本当にやりたい仕事は、何だったのか?
結論からお伝えします。
整骨院・鍼灸院に来院される方の多くは、怪我ではなく「ずっと続く痛み」に悩んでいます。
そのお悩みを和らげる技術に、正当な対価をいただく。
私は、それが自費移行だと考えています。

こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
「負傷原因を、辻褄が合うように書くのがしんどい」
「返戻が来るたびに、気持ちが沈む」
「柔道整復師になったのは、こんな仕事をするためだったのか」
このようなお悩みはありませんか?
私も下積み時代に、何度も同じことを考えました。
開業してからは、怪我の患者さんが年に2人ほどしか来院しませんでした。
このブログでは、私の下積み時代の経験と国の調査の数字から、整骨院・鍼灸院の先生が自費移行を考える理由をお伝えします。
ぜひ最後までお読みください。
この記事の要約
このブログでは、私の下積み時代の経験と国の調査から、整骨院・鍼灸院が自費移行を考える理由を紹介しています。
押さえておきたいポイントはこちらです。
- 私が勤めた接骨院では、怪我の患者さんは月に1人いれば良い方だった。開業後は年に2人ほど
- 国民生活基礎調査(2025年)では、自覚症状で最も多いのは男女とも腰痛。肩こりも上位に入る
- 負傷原因の書き方や返戻のストレスは、自費診療にすると手放せる
- 療養費の改定で、保険診療に依存した経営はこれからますます難しくなると私は考えている
この記事を読むと得られること
- 怪我の患者さんがどれくらい来院するのか、私の経験がわかる
- 国民生活基礎調査で、多い自覚症状がわかる
- 保険診療で先生が抱えやすいストレスと、自費診療で変わることがわかる
- 自費移行を決断するタイミングの考え方がわかる
それでは、本題に入っていきます。
治療院開業前の下積み時代、私はどんな現場で働いていたのか?
下積み時代、いずれ開業したいと思いながら、接骨院やクリニックで働いていました。
私が勤めたクリニックは、下町にありました。
ダウンタウンさんの出身地でもある尼崎市。
その中でも、特に柄の悪い地域でした。
鍼灸をしようとすると、背中に絵が入っている。
酒臭い状態で来院なさる。
治療室で暴れ出す。
そんな光景を何度も目にしました。
「おい、お前、もっと強くもんでくれ」
「なんか今日、いつもよりマッサージが短いんちゃうか」
「そこそこ!強く押してくれ」
こんな患者さんが半数以上いたのです。
理学療法士の先生から、何を言われたのか?
同じリハビリ室にいた理学療法士の先生からは、こんなことを言われることもありました。
「柔整ってマッサージしかできへんねんやろ?」
「君たちの施術って、押す系だけやろ?」
正直、腹が立ちました。でも当時は立場上何も言い返せませんでした。
それに加えて、技術も知識も経験も当時は何もありませんでした。
そして、これが本当にやりたかった仕事なのか?と、何度も自問自答しました。
将来開業した時は、患者さんに媚びへつらうのではなく、本当に体の不調で悩んでいる方々をサポートできる先生になりたい。
そう思いました。
怪我の患者さんは、どれくらい来院するのか?
修行の10年間でも、怪我の患者さんを施術する機会はほとんどありませんでした。
クリニックに勤めていた時は、医療機関なので、何度か怪我の患者さんを担当させていただきました。
15年ほど前に接骨院で勤めていた時は、怪我の患者さんは月に1人いれば良い方でした。
いざ治療院を開業すると、怪我の患者さんは年に2人ぐらいでした。
「昔から痛い」
「ずっと痛い」
「ずっとしんどい」
来院される皆さんが、そう教えてくださいました。
国の調査では、どんな症状が多いのか?
国の調査でも、同じ傾向が見えます。
厚生労働省の国民生活基礎調査は、国民の健康や暮らしを調べる国の統計です。
2025年の調査では、病気やけがなどで自覚症状がある人(有訴者)は、人口千人あたり255.7人でした。
症状別に見ると、多いのは次のとおりです。
| 順位 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 1位 | 腰痛(85.9) | 腰痛(100.8) |
| 2位 | 頻尿(50.1) | 肩こり(89.2) |
| 3位 | 肩こり(48.3) | 手足の関節が痛む(64.2) |
(厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」図17より作成。数字は人口千人あたり)
自覚症状で最も多いのは、男女とも腰痛です。
肩こりも、女性では2番目、男性では3番目に多い症状です。
この数字は、怪我か慢性の痛みかを分けたものではありません。
それでも、腰や肩の不調に悩む方がとても多いことがわかります。
だから、治療院に来院なさる患者さんのお悩みを和らげる技術こそが大切だと痛感し、私は徒手療法を学び続けてきました。
保険診療の何が、先生を苦しめるのか?
