなくなったので、ゴルフが始まらないという最初の状態に戻されました。

2023年8月24日→131(38)

どのクラブも当たればラッキーくらいになっていて、平均30〜40yしか進まないのでえぐいスコアです。
デビュー当初の137(49)と比較すると、パターの数は11打少ないのにスコアは6打しか変わらないという状況。

僕の中では、ベスト107が出たときってむちゃくちゃ条件がよかったのでそれは望まないとして、だいたい110台後半〜120台では回れるレベルになっているという実力なんじゃないかなという認識があります。

もちろんまだまだミスショットも多いし、それが出たからといってさほどイラつくこともないですし、何より競技としてそれなりに命かけてやってた柔道とちがってゴルフは趣味ですからダラダラ上手くなればいいんじゃね?ってノリです。

でも、急に手の感覚が消えてどの番手のクラブも異常なくらい打てなくなったので、最初僕は脳血管疾患を疑いましたが、眼球運動とか他の感覚とか調べても大丈夫なのでさすがにそれはないなと安堵した感じでした。

 

 

ズタズタにされた僕の心

ミスショットは「あ、今こうなったからや!」とか「しまった、◯◯してもた」ってのがミスショットだと僕は思ってます。
初心者はそれが多いし、僕もそう。

でも、手の感覚が消えてからはミスショットしかしないわけで、そしてその理由もわからないから非常にイラつくわけですが、それに拍車をかけるのが、言葉という刃でした。

人間関係壊したくないから例としては嫁さんの一言だけ紹介させていただくと・・・・

 

「でけへんようになったもんはしゃーないねんからまた1から練習したらええやん」

 

これは、失ったことがない人が言う言葉です。
ブチギレましたよ。

「なったことがないのに知ったようなこと言うなよ!気持ちもわからんくせに!」

そう言いました。
現実はそうなのかもしれないけど、掴んだものが消滅して「はいはい、次いきましょか〜」ってそんな風には思えない。

やれ練習不足だ?
やれセルフイメージ高く持ちすぎだ?
ゴルフはそれが楽しい?

SNSでメッセージまで送ってきたクソ治療家もいました。

僕が得た教訓は「誰もわかってくれない」ということで、それを理解するために心にむちゃくちゃダメージを負うという代償を支払いました。

人が本当に悩んでいるとき、中途半端なことを言うってゴミ以下の行為である、そう思います。
多分僕はこのことを一生忘れないと思いますし、要約すると「お前が下手で練習不足や。もっと練習しろ」とSNSでメッセージを送ってきた治療家はいつかベストスコアを超えたときに必ず「お前ゴルフ下手やな」と言ってやろうと思ってまだブロックしていません。

 

 

治療家の一言

手の感覚が消えたとずっと言い続けてるにも関わらず、的外れな見解による見当違いのアドバイスをする人たちに傷つけられて続けていた中、先日一緒にラウンドさせていただいたラボ会員の先生は違いました。

「たしかに前に一緒にラウンドしたときと比べたら上手く打てた数とミスショットの数が逆転してる感じですよね」
「手の感覚ってのは僕はわからないけどなんでそんなことになっちゃったんですかね」
「早く感覚戻ってほしいですよね」

さすが治療家やな、と思いました。

わからないのは仕方ないんです。
わからないことを僕も責めませんよ。

わかってないのにわかったふりして的外れなこと言われるとむちゃくちゃ傷つくんですよね。

言われた瞬間に「ああ、治療家はこうでないと」と強く思いました。
僕が妙齢の女性なら多分惚れてたでしょう。笑

 

 

知らず知らずのうちに患者さんの心を傷つけていないか?

僕の治療院があるエリアは、治療院がむちゃくちゃ多いところなので治療院自体初めてという新患さんは少ないです。
どこかに行かれて、離脱されて当院に来院という患者さんがとても多いのですが、問診をしている最中に泣かれることがあります。

その際に言われるのはどこどこの院ではこんなこと言われたとか、こんな扱い受けたとかそういうことなんですね。

「初めてちゃんと話を聞いてくれました」と泣かれる度に「いやいや、てかその治療院は問診すらせえへんのかい」くらいに思っていました。

ヘルニアや坐骨神経痛を含め、身体のどこかが痛む、しびれるとかって悩む人は深く悩みます。
僕自身、ゴルフでの今回の問題はもう改善されなくてまた1からやり直さないといけないかもしれないとはいえ、せめて原因がわかればなあとずっと考えています。

正直、またある程度上達してから同じことが起これば、僕はもうゴルフを絶対に辞めます。
だからこそ、せめて原因を知っておいてそうならないようにしたいと思っているわけです。

患者さんも、痛みや苦痛から早く解放されたいと思って当然です。

「放置してたあんたが悪いから、すぐには治らない」

そういう趣旨のことを言ってませんかね?
もちろん、直にそんなことを言う先生なんていないと思いますが、結局そういうニュアンスになることを、そういう態度で言ってないかということなんです。

事実、そういう風に言われたと泣きながら話す患者さんは1人や2人ではありませんよ。

リピート率が低い先生は、治療の技術面の問題もあるでしょうが、それよりもこういうデリカシーの無さがネックになっているかもしれません。

 

 

