治療院経営ラボ理事の松村です。
僕は2012年10月頃に保険をやめ、自費移行すると決めて2013年1月から完全自費に切り替えました。
その際、もちろん決めた時点で患者さんに告知していきます。
実はその際、僕は本当に辛い思いをしました。
2014年からこの治療院経営ラボの前身である整骨院自費成功アカデミーを設立し、たくさんの柔整師の先生方の自費移行に携わってきましたが、みんな僕と同じ経験をしました。
自費移行は良いことばかりではありません。
今回は、ネガティブな部分を取り上げていきたいと思います。
保険をやめるまでのストレスフルな日々
2012年10月に自費移行を決めてから、さっそく取り掛かったのは手紙作りでした。
保険の取り扱いを2012年12月いっぱいで一切やめて、2013年1月からは自費のみ、1回6,300円(当時)にするというものでした。
休眠患者さんには郵送、通院されている患者さんには受付で手渡しし、なおかつ説明するという形でした。
このときのリアクションは今も忘れられません。
「もう来られへんわ」
こんなのはかわいいものです。
「先生も魂売ったか」
何にやねん、とツッコミそうになりました。
「私を殺す気ですか?」
○んどけよ、と思いました。
親切で優しい患者さんは
「先生、そんなんしたらあかん。なんか嫌なことあったんかもしれんけど、潰れてまうで。せっかく長く(当時で8年弱)続けてきてんから頑張らんと!」
とありがたい助言もいただきました。
そんな患者さんたち、翌日からも普通に通院するんですよね。
そのたびに
「あ〜あ、こうやって先生に会えるのもあと2ヶ月か」
「保険やめたら誰も来おへんようになるで」
などと、チクチクチクチクずっと言ってきてました。
何度「いややったら来んなぼけ!」とキレてやろうと思ったことか。(もちろん我慢しましたけどね)
10月から12月の最後の日まで、ずっとそれが続きました。
もしかしたら、この環境で心が折れてしまう先生もいらっしゃるかと思います。
僕は性格的に、こういう嫌なことを言われたりされたりすると「絶対成功してやる!見返してやる!」となってしまうタイプです。
もう明日から保険やめたろか、と何度も思いながら2013年になるのを心待ちにしていたのを今でも覚えています。
1人の患者さんから言われた、嬉しい一言
そんな地獄の日々でしたが、たった1人だけ
「先生、おめでとう!いよいよ夢を叶えるんやね」
と言ってくださった患者さんがいらっしゃいます。
僕自身、保険の世界にどっぷり浸かりきるだけでなく、業界団体で執行部員などもやっていたこともあり、保険の世界に洗脳されすぎてすっかり忘れていたのですが、この患者さんだけは覚えていました。
「先生、開業当初はずっと『いつか自費専門の院に変えます』って言ってたやん」
と思い出させてくれました。
僕が開業したのは29歳。
あの頃はまだ若くて、治療してガッツリ稼いで保険に頼らない院に変えてやると思っていたものです。
また、当時は外傷も多くきていたので、小型のMRIも買って2階をMRI部屋にしてやる、などと野望を抱いてたんでした。
それが保険の世界にハマり、その世界の代表のような団体で執行部員を務め、保険どっぷりな人たちとばかり接するうちにいつのまにか忘れてしまっていたわけです。
それを思い出させていただけたとき、さらに自費移行に向けて勇気が出ました。
ちなみにその患者さんは開業当初から来院され、ご家族全員紹介してくださっただけでなく、なんと今でもずっと通院してくださっています。(ご家族も含め)
自費移行してからも続いた保険患者さんの行動とは
では自費移行してしまえば保険患者さんからのコンタクトがなくなったかというと、そうではありません。
僕が自費移行したタイミングは、あの政権交代のときです。
当時の民主党がむちゃくちゃしてたとき。
あのとき、医師会も歯科医師会も自民、民主両方推薦したとかがありましたが、柔道整復師会はたしか自民党一本のままでした。
その恨みがあるのかはわかりませんが、あの「2位じゃダメなんですか?」の事業仕分けにも取り上げられ、かなり風当たりが強いときでした。(なので僕の自費移行もすべて民主党のせいにて自費移行したんですが)
話を戻します。
保険患者さんが来るんですよね、1月になっても。
「先生、いける?」
とか言って。
自費移行とともに完全予約制にしたので予約してない人は受けないと決めていました。
要するに、保険やめるってのは政治的な問題によるポーズで、実は保険使うんでしょ?的なノリでくるんです。
もちろん全部お断り。
保険時代、待合室に人が入りきらないで番号札とか置いてあった僕の院が、閑古鳥がうるさいくらいになったわけですが、足元をみられないように院の出入り口に嫁さんの靴を常に2足置いて「今治療中なので」と断っていました。
あの〝あわよくば保険でやってもらおう〟的な顔が今でも忘れられないですし、当時は本当にストレスでした。
同業者からの嫌がらせとおせっかい
保険を辞めると決め、それが僕のことを知っている柔道整復師の先生方に知られるようになると、たくさんの連絡をいただきました。
「まっちゃん、やめとけ。何を血迷ったんや!うちの会にいたら色々あるのはわかる!でも我慢せい」
というありがたいアドバイスもいただきました。
自費移行なんて無理だからやめとけ、というアドバイスは非常に多くいただきました。
どれだけ自費移行が無謀かを丁寧に説明してくださる先生もたくさんいました。
これは許せます。
僕のことを心配してくださってるわけですから。
許せないのは脅迫まがいの電話をしてきた一部の先生方。
