ポスティングの反応が落ちてきた先生へ。
チラシの枚数を増やしても、来院数は撒いた分に比例したままです。周りが動くきっかけになる方を、一人見つけるほうが早い。この記事では、地域を束ねている4つの組織の関係と、どこから当たれば話が通るのかを書きます。読み終える頃には、次に誰へ会いに行けばいいかが決まっているはずです。
「反応が鈍ってきたので、チラシの枚数を増やそうと思います」
ちょっと待ってください。
毎月の事業サポート会議では、会員の先生の数字を見ながら、次の一手を一緒に決めています。
先日の回で出たのが、この相談でした。
町内の1丁目から4丁目に、毎回2,000枚のポスティング。 2丁目ずつ交互に、もう6回。 反応も少しずつ変わってきた。
そろそろ、ポストに入れるだけでなく、人に直接渡す形にしたい。 誰に渡せばいいでしょうか、と。
いい質問だと思いました。 枚数を増やす方向ではなく、渡す相手を探す方向へ、ご自身で舵を切っておられたからです。
ってことで、その日にお話しした中身をそのまま書きます。 地元に根を張っている院向けの話です。駅前で通りすがりの方を拾っている院なら、また別の手になります。
マーケティングでは、これを「羊に鈴」と言います。
鈴を持った一人が動けば、周りはついてきます
羊の群れを動かすとき、全部の羊を追いかける人はいません。
先頭の一頭に鈴をつけて、その一頭を動かします。 残りは勝手についてきます。
地域も同じなんです。
一人ひとりにチラシを配って、一人ひとりに来てもらう。 この形だと、配った枚数と来院数がずっと比例したままです。 2,000枚撒いて数人。次も2,000枚撒いて数人。
そうではなくて、「あの人が言うなら」と周りが動く人を一人見つける。 その方が、鈴を持った一人です。
だから数える単位が変わります。 何枚配ったかではなく、そういう方を何人見出せているか。
院の集客が安定している先生は、鈴を持った羊役の患者さんを見出してらっしゃいます。 そしてこういう方は、地域の中で居場所が決まっています。 探し方があるんです。
4つの組織は、縦割りではなく絡み合っています
地域を束ねている組織は、大きく4つです。
町内会、民生委員、社会福祉協議会、老人会。
このうち民生委員は、自治体と個々のご家庭をつなぐ入り口にあたります。 江戸時代の名残で、何軒かに一人リーダーを置く、という仕組みがもとになっています。
社会福祉協議会は、地域の福祉活動の拠点です。
そうなんです。 この4つ、きれいな縦割りになっていません。 社協の活動に民生委員が関わり、町内会とも重なっています。
しかも福祉というのは、高齢者や障害のある方だけではありません。 児童福祉もあります。
ですから社協は、地元の公立小学校・中学校とも直結しています。 担当者が学校に出入りしていることも多いんです。
小中学生のご父兄というのは、そのまま先生の患者さんですよね。
ケアマネージャーとも、障害のある方の就労支援ともつながっています。
言い換えると、社協を軸にして地域が回っている。 少し乱暴な言い方をすれば、地域行政の出口がここに集まっています。
だから社協を押さえたほうが早い、という話になります。
民生委員を、一人ずつ当たってください
じゃあ社協へ行けばいいのか、って話ですよね?
これが落とし穴なんです。
いきなり訪ねて「いりません」と言われたら、その時点で終わってしまいます。 相手は組織なので、一度断られると次の入り口がありません。
10年ほど前までは、民生委員のリストが手に入りました。 リストがあるなら一番早い。 ただ今は情報公開の規制があって、多くの自治体で公開されていません。
ですから、近所の民生委員さんに直接お会いします。
聞き方はこうです。
「僕はこういう地域のための健康づくりを無料でやっているんですけど、どうしたらいいですかね」
売り込みではなく、相談の形にします。 そして「ほな、他の人に言うといたるわ」と言ってくれる人が現れるまで、一人ずつ当たり続けます。
一人でいいんです。 一人見つかれば、そこから回り始めます。
このとき、順番があります。 先に、こちらから地域へ差し出すものを決めておきます。
地域のための健康づくりを無料で提供する。 社会福祉協議会のCSRとして持ちかける。 そういう形です。
それを先に置いてから、「ところで、こんなことを考えているんですけど」と切り出します。
物を持っていく、という話ではありません。 差し出すのは活動のほうです。
すでにPTA会長や消防団、子ども会の役をされている先生なら、この段階はもう終わっています。 顔が通っているので、手ぶらで行けます。
老人会と町内会は、後回しにしてください。 ここは相手を選びます。 ご自身が好かれる自信があるなら先でも構いませんが、順番としては最後です。
上から入る道も、用意しておいてください
もう一つ、行政の側から入る道があります。
地方に行くほど、行政と社協は一体で動いています。 行政に口がきく議員さんから紹介してもらうと、話が一本の筋で通ります。 社会福祉協議会のCSRとして持ちかける切り口も、同じ考え方です。
どのルートを選ぶにしても、目的は一つです。 鈴を持った方を、一人見出すこと。
2,000枚のポスティングを7回目に進める前に、一人に会いに行く時間を作ってみてください。

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