「片付けたいけれど、何がいらない物か分からない」先生へ。
30名の治療家に、「最近、院から捨てた物」を聞き、そのうち自由記述で答えてくれた17名分の回答から品目を拾いました。集まったのは、どの院にもある物ばかりです。この記事は、その実際のリストと、捨てるかどうかを迷わず決める3つの物差しをまとめた、保存版です。次の休みに、院と照らし合わせてみてください。
片付けが進まない理由のひとつに、「何がいらない物なのか、そもそも分からない」があります。物差しがないと、目の前の物が要るのか要らないのか、判断が止まってしまうんですね。だったら、他の先生が実際に手放した物を見てしまうのが、いちばん早い。そう考えて、その場でアンケートを取りました。

自由記述17名の院から、実際に消えた物
まず、自由記述に挙がった品目を、そのまま並べます。回答した先生のお名前は伏せて、物だけをお見せします。
紙もの・掲示物:
- 置きチラシ、他店のチラシ、過去のチラシ
- 過去の書類、古いニュースレター
- 受付後ろの啓蒙ポスター、施術室の掲示物
- 患者さんの声の掲示、決済案内の掲示
- 物販の掲示物、保険掲示物
家具・什器:
- 掛け時計
- イス、サーキュレーター
- 使わなくなった施術ベッド
- 受付カウンター上のサプリメント
- マガジンラック、スリッパラック、収納ケース
- 古いゴミ箱
機器類:
- ウォーターベッド
- 電気治療機、赤外線機器
- 物販機器のPOP
- Windows PC
飾り・私物・消耗品:
- 花瓶、造花、観葉植物
- 患者さんからのいただきもの
- 漫画、本
- ユニホーム、忘れられた傘
- 骨模型、解剖図
- 使っていないタオル、使わなくなった消耗品
ひとつだけ補足します。資格証・認定証は、逆です。患者さんから見える高い位置に掲示して、残す物なんですね。
これに加えて、院内写真の添削をしていると、ほぼ毎回のように出てくる定番があります。リストに足しておいてください。
- コルクボード。写真を見せてもらうと、例外なくあります。そもそも、貼るためのコルクボードがあってはいけないくらいに思ってください。
- ホワイトボードに書きっぱなしの文字。書いてある予定は、消してデータで持つべきです。
- ペン立て。ペンは1本あれば足ります。絵を描くわけではありませんからね。
- マスクの箱。1日に使うのは1枚か2枚。今日使う分だけでいいんです。
- ビニールのマット。1970年代の名残で、21世紀にはもう要りません。
- ファックスの布カバー。これも、そろそろ21世紀に揃え直したいところです。
なぜ「どの院にもある」のか — 善意で置いた物ほど、捨てられない
このリストを眺めて、気づいたことはないでしょうか。悪意で置いた物が、ひとつもないんです。
患者さんの声、いただきもの、観葉植物、コルクボード。どれも、良かれと思って置いた物ばかりです。だからこそ、捨てられない。「あの患者さんがくれた物だから」「せっかく貼ったから」。その善意が、判断を止めてしまうんですね。昔は、壁一面に患者さんの喜びの声を貼るのが良いとされた時代もありました。でも、もう21世紀です。役割を終えた物は、静かに手放していい。
つまり、あなたの院に物が残っているのは、あなたが冷たいからではありません。むしろ、優しいからです。だからこそ、優しさとは別のところに、判定の物差しを持っておく必要があるんです。

迷わないための、3つの物差し
物差しは、3つあれば足ります。
物差し1、この1年、触ったか。1年間まったく触っていない物は、いらない可能性がとても高いです。「使うかもしれない」ではなく、「使ったか、使っていないか」という事実で見てください。
物差し2、患者さんから見えて、意味があるか。壁一面の喜びの声も、コルクボードも、ここで引っかかります。患者さんの治療に効くわけでも、通いたい気持ちを育てるわけでもない物は、見えるところに置かなくていいんです。
物差し3、業として、院の売上の5%あるか。物販や健康機器は、これで判定します。基準を5%まで緩めても届かないなら、撤去です。5,000円の小銭より、院が片付いていることで上がるリピートのほうが、ずっと大きいですからね。
迷ったら、無理に捨てなくていい
ここまで読んで、「でも、どうしても迷う物がある」と思った先生へ。逃げ道を用意しておきます。
判定に迷った物は、無理に捨てなくて大丈夫です。別の箱に入れて、1年、置いておく。それでも一度も触らなければ、そのとき箱ごと、院の外に出しましょう。貸し倉庫でも、家の納屋でも構いません。捨てるという決断は先送りにしたまま、院からは物が消えていく。これなら、心理的なハードルもぐっと下がります。
まとめ — あなたの院にも、必ず3つはある
このリストを上から見ていって、「あ、うちにもある」と思った物が、必ず3つはあったはずです。それでいいんです。全部を一度に、と気負う必要はありません。
次の休みの半日で、このリストと院内を照らし合わせてみてください。まず3つ、院から消えるだけで、空気は変わります。どこから手をつけるか迷ったら、電話相談で一緒に順番を決めましょう。月例のワークでも、こうした片付けと院づくりの話を続けています。このリストを、保存版として使ってもらえたら嬉しいです。

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