この記事の要約
この記事では、なぜ技術を学び続けている先生が患者さんから選ばれるのかをお伝えします。結論は、初回で「変わった」を届けられるからです。その変化を出せるのは、同じ技術を3年以上学び続けてきた先生です。令和8年8月30日の熊本地震チャリティー講座で、私がお話しした内容をまとめました。
「自費に移りたいが、自分の技術で6,000円や10,000円をいただけるのか自信がない」
「初回で痛みが取り切れなかった患者さんが、次に来てくださらない」
このブログをご覧の先生に、こうしたお考えがあるなら、今回のレポートがお役に立てるかもしれません。
先に結論をお伝えします。自費の初回の仕事は、治すことではありません。
「変わった」と感じていただくことです。 その変化を初回で出せるかどうかは、技術を学び続けてきた年数で決まります。
自費の患者さんは、何を見て「次も来る」と決めているのか?
こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
令和8年8月30日(日)、大阪で自費移行講座を開催しました。受講料を熊本地震の義援金にあてる、チャリティーセミナーです。前半は松村正隆理事が療養費改定と自費移行計画を担当しました(前編の記事)。この記事では、私が担当した後半をお伝えします。

保険で通ってくださる患者さんは、通う理由が院の外にあります。安い、近い、通いやすい。この3つです。
一方、6,000円から15,000円をお支払いになった患者さんは違います。院を出て帰る道すがら、その日のうちに答えを出しています。 見ているのは、たった一つ。「で、何か変わった?」
令和7年、治療院経営ラボの会員のうち売上上位10院の5回リピート率は80%を超えていました(治療院経営ラボ調べ)。すごい技術だから、ではありません。初回で「変わった」をちゃんと届けているだけです。
初回の順番を、なぜ「検査→治療→検査」にするのか?

当日、いちばん時間を割いたのがここです。
初回は、この順番でお願いします。①評価と検査 → ②治療 → ③もう一度、同じ検査。
やっている施術は、これまでと同じで構いません。前と後ろに検査を足しただけです。
なぜ、最後にもう一度検査をするのか。先生が「よくなりましたよ」とお伝えしても、患者さんには伝わりにくいからです。
患者さんご自身が「あ、力が入る」と気づいたときに、はじめて伝わります。
検査で見る項目は、最低限この4つです。筋肉と関節の硬さ。
動く範囲と左右差。
力の入り方。
立った時の安定。
力の入り方と動く範囲は、いちばん早く変わります。変化は60秒以内に本人へ見せてください。
4つ全部が変わらなくても大丈夫です。一つ変わっていれば、それを見せます。
「変わった」には3つの段階があります。①何も感じない。②体が変わったのが分かる。③症状が軽くなる。②は、痛みが取れなくても成立します。
痛みが消えなかったから失敗、ではありません。
なぜ「治します」ではなく「よくなるといいよね」と言うのか?
次にお伝えしたのは、言い方です。「ここを治します」とは言わないでください。
代わりに、検査で見つけたものをそのまま言葉にします。

- 硬い筋肉があった → 「この硬いのが、やわらかくなるといいよね」
- 動く範囲がせまい → 「ここが動くようになるといいよね」
- 力が入らない → 「ここに力が入りやすくなるといいよね」
良さが4つあります。嘘になりません。患者さんがうなずけます。先を予告することになります。
そして次からは、検査をした時点で体が変わり始めます。
言われた目標ではなく、ご自身の目標になります。
そのあと検査で本当に変わるので、予告と結果がセットになります。
では、なぜ予告だけで体が変わり始めるのか。期待感です。
患者さんが「よくなりそうだ」と感じたとき、体が自分で作る痛み止め(内因性オピオイド)やドーパミンが動きます。気持ちの問題ではなく、化学反応です。
「プラシーボ効果はモルヒネと同じくらいの鎮痛効果がある。内因性オピオイド系によって仲介されている。ただし、そこに『期待感』が関与しているときだけ起こる」
(熊澤孝朗 監修『痛み学 臨床のためのテキスト』)
期待感がなければ、起こりません。
逆の作用もあります。ノーセボ(ラテン語で「私は害する」)です。
だから何も変わらなかった初回は、ゼロではなくマイナスです。体は「この院はこんなものか」と覚えます。痛みや不快を与えれば、なおさらです。
それでも、なぜ技術を学び続けないといけないのか?