負傷原因を、辻褄が合うように書くストレス。
返戻にビクビクしながら出すレセプト。
モラルに欠ける患者さんを相手にするストレス。
このブログを読まれている先生には説明が不要かもしれませんが、返戻(へんれい)とは、提出したレセプト(療養費の支給申請書)が、不備などを理由に保険者から差し戻されることです。
こんなストレスから、解放されませんか?
自費診療にすると、何が変わるのか?
自費診療にすると、良識のある患者さんが多く来院なさるようになると、私は感じています。
負傷原因やレセプトの返戻に、メンタルを削られることもありません。
先生は、どうして柔道整復師になったのか?
もう一度、思い出してほしいんです。
先生は、どうして柔道整復師になろうと思ったのですか?
あるいは、どうして施術家の道に進もうと思ったのでしょうか?
本当に怪我の患者さんだけで治療院経営が成り立つのでしたら、それは素晴らしいことだと思っています。
でも、いくら「柔道整復の本質は外傷だ」と言ったとしても、時代の流れとして、保険診療に自費のメニューを上乗せする院が増えてきました。
これは、接骨院が外傷だけではご飯を食べていけなくなった証拠だと、私は考えています。
療養費の改定で、この先どうなるのか?
さらに、療養費の改定によって、保険診療に依存した治療院経営は、これからますます難しくなると考えています。
2026年7月の柔道整復療養費の改定では、多部位の逓減(部位が増えるほど料金を割り引く仕組み)が強まりました。
これまで割り引きは3部位目からでしたが、今回から2部位目も80%に減額されています(厚生労働省「柔道整復療養費の令和8年度料金改定(案)」2026年4月30日)。
患者さんごとの償還払いの対象も広がりました。
償還払いとは、患者さんが窓口で全額を支払い、あとで保険者から払い戻しを受ける方法です。
新たに、「直近1年間に通算8か月以上かつ通算9部位以上の施術を受けている患者」が対象に加わりました(同資料より引用)。
この基準は、2027年1月以降の施術から適用されるとされています(全国柔整鍼灸協同組合の解説より)。
療養費改定のくわしい中身は、こちらのブログにまとめています。
→ 療養費改定で請求額が下がる今、整骨院・鍼灸院の値上げは悪なのか?
自費移行は、いつ決断すればよいのか?
いずれ、決断しないといけない時は来るかもしれません。
今やるのか、さらに追い詰められてから自費移行するのか。
決断するなら、なるべく早い方が良いです。
もし先生が治療の勉強を続けてきた先生であれば、自費移行は、そこまで難しいことではないと考えています。
そう言えるのは、治療院経営ラボで、100人以上の先生の自費移行をサポートしてきたからです。
最後に
もし少しでも、将来は自費診療でやっていきたいとお考えでしたら、11月22日の自費移行セミナーにご参加ください。
自費移行セミナー(東京)
- 日時:2026年11月22日(日)13:00〜17:00
- 会場:東京都内(お申し込みの方にご案内します)
- 定員:10名
- 内容:①目標設定と「やりたくないことリスト」 ②逆ペルソナと理想患者の言語化 ③自費治療メニューと価格の設計
- お申し込み:https://cmlabo.jp/lp/jihi-tokyo-20261122/
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。
先生が、本当にやりたかった仕事に向き合える毎日を送られることを、心から願っています。
参考文献・出典
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/dl/14.pdf
- 厚生労働省「柔道整復療養費の令和8年度料金改定(案)」(2026年4月30日) https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001696843.pdf
- 全国柔整鍼灸協同組合「令和8年度 柔道整復師の施術に係る療養費について」 https://www.zenjukyo.gr.jp/news/ryoukin_kaitei_2026/
監修
治療院経営ラボ 代表
柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介

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