治療院経営ラボ理事の松村です。
さて今回は2026年7月に出された柔整療養費改定で、不安を感じている先生も多いのではないでしょうか?
実際、自費移行を目指してラボに入会された先生も多いです。
僕自身、療養費改定をしっかり読み込んでみましたがあれを決めた人たちは柔整業界のことをよく把握していらっしゃる。
いや、それだけでなく都心部ではなく地方の事情もよく把握していらっしゃる、そう感じました。
今回はそのあたりのことから、実際にこの療養費改定の乗り切り方まで書いていきたいと思います。
今回の改定で見えた厚労省の狙い
結論から言いますと、明らかに置き換え請求と部位転がしをさせないための改定です。
今までの何回かにわけた改定で、架空請求や付け増し請求はかなり減りました。
もちろん、明らかな不正をする人間というのはゼロにはならないので、まだ存在はしています。
しかしながら、インターネットの普及により患者さん側が正しい情報を入れられるようになったことや、保険者側の対策(被保険者に「接骨院の正しいかかり方」等を配布するなど)によって、僕が開業した当初よりも付け増しや架空請求の件数も、その被害金額も低下しています。
しかしながら、悪しき慣習でずっと続けられてきた置き換え請求(肩こりや慢性腰痛等の協定傷病以外を捻挫や打撲、挫傷として請求する)、部位転がし(長期理由を避けるため、もしくは継続してずっと請求するために数ヶ月で転帰させ別の傷病名にしてずっと継続的に請求する)の対策のためにはまだ少しヌルいという感じでした。
今回の改定は、まさに置き換え請求と部位転がし対策に特化した改定、と言えると思います。
では、その中で僕が特に気になったものをピックアップしていきます。
明細書発行の義務化
明細書発行の義務は、今回の改定までは3名(だったかな?)以上の職員がいる場合は義務、だったのがレセコンを置いていれば1人院でも発行義務があるようになりました。
また、明細書には負傷名または施術部位がわかる欄を設けなければいけなくなりました。
そのかわり、発行都度10円を加算できる、と。
患者さんが明細書不要とした場合は加算を外しておく。
患者さんが1ヶ月分まとめてと要望すれば同意書のような書類に署名していただく。
たしかこんな感じだったかな、と思います。
この負傷名、または施術部位ってのがまた僕的には厚労省のトラップやな?と思っています。
というのも、誤魔化すことだけを考えるなら、患者さんに渡す明細書には施術部位として実際の主訴にあったものを掲載し渡せばいい。
部位を転がしていようが、患者さんにはバレない。
でも、もし患者さんにも保険者にもバレた場合どうなるのか?
明細書を発行してなければ「レセコンの操作方法わからなかった」とか「1人院でやってる暇なくてつい」とかで多少の言い訳にはなりますが、嘘を記載していたら、そりゃ行政も不正としてしっかり徹底的にやってくるでしょう。
また、明細書発行を加算しないなら、加算してないところをリストアップして調査対象にしやすいです。
加算しておいて発行しなければそれは不正となります。(たとえ10円であっても)
架空請求や付け増し請求を平然とできる神経の持ち主であれば、嘘の明細書発行という手口を選択するかもしれませんが、多くの柔道整復師はそこまでできないし、その仕組みを作るには受付スタッフを介入させることができないため、非常に手間です。
現実的に、置き換え請求や部位転がし封じとしては非常に効果的だと思います。
9部位かつ8ヶ月+2部位目の逓減
これもなかなか秀逸ですね。
全部2部位で3ヶ月ごとに転帰していれば、ギリギリ8部位12ヶ月で抵触しないものの、3部位目を足すことはできない。
となると、マックスで2部位での請求となりますがその2部位目が2割カット。
さらに転帰をしておけば算定できた初診料もカット。
ギリギリ年間8部位で抑えてた治療院でも、置き換え請求と部位転がしをしている接骨院はレセプト枚数が同じでも20%ほど売上が落ちることは間違いありません。
月商100万円の院が80万円になる、と考えると受付スタッフ1人分の給料以上は低下するので、家賃や機械のリース等の支払いを考えると非常に厳しいです。
分院展開していて月商300万円の院でも60万円低下ですから、2人分以上の給料をどう補填するんだという話になってくるかと思います。
さらに秀逸なのは、これはあくまでも不正の取り締まりではないということ。
不正であれば出てくるのは厚労省です。(実際には各地方の厚生局ですが)
でもこれは「12ヶ月間で9部位以上かつ8ヶ月以上通院してるなら対応しまっせ」という基準の問題。
動くのは各保険者です。
何が違うかわかりますでしょうか?
