この記事の要約
この記事では、令和8年7月の療養費改定で接骨院の保険収入がどうなるのかをお伝えします。結論は、部位を増やしても月数を重ねても売上が積み上がらない仕組みになった、ということです。令和8年8月30日、熊本地震のチャリティーとして大阪で自費移行講座を開催しました。受講料は全額を義援金にしています。
「令和8年7月の改定で、うちの保険収入がどうなるのか読めない」
「自費に移りたい気持ちはあるが、患者さんが離れるのが怖い」
このブログをご覧の先生に、こうしたお考えがあるなら、今回のレポートがお役に立てるかもしれません。
先に結論をお伝えします。今回の改定で、部位を増やしても、月数を重ねても、売上が積み上がらない仕組みになりました。保険の売上を守る工夫よりも、自費の柱を立てる準備のほうが先です。
令和8年7月の改定で、具体的に何が変わったのか?

こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
令和8年8月30日(日)、大阪にて自費移行講座を開催しました。熊本地震のチャリティーとして行った講座です。趣旨は記事の後半でお伝えします。
まず、この講座の出発点になった改定の中身から整理します。柱は4つです。
1. 多部位・長期の逓減が入りました
後療料(打撲・捻挫)は550円に引き上げられました。その一方で、次の逓減が設けられています。
- 2部位目:80%に逓減
- 3部位目以降:60%に逓減
- 5か月を超える長期:75%に逓減
- 長期かつ頻回:50%に逓減
2. 償還払いへ変更する基準が明文化されました
直近1年間に通算8か月以上、かつ通算9部位以上の施術を受けている患者さんは、患者さんごとに償還払いへ変更する対象になります。
3. 明細書に負傷名・施術部位を書く欄ができました
「明細書発行体制加算」は「明細書発行加算」に名称が変わり、負傷名または施術部位を記載する欄が設けられています。
4. 保険者単位での償還払い検討が明記されました
将来的に、院ごとではなく保険者ごと一括での切り替えが制度化される可能性が示されました。
詳しい解説は、令和8年6月3日のZoomセミナーで松村理事がお話ししています(動画はこちら)。
なぜ「部位を増やす」やり方が続かなくなるのか?
単価だけを見ると、550円への引き上げは悪い話に見えません。問題は、そのあとに続く逓減です。
2部位目で8割、3部位目からは6割。部位を足しても、足した分がそのまま売上にはなりません。
5か月を超えれば75%、長期かつ頻回なら50%です。そこに、通算8か月以上かつ通算9部位以上という基準が重なります。
つまり、長く、多くという形で支えてきた院ほど影響が大きく出ます。
これまでのやり方を丁寧に続けるほど、償還払いの基準に近づく形です。
保険をやめてください、ということではありません。保険の売上が下がる前提で、別の柱を立てておきませんか、ということです。
当日、先生方は何に取り組まれたのか?
講座は13時から18時までの5時間です。講師は松村正隆理事(まつむら鍼灸整骨院院長)と、私の2名で担当しました。

前半の松村理事のパートで扱ったのは、次の4つです。
- 療養費改定によって、これから何が起こるのか
- ご自身の理念の深掘り
- 自費移行の具体的な手順
- その日のワークを、自分の行動計画にどう落とし込むか
自費のメニューや価格の話から入らなかったところが、この講座の特徴です。最初に取り組んでいただいたのは、ご自身の理念と、治療家を志したきっかけを深掘りするワークでした。
なぜ、この順番なのか。自費は「何を売るか」より先に「誰に、何のためにやるのか」が決まっていないと、価格を出した瞬間に手が止まるからです。
ご自身の言葉が出てきたところで、自費移行の具体的な手順に進みました。最後は、その日に出てきたものを自分の行動計画へ落とし込む時間です。すでに自費移行を終えられている先生には、今後の経営計画を練り直していただいています。
同じ会場に、これから自費を始める先生と、すでに自費で運営されている先生が並んでいました。先を歩いている先生の言葉は、私が10回説明するより早く届きます。