ここまでお読みになって、「では、演出が上手ければいいのか」と思われた先生がいらっしゃるかもしれません。違います。
当日、私がいちばん強くお伝えしたのはここです。
患者さんのお悩みは、3つの足し算でやわらいでいきます。①自然軽快、②施術、③プラシーボです。技術の勉強をせずに、プラシーボの演出だけで治そうとするなら、それは治療ではなく詐欺です。 土台の技術があってこそ、正しく働きます。
その土台は、最低でも3年間、同じ治療技術を学び続けていることが前提だと考えています。
1万時間の積み重ねが要る世界です。
マニュアル化されたマッサージ、適当に背中をほぐすストレッチ、「〇〇はがし」「〇〇矯正」。
これらは治療ではなく、サービスです。自費診療では通用しないと、私は考えています。
技術がなければ、初回で変化を出せません。変化が出なければ、患者さんは来院されません。
だから順番はこうなります。技術を学び続ける。その技術で出した変化を、患者さんに分かる形で届ける。 この両方が揃ってはじめて、自費で選ばれるようになります。
参加された先生は、何を持ち帰られたのか?
当日のアンケートから2通を、掲載の許可をいただいたうえで、原文のまま掲載します。
本日もありがとうございました。
自費移行のやり方、それに必要なことなどたくさんのことを教えていただきました。
自費移行以外も、なぜ売上が上がらないのかの理由を教わり、自費の施術とは、どういったことかを、とてもわかりやすく説明していただきまして、また、明日から、それを、実行して継続していきます。なかむら鍼灸接骨院 中村賢仁先生
参加して良かったと心から思えました。
自分の未熟さが具体的に出てきて、諸問題に向き合うきっかけとなりました。
ご縁に感謝です。みらい整骨院 上田幸生先生
当日は、お互いに60秒以内で検査をして、施術の前後の変化を出してみるワークの時間も取りました。

未熟さが具体的に出てくることは、良いことだと考えています。何が足りないか分からない状態では、明日から何を学べばよいかも決まらないからです。
この講座は、なぜ熊本地震のチャリティーだったのか?
令和8年7月28日の熊本地震を受け、受講料を日本赤十字社の「令和8年熊本地震災害義援金」へ寄付するチャリティーセミナーとして開催しました。会場費と資料代は主催者の負担です。
当日、会場に集まったのは15名です。講師を務めた理事3名と、外部から参加された2名の先生、そしてラボ会員10名の先生方でした。
外部から参加された先生も、ラボの理事も、受講料は各自で支払っています。ラボ会員の先生は受講料こそ無料ですが、被災地への寄付を参加の条件にしているため、10名全員がそれぞれ寄付をしたうえで受講されました。
外部からは3名の先生にお申し込みいただきました。 そのうちお一人、千葉県のエルボ・整骨院院長で、BHS療法の創始者である肘井博行先生は、当日どうしてもご都合がつきませんでした。
それでも、受講料分の寄付はしてくださっています。あらためて御礼申し上げます。
集まった受講料は132,000円でした。ここに治療院経営ラボからの義援金を足し、合計180,000円を日本赤十字社へ寄付しています。令和8年9月18日付で、振り込みを完了しました。

寄付のご報告は松村理事の記事に、療養費改定の中身は前編の記事にまとめています。
まとめ
- 初回の仕事は、治すことではありません。「変わった」と感じていただくことです。 治療で終わらず、検査で終わってください
- 「治します」ではなく「よくなるといいよね」。 硬いところ、動かないところ、力の入らないところを、全部この形で返します
- 土台は技術です。 最低でも3年、同じ技術を学び続けることが前提だと考えています
技術を学び続けてきた先生ほど、初回で出せる変化が増えます。だから、選ばれるようになります。
「自費に移りたいが、今の技術で通用するのか分からない」
「初回で何を見せればいいのか、整理できていない」
そんな時には、治療院経営ラボのサポートがきっとお役に立てると考えています。
もし、治療院経営ラボに興味のある先生はこちらからお問い合わせください。入会のご案内をまとめた資料は、資料請求ページからお受け取りいただけます。
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。あなたの治療技術と患者さんの期待が相乗効果を生み出し、多くの患者さんに愛される治療院となることを心から願っています。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)
治療院経営ラボ
〒662-0913 兵庫県西宮市染殿町3-13
TEL: 0798-20-3340
【参考文献・引用元】
- 熊澤孝朗 監修『痛み学 臨床のためのテキスト』
- 治療院経営ラボ「熊本地震チャリティ 自費移行講座」特設ページ https://cmlabo.jp/lp/charity-jihi/
- プレスリリース「受講料全額を令和8年熊本地震の義援金へ 治療院経営ラボ、8/30に大阪で講座を開催」(2026年8月18日配信)https://newscast.jp/smart/news/8283510
- リピート率のデータ:治療院経営ラボ 令和7年 会員実績(自社集計)

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[…] 後半は私が担当し、初回のつくり方と技術の研鑽をお話ししました。その内容は後編の記事にまとめています。 […]