患者さんに「まだ痛い」と言われても、良くなっていることはあるのか?
この記事の要約 この記事では、患者さんに「まだ痛い」と言われたときの受け止め方を解説します。結論は、良くなっていることはある、ということです。最初は肩が痛いと言っていた方が、次は腰が痛いと言う。痛む場所が変わっているなら、良くなっている、あるいは体が変化していると考えてかまいません。ただ患者さんは最初に言ったことを忘れていることが多いので、言葉をメモに残しておきます。
「通ってもらっているのに、毎回『まだ痛い』と言われる」
「前回と違う場所が痛いと言われて、どう受け止めればいいかわからない」
「変化しているはずなのに、患者さんに伝わらない」
このブログをご覧の先生に、こうしたお悩みがあるなら、今回の記事がお役に立てるかもしれません。
先に結論をお伝えします。「まだ痛い」と言われても、良くなっていることはあります。痛む場所や中身が変わっているなら、体は変化しています。それを先生と患者さんで確かめるために、患者さんの言葉をメモに残しておきます。
なぜ、患者さんは「まだ痛い」と言うのか?
こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
この記事は、会員の先生からの電話相談をもとにしたシリーズの3本目です。前の2本は、次の記事です。
今回は、記事にまとめる中で、私が付け加えておきたいと思った話です。
患者さんの言うことは、来院のたびに変わります。
最初は「肩が痛い」とおっしゃっていた方が、次に来られたときには「腰が痛い」とおっしゃる。こうしたことは、臨床ではよくあります。
患者さんにとっては、どこかが痛ければ「まだ痛い」です。前に肩がつらかったことよりも、今日つらい腰のほうが気になるのは自然なことです。

痛む場所が変わるのは、良くなっているということなのか?
私は、良くなっている、あるいは体が変化していると考えてかまわないと思っています。
最初にいちばんつらかった場所が気にならなくなったから、次の場所の話が出てくる。私は、痛む場所の変化をそう受け止めています。
ここで「良くなっていない」と受け取ってしまうと、先生の施術に迷いが出ます。患者さんも、通う意味を見失ってしまいます。
ただし、すべての変化が良いものとは限りません。新しく出てきた痛みが強いときや、いつもと違う症状をともなうときは、医師の診察が必要な場合があります。「場所が変わったから大丈夫」と決めつけず、そのつど検査で確かめます。

なぜ、患者さんの言葉をメモに残しておくのか?
患者さんは、最初に何を言っていたかを忘れていることが多いからです。
肩のつらさが気にならなくなると、肩が痛かったこと自体を思い出さなくなる方がいらっしゃいます。そして今日の腰の痛みだけを見て、「まだ痛い」とおっしゃいます。
覚えていないのは、先生も同じです。毎日たくさんの患者さんを施術していると、初回にその方が何とおっしゃったか、正確には思い出せません。
だから、患者さんの言葉をメモに残しておきます。私の院では、紙のカルテに加えて、AIを使ったカルテも使い始めています。

メモには、何を書いておけばいいのか?
患者さんの言葉を、そのまま書いておきます。
たとえば「肩が重い」「朝起きるときに腰がつらい」。先生の言葉に言い換えず、患者さんが使った言葉で残します。あわせて、いつ、どこがつらいとおっしゃったかも書いておきます。
言い換えてしまうと、あとで見返したときに、患者さんが感じていたことからずれてしまいます。患者さん自身の言葉だから、読み返したときに思い出すきっかけになります。
「まだ痛い」と言われたら、メモをどう使えばいいのか?
最初のメモを、患者さんと一緒に見返します。
「最初にいらしたときは、肩がつらいとおっしゃっていましたね。今日は腰のお話ですね。肩はいかがですか?」。こう尋ねることが、患者さんが肩のことを思い出すきっかけになります。
そのことをお尋ねすると、多くの場合患者さんは最初におっしゃったことを忘れている傾向があります。
ここで大切なのは、先生が「良くなっていますよ」と言い切ることではありません。根拠のない希望は、かえって患者さんを不安にさせます。メモという記録があるから、変化を一緒に確かめられるのです。
前回お話しした写真と同じで、言葉の記録も、変化を伝える材料になります。

私は、「まだ痛い」と言われてどう受け止めてきたのか?
ここで、私の失敗談をお話しします。
患者さんに「まだ痛い」と言われて、検査をいくつも重ねたことがあります。そのうえで「どうですか?」と、良くなったかどうかの判断を患者さんに委ねてしまいました。
この体験で、痛みにフォーカスしてはいけないと痛感しました。
痛みは、人に必要な痛覚として、なくてはならない反応です。まだ痛みがあること自体は、正常なのです。だから、痛みそのものにはフォーカスしない。私はこの失敗から、そう学びました。
患者さんの言葉を残すことは、院の経営にどう関わるのか?
患者さんの言葉が残っていると、変化を一緒に確かめられます。
変化を確かめられると、患者さんの中に通い続ける理由ができていくと私は考えています。「まだ痛い」の一言で、先生も患者さんも迷わずにすみます。
メモに残しておきたいのは、痛みの話だけではありません。なぜこのタイミングで来院されたのか、生活の中で何に困っているのか。そうした背景の聞き方は、次の記事でお話しします。
まとめ
- 「まだ痛い」と言われても、良くなっていることはある
- 最初は肩、次は腰と、患者さんの言うことは変わる
- 痛む場所が変わるのは、良くなっている、あるいは体が変化していると考えてよい
- ただし新しい痛みが強いときや、いつもと違う症状があるときは、医師の診察が必要な場合がある
- 患者さんは最初に言ったことを忘れていることが多い。だから言葉をそのままメモに残す
- 「まだ痛い」と言われたら、最初のメモを一緒に見返す
明日から、患者さんの言葉を一つ、そのままメモに残してみませんか?
「通院が続いても『まだ痛い』と言われ、自信をなくしてしまう」
「患者さんの変化を、うまく伝えられない」
「カルテの書き方を見直したい」
そんな時には、治療院経営ラボのサポートがきっとお役に立てると考えています。
ラボでは、会員の先生からの電話相談を受けています。今回のように、患者さんの言葉の受け止め方で迷ったことも、一緒に整理しています。もし、治療院経営ラボに興味のある先生はこちらからお問い合わせください。
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。あなたの治療技術と患者さんの期待が相乗効果を生み出し、多くの患者さんに愛される治療院となることを心から願っています。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
治療院経営ラボ
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