飲食店なら、どういうレベルであっても不味けりゃ潰れるのが当然。
それがたとえチェーンの牛丼屋であっても、並盛り280円なら最低でもその金額を出して食べることに満足できる味でないと経営は成り立たない。誰が食っても不味いとわかるものであれば、そこは間違いなく潰れる、そういうものです。

しかし、治療院となるとその「誰が食っても不味い」が曖昧になります。
治療の勉強と研鑽を、理論の勉強を、設備投資すらせずに良い治療ができるはずがないのに、そういう治療院が非常に多いことに驚かされます。

と、こう書くと「DVDで勉強してるわ!」という通信教育で空手黒帯人間が出てくるのがまた面白いですね。
DVD、否定はしませんが、あれは実際にセミナーを受ける前の予習と受けた後の復習のためのもので、見てマスターできるなら、世の中の治療家全員名人ですよね。

 

治療院経営ラボの考え方

治療院経営ラボ、と名前がついてるため、経営の勉強〝だけ〟をしているように思われるのですが、経営と治療は切っても切れない関係です。

治療院経営ラボの考えは

 

治療の勉強を熱心にされてる先生こそ、
その努力に見合った収入を得るべき

 

というものです。

ですので、ラボの経営理論の根底には治療があり、ラボの経営メソッドの大前提は最低限の治療ができることなのです。

そのため、治療セミナーは必須だと感じておりまして、今年も肘井先生にお願いして、会員の先生方に治療を教えていただきました。

まあ、要するに最低でも美味い飯作る飲食店でないといけない、そういうことです。

 

 

セミナー内容

最初に、セミナーに際しては徹底した感染予防をした上での開催でした。
ラボは今年最初の緊急事態宣言中もずっとセミナーをしていましたが、当然ながら一人も感染者を出しておりません。

詳しく解説したり今回の対峙という考え方や意味をお伝えするのは、僕というバイアスがかかってしまい、肘井先生が本当に伝えたいことと違うことになってしまう可能性があるので割愛します。

 

日頃動画でみて、起きられなくなるのを体感して喜ぶラボ会員の先生。笑

 

対峙、というテーマでの腰痛、坐骨神経痛に効果的な方法でしたが、はっきり言って効果的すぎます。

肘井先生のセミナーでは、最初に術理を解説し、それを体感するための練習をします。
手首を持って力を入れてもらって、それを倒したりするのはそのためです。

それらの練習をある程度積み重ね、最後に〝実際に腰痛や坐骨神経痛にはこう使うんだよ〟という具体的な方法を教えていただきました。

ただ、方法そのものは本当にカンタンです。
だって、いわゆるSLRするだけなんですから。

もちろん、症状がひどい場合は・・・という細かい要素もたくさん盛り込まれていましたが。

なぜ最初に効果的すぎると言ったのか?

実は僕自身が左足がずっとしびれていたのですが、放置しておりました。笑
まあ、痺れてるだけだし、筋力低下等はないしってので忙しいのにかまけて何もしておりませんでした。

肘井先生が「実際に坐骨神経痛的な症状ある先生いる?」と尋ねられた際に受講者の中にはおられなかったので僕が受けることとなりました。

上がらない足が上がるようになる。

そして、じわじわっと、本当にじわじわっとなんですが、しびれが消えていくんですよね。

これを書いてる今もしびれはありません。

いや〜、すごい。
それしか言いようがありませんでした。

とまあこんな感じで約3時間の濃密なセミナーをしていただきました。

 

 

 

実は、セミナーで〝対峙〟の意味を教わったとき、僕は一瞬にしてこの治療が好きになったとともに感慨深いものがあったのでした。

ちょっと長くなりますが、そのことを書かせていただきたいと思います。

 

 

治療以前にラボでやっていたこと

今、売上にお悩みの先生、もしかしたらこれからあなたのことを書くかもしれないので、心してくださいね。

治療家って、非常識な人多いです。
僕が治療院経営ラボの前身である整骨院自費成功アカデミーを立ち上げた際、最初に教えたのは経営テクニックや自費のマインドセットなどといったハイレベルなことではありませんでした。

「挨拶しようね」
「ありがとうを言おうね」
「ダメなことしたらごめんなさいって言おうね」
「時間を守ろうね」
「約束守ろうね」
「何かのお知らせの文章はちゃんと最後まで読もうね」
「セミナーや懇親会のドタキャンやめようね」