後半は私が担当し、初回のつくり方と技術の研鑽をお話ししました。その内容は後編の記事にまとめています。
参加された先生は、何を持ち帰られたのか?
当日のアンケートから2通を、掲載の許可をいただいたうえで、原文のまま掲載します。
今回、初めて参加させて頂きました。
現状の自分の立ち位置がよくわかりました。
自費移行という高いハードルですが、成功された先生方の話を聞いてよかったです。
また、今、自分に足りない事を理解できたことが一番よかったと思います。
ありがとうございました。わだ整骨院 和田真治先生
今日は貴重なセミナーを聞かせて頂きありがとうございました。
自費移行半ばの私ですが、自費移行セミナー(ワーク)を受けていただくのは初めてで、改めて、明日から、気持ちに新たに、何を行動していいのかを、決めることができました。
引き続き、先生方と相談させて頂きながら、自費院に向けて、行動していこうと思います。ありがとうございました。美馬整骨院 美馬弘之先生
改定の中身を知ることと、明日の行動が決まることは別です。この講座でお持ち帰りいただきたかったのは、後者でした。
このセミナーは、なぜ熊本地震のチャリティーだったのか?
令和8年7月28日、熊本で最大震度7、マグニチュード7.1の地震が発生しました。
松村理事は、平成7年の阪神淡路大震災で被災しています。だからこそ、揺れが収まってからが長いことをよく知っている、と申しておりました。
そこでこの講座は、受講料を日本赤十字社の「令和8年熊本地震災害義援金」へ寄付するチャリティーセミナーとして開催しました。受講料は30,000円(税込)以上、上限なし。会場費と資料代は主催者の負担です。趣旨は特設ページと、8月18日配信のプレスリリースにも掲載しています。
当日、会場に集まったのは15名です。講師を務めた理事3名と、外部から参加された2名の先生、そしてラボ会員10名の先生方でした。
参加のしかたについて、お伝えしておきたいことが3つあります。
1つ目は、外部から参加された先生も、ラボの理事も、受講料を各自で支払って参加したことです。運営側だから無料、ということはありません。
2つ目は、ラボ会員の先生は受講料こそ無料ですが、被災地への寄付を参加の条件にしていることです。参加された10名の先生は、全員がそれぞれ寄付をしたうえで受講されています。
3つ目は、外部からは3名の先生にお申し込みいただいたことです。そのうちお一人、千葉県のエルボ・整骨院院長で、BHS療法の創始者である肘井博行先生は、当日どうしてもご都合がつきませんでした。それでも、受講料分の寄付はしてくださっています。肘井先生には、ラボがチャリティーの催しを開くたびにご協力いただいています。あらためて御礼申し上げます。
集まった受講料は132,000円でした。ここに治療院経営ラボからの義援金を足し、合計180,000円を日本赤十字社の令和8年熊本地震災害義援金口座へ寄付しています。令和8年9月18日付で、振り込みを完了しました。

寄付のご報告は、松村理事の記事にもまとめています。ご参加くださった先生方、ご賛同くださった先生方に、心より御礼を申し上げます。
まとめ
- 部位を増やしても月数を重ねても、売上が積み上がらない仕組みになりました。 後療料は550円に上がりましたが、2部位目80%、3部位目以降60%、5か月超75%、長期かつ頻回50%の逓減が入っています
- 直近1年間に通算8か月以上かつ通算9部位以上の患者さんは、償還払いへの変更対象になります
- 自費移行は、メニューと価格より先に、理念と志を言葉にするところから始まります
制度は、こちらの都合では変わりません。変えられるのは、自院の柱の立て方だけです。
「これから自費診療の導入を考えている」
「改定の内容は分かったが、自院の数字に落とし込めていない」
そんな時には、治療院経営ラボのサポートがきっとお役に立てると考えています。
もし、治療院経営ラボに興味のある先生はこちらからお問い合わせください。入会のご案内をまとめた資料は、資料請求ページからお受け取りいただけます。
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。あなたの治療技術と患者さんの期待が相乗効果を生み出し、多くの患者さんに愛される治療院となることを心から願っています。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)
治療院経営ラボ
〒662-0913 兵庫県西宮市染殿町3-13
TEL: 0798-20-3340
【参考文献・引用元】
- 治療院経営ラボ「令和8年7月 療養費改定解説セミナー(令和8年6月3日開催)」https://cmlabo.jp/2026/05/23/2026-06-03zoomseminar/
- 治療院経営ラボ「熊本地震チャリティ 自費移行講座」特設ページ https://cmlabo.jp/lp/charity-jihi/
- プレスリリース「受講料全額を令和8年熊本地震の義援金へ 治療院経営ラボ、8/30に大阪で講座を開催」(2026年8月18日配信)https://newscast.jp/smart/news/8283510
- (要追記)厚生労働省 令和8年度 柔道整復療養費関係通知

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