患者様の経営者から、よく相談を受ける先生へ。
立派な企画書を作る必要はありません。必要なのは、A4一枚と、相手の話を自分の守備範囲に戻す一言です。この記事では、企業向けに動き出すときの最初の3手を書きます。
「企業向けなんて、うちには縁がない」
そう思っていた先生からの相談でした。
ラボの事業サポート会議は、会員の先生の経営判断を一緒に決めていく場です。 先日の回で、こんな話が出ました。
患者様に経営者の方がいて、ちょくちょく相談を受ける。 ただ内容がスタッフのことばかり。 診療中に一度聞いてしまったせいで、来院のたびにその話が続くようになった。
これを企業向けのサービスとして形にしたい。 何から作ればいいか、と。
つまり、営業に行った話ではありません。 向こうから相談が来ている状態です。
この状態にいる先生は、実はけっこう多いと思います。 経営者の患者様が一人でもいれば、もう入り口には立っています。 ってことで、そこから先の3手を書きます。
企画書を、A4一枚にしました
まず、企画書の分量です。
A4一枚に収まる文章にして、詳しいものは添付資料に回します。 これが一番です。
ビジネスの世界では、パワーポイントを何枚もつけるやり方もあります。 僕は勧めませんが、そういう形もあるという程度に思っておいてください。
一枚に何を書くか。
やることと、相手のメリットです。
やることは、施術のケアと体操指導。 これは先生の本業ですから、書けますよね。
問題は、相手のメリットのほうです。
補助金が使えます、と書いたとします。 これで止まると弱いんですよ。
読んだ相手は「いくら出るの?」と思います。 金額が見えないと、判断のしようがありません。
ですから、目安まで調べてから書く。 書けないなら、その一行は削って別のメリットにする。 中途半端に残しておくのが一番よくないです。
相手の話を、守備範囲に戻しました
次に、相談の受け方です。
人を雇っていれば、人の問題が最優先になります。 これは避けられません。 売上より先に、辞めた・入らない・続かないが来ます。
ただ、それが先生の守備範囲かというと、違いますよね。
そうなんです。 相手も、人事の専門家として先生に相談しているわけではありません。
「阪神強いね」と話しかけているのと、あまり変わらないんです。 目の前にいる人と、いま頭にあることを喋っている。 それだけです。
ですから、まず受け止めます。 「それは大変ですね」でいい。
そのうえで、こちらに戻します。
「それはそれとして、自分がやることで何に困っていますか」
この一言です。 焦点を、こちらの守備範囲に引き戻します。
もちろん、好きに話していただく時間も必要ですよ。 関係ができる前に絞り込むと、相手は話す気をなくします。
順番としては、しばらく好きに話していただいて、そこから少しずつ焦点を寄せていく。 もう少し時間をかけて構いません。
最終的には、体のケアが必要になる範囲まで絞り込んで、「これは要るのか、要らないのか」を言えるところまで持っていきます。
最初の一人は、無料で伺うことにしました
3つ目は、動き方です。
最初の一人は、お金の問題ではありません。
「会社に伺いましょうか」でいいと思います。 行って、実際の現場を見る。 そのうえで健康講座を提案することもできます。
やりがちなのが、アンケートを取ることを目的にしてしまうことです。
アンケートは結果であって、目的ではありません。 イベントをやるならイベントを成功させる。 LINEを集めたいならLINEを取る。 何を持ち帰りたいかは、相手の望みによって変わります。
そして提案するときは、こう言えばいいんです。
「会社のお金で、これをやってください」
要らないと言われたら、それまでです。 また別の方と進めればいい。 最初から100%決まることなんてありません。
一度カチッとはまれば、次から展開できます。 だから最初の一件は、時間や料金を断定しないまま進めて構いません。 面談に何分かかるかも、決めなくていい。 気楽に行ってください。
誰が決める人なのかを、先に聞いてください
もう一つ。
最終的には、補助金を取ってやりませんか、という話になります。 治療以外のことは、たいていそうなります。
そのときに差が出るのが、決定権者を押さえているかどうかです。
その方が「うん」と言わないと進みません。 ですから、聞き方をこう変えます。
「補助金の申請は、どなたがされるんですか」
「こういう場合、通常はどなたにご相談されますか」
人事の愚痴に付き合っている間は、この質問が出てきません。 守備範囲に話を戻すというのは、この質問にたどり着くためでもあるんです。
言い換えると、相手の話を聞く時間と、決める人を探す時間は別物。 経営の商談とまったく同じ構造ですね。

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