「お前、保険やめて会を裏切る気か。月夜の明るい夜ばかりとちゃうんやぞ。夜道に気をつけろや」
本当にそう言われました。
名前も名乗らず、院の受付時間中にそんな電話をしてくるなんて、非常識極まりないです。
さすがに僕もキレたので
「僕、柔道五段ですよ。しかもそのへんのしょーもない五段ちゃいますよ。日本一にもなったことあるし、出身は報徳ですよ。暗い夜に襲うなら刃物じゃ足りんから、せめて拳銃持ってこいよ。じゃないとそっちが悲惨な目に遭うど!」
と言って電話を切りました。
今なら録音して警察に通報すればよかったな、と思いますが、当時は常にイライラしていたので、思わず言い返してしまいました。
ちなみに、自費移行してからの同業者と思われる人たちからの嫌がらせは、架空予約、やたらと「肩こりは保険効きますか?」という電話の増加(異常なほど増え、全員男性でした)、SNSの院アカウントへの悪評等、色々とやられました。
これは実は2014年、自費成功アカデミーを立ち上げて公表したときにもありました。
「業界潰す気か!火のないところでも火事は起こるぞ」
「ちょっと自費にできたからって調子に乗るなよ。命大事にせいよ」
こんな電話もかかってきました。
なんてヤ○ザな業界なんだろう、と本気で思いました。
でもまあ、向こうも柔道整復師で院を持ってるわけです。
本気でそんなことができないのは目に見えてます。
それに夜道で襲われても、別に拳銃でない限りはガチで返り討ちにできる自信もありましたし、正直この脅迫は全く効果がなかったわけです。
そんなことに労力と時間と電話代を使うのなら、自費移行すりゃいいのにくらいに思っていましたが、ストレスではありました。
今の時代は、どうなのか?
今は時代が違います。
同業者からの嫌がらせはほぼないかな?と思います。
ただ、いつの時代も同じですが成果が出れば妬む人は出ます。
昔から「女の腐ったようなやつ」という表現がありますが、これを女性に言う人はいません。
男性の嫉妬は、女性のそれよりよっぽどひどいです。
僕自身も開業して売上があがり、自分へのご褒美に高級車を購入した際に、柔道整復師ではない僕の人間関係から妬まれ、やってもいない、言ってもいないことをやったこと、言ったことにされ、その周りに言いふらされ、それを信じた人たちから縁を切られ、口もきいてもらえなくなったという出来事がありました。
でも、結局そういう噂に振り回される人たちは基本的にそういう人たちだったわけで、今になればあのときに付き合いをやめていて正解だったとさえ思えます。
では患者さんはどうでしょうか?
僕が自費移行した時代と比較すると、多少柔らかくはなっていると思います。
なぜなら、僕が自費移行した2012年と比べ、保険が厳しくなり続け、どんどん自費移行する接骨院が増えているわけです。
正直なところ「置き換え請求してもらっても部位転がししてもらってもいいんだ、自分だって保険料払ってるんだから保険で安く揉んでくれ!」というニーズの人たちの行き場は少なくなってきています。
「もう保険を使いません」と言ったら「ああ、ここももうダメか」と思うくらいのものです。
僕の頃はまだ保険が当然の時代だったので「なんでだ!」となったわけですが、今はもう諦めに近い感情があるんじゃないでしょうか。
とはいえ、保険患者さんの抵抗がなくなるわけではありません。
僕が自費移行した頃と比較したらヌルくはなっているでしょうが、それでも小言くらいはいわれるでしょう。
まとめ
さて今回は、自費移行のネガティブな面について書かせていただきました。
自費移行を検討されている先生は、
自費移行を決意して実行に移すまでのほんの短期間、嫌味や小言を言われることを取るか、それから逃げてどんどん厳しくなる療養費改定に2年に1回ビクビクし続けるか、を選ぶ必要があります。
僕なら断然自費移行を選びます。
今は同業者から脅迫されることもないです。
保険患者さんの抵抗も、自費成功アカデミーを立ち上げた頃に会員の先生が保険患者さんから投げかけられた言葉と、最近自費移行された先生もそれとは、全然ちがいますし今のほうが全然優しいです。
しかも最大の違いがあります。
それは、すでに自費移行のノウハウがあることです。
僕が自費移行したときには、ノウハウがありませんでした。
とりあえず異業種の経営の勉強をしたり、手あたり次第に本を読み漁り、トライアンドエラーを繰り返すしかありませんでした。
しかし今は、アカデミー時代から含め実践された会員全員が自費移行に成功したノウハウがあります。
もはや自費移行できないほうがおかしい、そんな環境になっているわけです。
今回の療養費改定で、窮地に立たされている先生も多いと思います。
自費移行のプロセスにおいて、今回のような避けられないネガティブなことはありますが、それを乗り越えた先に希望は必ずありますので、勇気を持っていただきたいなと思います。
失敗しない自費移行の方法
治療院経営ラボには、すでに自費移行に関するメソッドがあります。
11月22日(日)、東京で代表の作尾先生が自費移行講座を開催されます。
作尾先生ご自身も自費移行に成功し、今や完全自費の治療院を2軒経営、美容室の経営、医療機器会社の経営等事業展開にも成功されています。
定員は10名ですが、すでに申込者がいるため、残り数席しかありません。
保険を取り扱っていくことに危機感を感じておられる先生は、ぜひ受講してみてください。
詳細・お申し込みはこちら→ https://cmlabo.jp/2026/10/20/jihiikou20261020/

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