治療院経営ラボ代表の松村です。

一番損をしてきた世代の柔整師が赤裸々に語るPart1
一番損をしてきた世代の柔整師が赤裸々に語るPart2
一番損をしてきた世代の柔整師が赤裸々に語るPart3

こちらがまだの方は、先にPart1からお読みくださいませ。

さて前回では、業界の理不尽さと保険の今後の可能性の無さから自費移行をし半年で売上を回復させたというお話を書かせていただきました。

いざ成功すると、公的団体に入ってる先生もやっぱりみんな危機感を抱いているようで、相談が相次ぎました。

当時はそれを事業にするつもりなどありませんでしたので、相談を受けたら「飲み代おごってくれたらいくらでも教えますよ」と言って教えていましたが実践する先生は誰一人いませんでした。

当時はまだ公的団体の執行部もしていたわけですが、当時の副会長に公的団体の収入が億単位で減っていること、会員数の減少に歯止めがかからないこと、そして当時は公益社団と一般社団をどうするか問題でゴタゴタあった時期なので僕はある提案をしました。

それは・・・

社団で自費移行セミナーを開催する
講師は僕
講師料はいらない
公益社団の事業として行う
公的団体としては外傷以外保険使えないという広報をやりまくる
それによって行政からの信頼確保と他団体との差別化
公益社団の会費を定額会費にして、いわゆる別派柔整師も入会可にする

というもの。

要するに定率会費は請求額に依存するので、そんなものに頼らず、今求められるコンテンツを柔整師に提供しつつ、行政や世の中には正しいことをしていく、襟を正していくという方向性にするといいのでは?という提案でした。

結果は即却下。

「みんながみんな松村くんみたいに治療の勉強してるわけじゃないからね。団体はそういう弱い先生も守らないといけないから」

と言うではないですか。
飲食店が美味い飯を作るための努力を怠っていいわけもなく、不味い飯屋は潰れていきます。
保険だからこそ、せめて最低限治療の勉強はしてないといけないわけだし、そこを守るってのは間違ってると強く思いました。

そのときも相談は後を絶ちません。
だから僕は事業として柔整業界をクリーンにして、努力しない制度に甘える柔整師たちを淘汰できる真っ当な柔整師を増やしていこうと思ったのです。

2014年、そういう想いを込めて治療院経営ラボの前身である〝整骨院自費成功アカデミー〟を設立したのでした。

するとどうでしょう。

公的団体の人からは脅迫電話をいただいたり、嫌がらせをされたりしました。

公的団体を裏切るようなことをするのかとお叱りの電話をかけてこられたり、調子に乗るな、潰すぞということを言われたり無言電話ややたらと空予約(予約が入ったのに当日になってもその患者さんは来ない)が増えたり、まあ色々やられました。

古い奴らが、新しい文化に変わろうとすることに抵抗する。
よくある構図ですが、そのときは「ああ、本当に柔整師ってバカでアホでクズでどうしようもないな」と思ったものです。

とはいえ、僕も憧れてなった職業なわけで、柔整師はこんな恥ずかしい奴らなんだと思われたくない、一緒にされたくない、そして自費移行したい先生はそういうレベルの低い奴らと同じところにいちゃいけないと強く思いました。

実は、僕の中では今でもずっと燻っている感情があります。

本当は僕も、楽したかった。
古い世代の柔整師の頃と同じ状況なら、まちがいなく保険どっぷりで治療の勉強だけしてがっつり稼いでそれを資本に事業展開したり資産運用したり・・・

そんなチョロい世界で生きていければ、どれほど楽か。

僕より能力が低くて、脅迫電話かけてくるような低知性なやつらでもできたわけだから、僕がその時代にいればもっと成果を出せて当然。
余裕で勝ち組だったことでしょう。

しかもあらゆるハラスメントがOK。
雇用も楽なもんです。

成功できないほうがどうかしてます。

本当に羨ましくて仕方ないです。
でもそんなことはもうできない。

僕の中で育まれた価値観や感性は昭和なわけで、令和では何も評価されないばかりか、下手すると老害や犯罪者扱いにまで発展してしまう。

この価値観や感性すべてを否定するほど、悪いことなのかよ?

僕は新しいものがすべて正しいとは思わない。
ハラスメントにしても、被害者とされる側だけの主張でハラスメント認定なんて異常な状況です。

労基法も同じく。
働きたい奴らが働けない法律ですよ。

働きたいやつは命削ってでも働いて、その分の対価をもらえばいいはず。
働かないで権利ばかり主張する奴らは、低賃金で当然というかお金いただけるだけで額を床に擦り付けて感謝しやがれというのが真っ当ではないでしょうかね。

こんな不満をもっているのは、僕だけではないはずです。
多くの同世代の経営者が思っているけど、我慢して歯を食いしばって雇用しているわけです。

超絶ホンネを言うならば、好きなことだけして裕福に暮らしたい。
僕は聖人君子ではないので、今でもずっとそう思っています。

でも、どうも僕は若い頃は神様に嫌われいたようで、柔道でも仕事でも、どうやら人より相当努力してようやく少しだけ成果が出る程度にしかならなかったのです。

若い頃は自分の不運な状況に心底悩み、あそこの占いが当たると聞けば行き、どこのおばちゃんがそういう能力持ってると聞けば行きとしたことがあります。

ある意味当たっているのかもですが、必ず言われるのは大器晩成型で、若い頃は大変だよと。
ある人には20代の間はあなたはとても苦労するしその苦労は報われないとまで断言されたことがあります。

大器晩成・・・

おい、晩っていつやねん。何歳やねん。
もし70歳で大器になってももうすぐ死ぬやんけ。

いつ、僕は〝成る〟んや?

これは今でもずっとそう思いながら生きています。

一番損をしてきた世代の柔整師が赤裸々に語るPart5に続く

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