各地方の厚生局なら、すぐ動く地方のところもあれば、そうでないところもあります。
実際、ある地方の保険の審査をやってる先生からも「明らかな不正だと見たらすぐわかるから、これはおかしいと言ったのにスルーされた」という話も聞いたことがあります。(あくまで個人的やりとり)
さらに言うならば。不正だろうがなんだろうが厚労省は痛くない。
痛くないとは何かというと、要するに自分の金が出ていっているわけではない。(本来は税金だから僕たち国民が痛いんだけども)
でも保険者は違います。
お金を払う側であるので、不正をされたら痛い。
熱心に調べます。
また、不正の調査ではないので、ただ基準になれば「はい、償還払いに変えるね」とやりやすい。
後述しますが、今はAIもありますので調べるのはすぐできてしまいます。
たくさん通院されている患者さんほど、償還払いに変えられてしまうリスクが高いという状況になったわけです。
オンライン請求化による影響
現在、柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループが立ち上げられ、柔整療養費のオンライン請求について議論がされています。
まだまだ課題は多いようですが、オンライン請求化は実現するでしょう。
最新の議論を少し読みましたが、コンピューターチェックにこれ以上部位転がしや置き換え請求のチェックを入れるのであれば2028年の改定で逓減を外せと書いてありましたが、ちゃんちゃらおかしな話だと思います。
逆に、この時代でまだオンライン化ができていないこと自体が、柔整業界がどれだけ古い体質であり、それをまだ守ろうとあがいているという印象すら受けます。
僕は現在仕事でベトナム、カンボジアによく行きますが、日本という国自体のデジタル化も遅い(明らかにベトナム、カンボジアのほうが進んでいる)けれども、柔整業界はその日本の中でもさらに進んでいないではないかと思います。
しかしどうあがいても電子化の流れは止められません。
だって、SDGsとか言ってる時代ですよ?
毎月、すごい数の〝紙〟が消費され、提出された用紙は情報漏洩等の兼ね合いもあるから、切ってメモ帳にするわけにもいかないわけです。
しかも保存までしなきゃならない。
圧倒的な無駄です。
電子化されると、調査の簡易化、迅速化が進みます。
最終チェックは人がしろ、とあがいているようですが、電子化してしまえばいつかそれもなくなるでしょう。
そうなったとき、取り締まりの地方格差もなくなるため、理不尽な不平等もなくなります。
柔道整復師の中には「あの地方は保険が甘いから」と、そんな動機でその地方で開業したという先生もいらっしゃいますが、日本全国どこで開業しても同じ基準になりますし、そうなるべきでしょう。
さらに不正しにくくなる、というのは柔道整復師的には非常に厳しいものですが、世の中としては非常にいいことなので、この流れを止めることなどできないでしょう。
保険+自費(ハイブリッド型)で逃げ切れるのか?
さて、今回の療養費改定によって、ずっと通院し続けてる患者さんに対して、ずっと置き換え請求と部位転がしを続けていく場合は、2部位以下にしなければならないということはおわかりのことでしょう。
そして落ちた単価分を自費として数百円とか2、3000円患者さんからいただく。
これで償還払いにもならず、なんならちょっと単価も上がって売上アップだ、と思うかもしれません。
しかし厚労省がそんなヌルい施策を取るでしょうか?
過去の改定をずっと見てみてください。
常に、真綿で首を絞めてきていませんか?
今回も同じです。
9部位が8部位になったら?
そうならないという確信はありますか?
9部位かつ8ヶ月の〝かつ〟が取られたら?