治療家というスタンスの中で寄り添えるだけ寄り添え

ラボの島田理事の印象操作のせいで(笑)、なんか僕は常に怒って理不尽なことを言ってるイメージをお持ちの先生もいらっしゃるようですが、僕と付き合いが長い先生はそうでないことをわかっていらっしゃいます。

基本的に僕は非常識なことをして多数に迷惑をかけるという行為をしない限り他人に対して怒ることはありません。

また、僕は治療院が掲げる症状のほとんどを経験しています。

ちょっとあげてみましょうか。

頚椎捻挫、頚肩腕症候群、右肩関節脱臼、左肩腱板損傷、左肘関節脱臼、右肋骨骨折、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、右膝MCL断裂、右膝内側半月板損傷、左膝MCL損傷、左膝ACL断裂、左膝内側半月板水平断裂、右足関節靱帯断裂(どこの靱帯が忘れました)、ストレス性腸炎、急性膵炎、顔面神経部に出る帯状疱疹・・・

覚えてるだけでこれだけあります。
今でも左の腰は痛いし左のつま先は痺れてます。

もちろん、自分と他人は違うから全部わかるとは僕も思いません。
でもね

「大変だろうな」

くらいはわかるんです。
なので、まずはそう思って問診します。

ちなみに高校1年生のときに左肘関節脱臼をしましたが、翌日その脱臼した肘を先輩に踏みつけられましたし、監督も「気合が足りひんのじゃ、使えんやつや、死ね」と言われるなど、まあ本当に高校時代の指導者はクソの中のクソだったなと今でもその先輩と指導者のことを恨んでいます。

実際の暴力はないとしても、患者さんに心無い一言を投げつけるのって、これとあまりかわらない行為だなと思います。

僕はある程度色々な傷病の経験があるから、その分寄り添いやすい部分はあります。

でも、そうでないとしても治療家という職業を選んだのなら患者さんに寄り添う努力をする必要があります。

「どうやって寄り添うの?」

知らんがな、そんなもんっと本当は突き放したいところです。
だって、そういうデリカシーを持ち合わせてない人は本来治療家になってはいけないのだから。

でも間違えてなってしまったそんな先生のために。

最初は思ってなくてもいいから「それは大変ですね」と言いましょう。
でも「わかります」って嘘は言ってはいけません。
だってわかるほど繊細な神経持ち合わせてないんですから。

「僕にはその大変さすべてはわからないけれど、全力でやらせていただきます!」という気持ちを持ってください。

そして全力でやるために、今のあなたに何が足りないか分析しましょう。
多分、技術も知識も圧倒的に足りてないんじゃないですかね?

患者さんの悩みを解決するために本当に必要なことは、チラシの作り方でも回数券の売り方でも高額メニューの成約のさせ方でもなく、治療技術と医学的な知識、そして患者さんに寄り添うことです。

 

 

まとめ

ずっと競技でやってきた柔道で学んだことって、強くなって日の目を見るには才能と努力と指導者と環境という4つ揃わないと無理ってことくらいでしたが、ゴルフではすでにそれ以外の学びがあったのでやってよかったと思ってます。

そしてそしてもう1つ、やっぱりなと思ったのは人は一人です。
誰もあなたを理解しないし、あなたも誰を理解することもできない、そう思います。

僕のゴルフの悩みは、ゴルフをしない人にとってはとんでもなくどうでもいいことですし、ゴルフをする人でもわからない人は「下手くそだから」「練習不足」などと間違った解釈をするわけです。

そう、人はみな孤独なのです。

元々、家庭環境もよくなかったし柔道をしていた頃も同じようなことが何度もあったし、独立してからも色々なことがあって、散々わかっていたつもりでしたが、最近はそれほど深く悩むこともなく、他人の上辺だけの優しさにほだされていた自分が非常に情けなく思った次第です。

多分、患者さんも同じです。
僕ら治療家からすると、たくさんの坐骨神経痛の患者さんの中の1人かもしれません。
でも、患者さんは孤独です。

まわりに同じ症状で同じくらい悩んだ人がいればまだいいですが、そうでない限り孤独です。
心無い親切で傷つき、無責任な治療家にズタズタにされているのです。

だからこそ、我々はせめて「大変でしたね」と声をかけ「僕にはあなたの全部はわからないけれど、それでもなるべくわかりたいから話をきかせて」というスタンスで問診するべきです。

声をかけるときでも、例えば「無理しないでください」と言ったところで「無理したくてしてんじゃね〜よ!」となるわけです。
「無理しなけりゃいけない状況もあるでしょうから、せめて休めるときがあれば少しでも休んでくださいね」と声をかけてあげるべきです。

そういうデリカシーを持つべきなんです。そして自分の技術不足や知識不足を棚に上げ、自分の責任ではないかのような言動ばかりするのではなく、自分の仕事に責任を持つべきです。

口で誤魔化しがきく、そういう職業ではないんです、治療家は。

あなたの院に患者さんが来なくなるのは、あなたが無意識無自覚に言葉の刃で患者さんを切り付けているからかもしれません。

治療家とは、患者さんに寄り添え切れないことをわかりつつも、それを諦めずになるべく寄り添おうとし続けなければいけないんじゃないかなと、そう思います。

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