問診で「なぜ今来たのか」は、どう聞けばいいのか?
この記事の要約 この記事では、問診で患者さんの来院の背景をどう聞くかを解説します。結論は、「聞いたらいけないかな」と思う質問ほど、意外と聞いていいということです。前の院に行かなくなった理由、「ずっと」がいつからか、なぜ今なのか。あわせて、趣味の話や触診で気づいたことから聞いていきます。最初から全部を話してくださる方はいないので、無理に聞き出す必要はありません。
「問診が、痛い場所と期間を聞くだけで終わってしまう」
「なぜこのタイミングで来たのか、聞くのをためらってしまう」
「患者さんの気持ちや困りごとまで、話が深まらない」
このブログをご覧の先生に、こうしたお悩みがあるなら、今回の記事がお役に立てるかもしれません。
先に結論をお伝えします。「聞いたらいけないかな」と思うことは、意外と聞いていいのです。そして、質問のきっかけは2つあります。患者さんの生活の話と、先生の手が触れて気づいたことです。
なぜ、問診で来院の背景を聞くのは難しいのか?
こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
この記事は、会員の先生からの電話相談をもとにしたシリーズの4本目です。これまでの記事は、次の3本です。
今回の相談は、問診で来院の背景を聞くことでした。なぜこのタイミングで来られたのか。何に困っていて、どんな気持ちを抱えているのか。それを聞き出すのが難しい、というご相談です。
その先生は、もう一つ気づいたことを話してくださいました。私がブログの取材で、先生に同じような質問をすると、先生ご自身も答えに詰まってしまうそうです。
来院の背景を聞くのは、意外と難しいものですね。
最初から全部を話してくださる方はいません。仲良くなれば、自然に話してくださるようになります。言いたくない方には、無理に聞かなくてかまいません。

「聞いたらいけないかな」と思う質問は、聞いてもいいのか?
意外と聞いていいのです。
遠慮して聞かないままだと、問診は浅いところで終わってしまいます。電話相談でお伝えしたのは、次のような質問です。
- 「どうして、前の接骨院に行かなくなったんですか?」
- 「『ずっと』って、いつからですか?」
- 「ずっと痛かったのに、どうしてこのタイミングで受けようと思ったんですか?」
どれも、聞くのをためらいやすい質問です。けれど、こう尋ねると、来院までのいきさつを話してくださるはずです。
「ずっと」という言葉は、とくに聞き流さないようにします。ずっと我慢してきた方が、今になって来院された。そこには、何かのきっかけがあるからです。

趣味の話から、来院の背景はどう広がるのか?
趣味の話は、背景を聞くいちばんの入り口です。人は、自分が好きなことを聞かれると、気持ちよく話してくださいます。
たとえば、ゴルフが好きな方なら、こんなふうに話を広げます。
※これはあくまで例えです。
「腰が痛いと、ゴルフにも行けないですよね」
「そうなんです。だから最近は行っていないんです」
「腰が楽になったら、また行きたいですか?」
「行きたいですね」
「じゃあ、行けるようにしていきましょう」
このやりとりで、患者さんが本当に困っていることが見えてきます。腰が痛いことそのものより、ゴルフに行けないことです。そして、目指すところも共有できます。また、ゴルフに行けるようになることです。

触診で気づいたことから、どう聞けばいいのか?
触って「ここが少し気になるな」と思ったら、そのまま尋ねます。
背中を触っていて腰まわりが気になれば、「腰がつらいことはありますか?」。
お腹を触って気になるところがあれば、「お腹の調子を崩していましたか?」と聞きます。
こう尋ねると、食事やお酒、仕事の忙しさなど、生活の話が出てくることがあります。問診の最初には出てこなかった話です。
先生の手が触れて気づいたことから聞く。そうすると、質問が体と生活をつなぐきっかけになります。

来院の背景を聞くために、いちばん大切なことは何か?
相手に興味を持つことです。
上手な質問の言い回しを覚えることではありません。この方はどんな生活をしていて、何を楽しみにしているのか。体を触って、何に気づいたのか。その興味が、自然に質問になります。
聞いた言葉は、患者さんが話したまま、メモに残しておきます。前の記事でお話ししたとおり、患者さんは最初に話したことを忘れていることが多いからです。
私は、来院の背景を聞けずに何を失ったのか?
ここで、私の失敗談をお話しします。
以前の私は、「こんなことを聞いていいのだろうか」と自分で判断してしまっていました。そのため、患者さんに必要なことを聞けずにいました。
その結果、患者さんが本当に悩んでいたことを思い出していただくタイミングを失ってしまいました。
聞いてはいけないと決めていたのは、患者さんではなく私自身だったのです。
来院の背景がわかると、院の経営にどう関わるのか?
来院の背景がわかると、先生と患者さんで目指すところがそろいます。
「腰の痛み」だけを目標にすると、少しでも痛みが残れば「まだ痛い」になります。「またゴルフに行けるように」が目標なら、患者さんも先生も、同じところを見て進めます。通い続ける理由が、患者さんの中にできていくと私は考えています。
背景を聞く力は、くり返し練習することで身についていきます。ラボでは、会員の先生同士で問診を練習するワークも行っています。何度も参加して、聞くことに慣れていくことをおすすめしています。
まとめ
- 来院の背景を聞くのは、意外と難しい。最初から全部を話してくださる方はいない
- 言いたくない方には、無理に聞かなくていい
- 「聞いたらいけないかな」と思う質問ほど、意外と聞いていい
- 前の院に行かなくなった理由、「ずっと」がいつからか、なぜ今なのかを尋ねる
- 趣味の話から、本当に困っていることと目指すところを共有する
- 触診で気づいたことから聞くと、生活の話が出てくる
- いちばん大切なのは、相手に興味を持つこと
明日の問診で、「どうしてこのタイミングで来ようと思ったんですか?」と、一度聞いてみませんか?
「問診で、患者さんの本音まで聞けていない」
「来院の理由を聞かないまま、施術に入ってしまう」
「患者さんと同じゴールを持って施術したい」
そんな時には、治療院経営ラボのサポートがきっとお役に立てると考えています。
ラボでは、会員の先生からの電話相談を受けています。今回のように、問診で迷ったことも一緒に整理し、問診のワークで練習もしています。もし、治療院経営ラボに興味のある先生はこちらからお問い合わせください。
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。あなたの治療技術と患者さんの期待が相乗効果を生み出し、多くの患者さんに愛される治療院となることを心から願っています。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・はり師・きゅう師 作尾大介)
治療院経営ラボ
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