置き換え請求と部位転がし対策は、まだまだ始まったばかりです。
今後、ゆるくなることは想像しにくい。
保険+自費というスタイルで乗り切れるのは、2年程度でしかない可能性があることだけは覚えておいたほうがいいでしょう。
真面目な柔道整復師がとるべき今回の療養費改定の対策
これはもう自費移行一択です。
要は、もう制限も調査もない世界にいくべきです。
「今まで保険でやってきて、自費でやれる自信なんてない」
そう思われる先生も多いと思います。
その気持ち、よくわかります。
僕自身、2012年で保険をやめ2013年1月より完全自費にしましたが、そのときは本当に「多分廃業ちゃうかな」くらいに思っていたくらいです。
でもできました。
半年ほどで売上は元に戻りましたが、この半年間は本当に地獄でした。
色々なことを試すけど成果が出ない。
何をやってもダメなのか・・・と絶望していました。
たまたま、そんな中の1つが上手くいき、上手くいけば自分の間違った思い込みも外れ、視野が広がり、正解をチョイスできるようになったのです。
ではなぜ最初から上手くいかなかったのでしょうか?
答えは簡単です。
保険の世界にどっぷりだったその価値観のままだったからです。
保険と自費は全然違います。
にもかかわらず、保険の価値観で良い悪いを判断し、情報を拾い、実践してしまっていたからでした。
たまたま、別業種の経営の勉強をする機会があったことでそれに気づくことができましたが、気づいていなければ今頃僕はこのブログすら書いていません。
では、今はどうでしょうか?
自費移行だけでもたくさんのセミナーがあります。
しかし、その多くは集客に特化してしまっています。
自費移行を経験し、苦労した僕にはすでにわかっています。
集客は自費移行の柱になりません。
自費移行を成功させるには、正しい知識を持ち、そのとおりに実践しなければなりません。
なぜなら、僕が自費移行した頃はまだ誰も自費になんてしていなかったので、ある意味でライバルがいませんでした。
はっきり書いてしまいますと、無資格者なんぞは相手になりません。
だって存在そのものが違法ですから。
同じ接骨院で自費でやっているところは、近くに古いところが一軒あるだけで、そこももう財もあるので積極的に、がむしゃらにって感じでもないので、本当にライバルが少ない状況でした。
しかし今はライバルが多い。
だからこそ、自費移行の正しい知識を持ち、正しい方法を実践しなければ成功もしにくいのです。
しかし、その正しい方法で正しく自費移行すれば、今回だけでなく2年後の療養費改定の影響もゼロになります。
真面目に仕事に打ち込む先生ほど、自費移行してしまうべきなのです。
正しい自費移行の方法を知るには
11月22日(日)に、治療院経営ラボ代表の作尾先生が、自費移行講座を開催されます。
場所は東京。
この講座、僕が自費移行したときにあったらあんなにしんどい思いをしなくてもよかったのにな、と思うほど素晴らしい内容です。
作尾先生ご自身も自費移行に成功されていますし、作尾先生ご自身の経験から自費移行方法もブラッシュアップされていますので、かなり洗練された内容になっています。
この内容は唯一無二です。
もう療養費改定に振り回されたくない先生は、絶対に受講すべき講座だと断言できます。
定員は10名ほどで締め切ります。
置き換え請求、部位転がしから脱却したい先生は、ぜひ申し込んでみてください。
詳細・お申し込みはこちら
https://cmlabo.jp/lp/jihi-tokyo-20261122/

コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 治療院経営ラボには、すでに自費移行に関するメソッドがあります。11月22日(日)、東京で代表の作尾先生が自費移行講座を開催されます。作尾先生ご自身も自費移行に成功し、今や完全自費の治療院を2軒経営、美容室の経営、医療機器会社の経営等事業展開にも成功されています。定員は10名ですが、すでに申込者がいるため、残り数席しかありません。保険を取り扱っていくことに危機感を感じておられる先生は、ぜひ受講してみてください。詳細・お申し込みはこちら→ https://cmlabo.jp/2026/10/20/jihiikou20261020/ […]