こんな感じで、ほぼ幼稚園レベルのことをお伝えしました。

もちろん、人間なのでミスはありますが、そうそう何度もやっていいことではありません。

それとともにスケジュール管理が全くできませんでした。
アカデミーの最初の会員数はたったの6名。
その6名ですら全員そろってセミナーできないのです。笑

これ、初期を知らない先生からすると信じられないことでしょう。
参加すると直前まで言っておきながら、「会のなんちゃらが」とか「嫁さんが」とか言って休むのです。

たかだか6人のために、第土曜日とその翌日の日曜日、第3土曜日とその翌日の日曜日、月4日同じ内容のセミナーをするといっても、そのどれもに参加しないという会員までいました。(本人は忙しいからできないつもりですが、実際は優先順位を間違えていることと常識的な判断ができないことが原因でした)

アカデミー時代、何度も「うちは幼稚園ちゃいますよ!」と言ったものでした。

セミナーの際は遅いのもダメだけど早く着きすぎるのも主催者に迷惑だとか、ギリギリすぎるのは常識的にダメだとか、セミナー後の懇親会参加すると言ったのを忘れてしれっと帰るとか・・・・

まあホントに「お前らどういう育ち方してきたんや」と聞きたくなるような振る舞いをする先生ほど売上にお困りだったので、まずは経営者以前に社会人としての常識を身につけていただくことからのスタートだったのです。

おかげさまで今、外部向けのセミナーを開催すると、だいたい外部の先生が同じことをします。笑

懇親会を参加にしていたかどうか忘れたとか、色んな言い訳して懇親会をドタキャンしてなおかつ懇親会費の支払いを逃れようとする先生とそれを冷たい目で見るラボの会員の先生たち・・・というのはとても多い構図ですね。笑

会員の先生の中には、そういう外部の先生を見て「僕もちょっと前まであれでいいと思ってました。でも今こっち側から見ると、ホントに最低なことしてたってむっちゃわかります」と言われることもあります。

利他の心を少しでも持っていれば絶対にしないことを、平気でしているという事実を認識したときに、経営だけでなく治療家としての人生が始まるように思います。

 

 

去年から〝対峙〟は始まっていたのかもしれない

肘井先生には去年の6月にもセミナーをしていただいておりました。

当時、僕は「開業する以上、ある程度は勉強し、研鑽を積んでるだろう」と思っていました。
だからこそ、肘井先生にお願いして肘井先生の技術だけでなく治療に対する、というか患者さんに対する姿勢や考え方を学ぶと、みんなすごく伸びるんじゃないかと思っていたのです。

結果は散々です。

テクニック以前の問題。検査ができない。見たままをマネできない。

見かねた肘井先生が、「この検査をするときは、初心者は患者さんの身体がここならあなたはこの位置にいましょう」ということを伝えるという状況になってしまいました。

僕はキレそうになるとともに、愕然としました。
一般常識的な幼稚園を脱却したと思ったら、治療がまた幼稚園からのスタートだったのです。
僕は「お前らそれでよく売上欲しいとか言うたな!」と叫びたくなる衝動を抑えながら、できている先生とできていない先生の両方を観察していました。

わかったことは売上に悩んでいる先生や、なんとか最低目標の売上が出てるけれど、ラボのメソッド通りできない先生全員が全くできないということでした。

受講された先生ならわかる、それも対峙の一つかもしれません。
ただ、それをどうわかっていただくかに苦心しました。

要するに「お前の店の料理は不味いぞ」と伝えなければいけないわけです。

僕もイヤですし、言われるほうはもっとイヤなのはわかりきってます。

本来は僕が言うのではなく、僕は質問していくだけで相手に気づかせるという手法を取るべきなのですが、早急な問題であったことと、何人かに試してみても、そこに気がつかない、もしくは心の中で気がついた瞬間にそれを拒絶し、違うことに問題をすりかえるという状況になったため、痛みを伴う方法に切り替えざるを得ませんでした。

どんなに伝え方を工夫しても、ふてくされる先生もいます。
退会者も何人も出しました。

でも、ここを甘やかして、アファメーションだとか言って肯定していてはいけないのです。

ダメなものはダメ。
それを「大丈夫だよ〜」って言うのは、肯定ではなく単なるウソです。

他の理事2人には、「松村さん、そんな本当のこと言ったらこうなるのわかってるやん」と言われました。笑

ちなみに、事業的なことを言うのなら、ラボとしての売上は月にして20〜30万円ほど落ちました。
年間にすると200〜300万円落ちたわけですが、それでもやらなきゃいけないと思うほどの課題でした。

そういう失敗もありましたが、僕自身が会員の先生と相対(あいたい)して対話するという点では〝対峙〟に近いような気がしました。※これはあくまでも僕個人の感覚の話で、今回の肘井先生の概念とはまた別です。

そして、もう1つの〝対峙〟はその先生方が自分自身と対峙すること。
できると思っていたものができない、その現実を受け止めることも含めて、自分を客観視しなければいけないきっかけになりました。まあ、ほとんどの先生が脱落しましたが。

また、自分自身との対峙という点では、ラボでは内観療法や、才能心理学というもので自分と向き合うことの重要性は説いておりました。

そういう点でも、〝対峙〟という言葉が僕にはとてもしっくりときたのです。

 

 

治療院経営ラボの改革

今年、カリキュラムを変更しラボの科目の中に治療の基礎を組み込みました。
講師は僕と、以前からずっと肘井先生に教わってきた会員の久保先生にお願いしました。

柔道で言うと受身。
いや、もしかすると帯の結び方レベルだったかもしれません。

例えば・・・・

「検査のときの身体の使い方」そんなハイレベルなことはいきなりできません。

この検査をするときは、初心者は患者さんの身体がここならあなたはこの位置にいましょう、患者さんの身体に触れるときは手のここから順番に触れるようにしましょう、こういう風に声をかけましょう、そういうレベルからのスタートでした。

基本的には僕が担当するときは、僕が修業時代の一番最初に習ったことをお伝えしました。

話が少しそれますが、僕は初任給1万円で暴力もある環境での修業でしたが、それでもまだお金いただいてこういうことを教えていただけたのですが、今はそれをお金を払ってでしか学ぶ場所がないってのは、かわいそうな気もしますね。

話を戻しますが、こちらも初心に戻って、本当に基礎の中の基礎から練習する機会を作りました。

 

 

肘井先生とアシスタントの先生方に言われた、ありがたい言葉とは

セミナー中、肘井先生から

「まっちゃん、なんでみんな上手なの?」

と。アシスタントをしてる先生からも

「松村先生、みんな本当に肘井先生のセミナー初めてなんですか?」

と、続けて言われました。

多くの先生が、正しい検査の方法や触り方を知らないがゆえに、荒い触り方をして相手の身体を悪くします。
実際、練習をして受け手が眩暈を起こして倒れるとか、痛くて動けなくなるなんてことはあります。

そして壊してしまった先生の多くは「こんな危険な技術はダメだ」とか言うんですが本当は「ダメなのはお前だよ」って話なんです。

そんな中、肘井先生のセミナーが初めてにも関わらず、肘井先生をはじめ他の先生方もお褒めいただけたのは本当に嬉しいことでした。

退会者続出で、売上200、300万円を犠牲にした以上の価値があったと心の底から思いました。

 

 

まとめ

肘井先生の技の多くは、その言葉とともにあります。
今回であれば〝対峙〟です。

僕も出演させていただいているDVD、一隅照光も然りです。

日本には言霊という単語があります。
言葉を大事にする、という意味でも、肘井先生がセミナーで伝えられることは、治療という狭いカテゴリーだけでなく経営や生き方にも大きく関係することが多いです。

ただし、それをどのレベルで、どうとらえることができるかというのは、我々受信する側の問題。

これはどんなセミナーでもそうだと思います。

講師の先生が発した情報を正しく受信するために必要なことは

一般常識と利他の精神

であることは間違いないかと思います。

 

 

感 謝

肘井先生には本当に忙しい中、講師をお引き受けいただきありがとうございました。
そして、アシスタントとして参加していただいた、阿部先生、小室先生、坂梨先生、須長先生、野々宮先生、本当にありがとうございました。

そして実は僕と肘井先生は同じ手技の研修を受けているのですが、開催日はその研修の日・・・

去年に引き続き、その研修の日に僕の都合で僕も手技の研修を開催するということを認めてくださったY先生、ありがとうございました。

 

 

※少しでもラボに興味を持たれた先生方へ

さて、この記事ももう5000文字をこえました。
お読みの先生の中には、治療院経営ラボに興味を持たれた先生もいるかもしれません。

実はラボが今年1年でやった内容を総復習するセミナーが12月6日(日)に大阪市内で開催されます。

今回はコロナ禍でもありますので、リモート受講もあります。

リアル、リモートともに定員まであと1名。
また、申込締切は12月2日となっております。

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【12/6(日)】開催治療院経営ラボのすべてを学べるセミナー2020開催のお知らせ

をよくご覧になって、申し込まれてみてはいかがでしょうか?

コロナの第3波とも言われています。
今回はコロナ禍の中、売上を倍にした先生だけでなく、なんと4倍にした先生が何をしたかも赤裸々に語られます。

備えあれば憂いなし、受講して一切損はないと思います。

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