紹介が増えてきた先生へ。
紹介の多い方が、いつのまにか来なくなる。これは相性の問題ではなく、そういう構造です。この記事では、その理由と、離れたときにどう考えればいいかを書きます。
「よく紹介してくださる方が、ご自身は来られなくなりました」
それ、たぶん先生のせいではありません。
事業サポート会議で、紹介してくださる方をグループにまとめて見る、という話をしていました。 今月はこのファミリーからの来院が濃かった、という見方ができますよ、と。
そこまで話したところで、僕はこう続けました。
紹介者は、得てして離脱します。不思議なもので。
これ、その場では笑い話のように聞こえたと思います。 ただ、離脱率を見て落ち込んでいる先生には、けっこう大事な話なんです。 数え方そのものが変わりますから。
鈴を持つ方と、通ってくださる方は別です
マーケティングでは、周りが動くきっかけになる方を、鈴を持った一人と呼びます。 鈴が鳴ると羊がついてくる。
紹介をたくさんくださる方が、この鈴を持った一人にあたります。
見落としやすいのは、鈴を持つ役と、通い続ける役が別だということです。
鈴は鳴らしてくださるけれど、ご自身は群れに残らない。 そういう方が、けっこういらっしゃるんですよね。
自分が通い続けるのではなく、「あそこ、ええで」と人に貸す。 その言葉に周りが動く。 役割としては、それで完結しています。
これは神田昌典先生がずっと言っておられることでもあります。
だから、紹介者としては優秀なのに患者としては続かない、という組み合わせが生まれます。 矛盾ではなく、役割が違うだけです。
紹介が濃い月は、鈴が鳴った月です
この構造が分かると、月ごとの見え方が変わります。
紹介が濃い月というのは、鈴が鳴った月です。
その月に来た新規の方々は、たいてい同じ方からの紹介でつながっています。 だから、まとめて一つのグループとして見たほうが実態に合います。
そして、羊にあたる方々のほうが、通院は安定します。
紹介で来た方は、すでに信頼を持って来られています。 「あの人が言うなら」という前提があるので、説明の手間が少なく、離脱も少ない。
鈴を持った方を多く見出しているほど院が楽になる、というのはこういうことです。 集客の労力そのものが減ります。
一方で、鈴を持った方ご自身の来院には波があります。
ここを同じ物差しで測ると、話がおかしくなります。 紹介してくれる人なのに来ない、と受け取ってしまうからです。
紹介者が離れても、追いかけないでください
紹介者の来院が途切れたとき、追いかけたくなりますよね。
でも、あの方は役割を果たしておられます。 鈴を鳴らして、羊を連れてきてくださった。
そこで「最近お見えになりませんね」と強く追いかけると、関係のほうが崩れます。 もう鳴らしてくださらなくなります。
ですから、扱いを分けてください。
通院を続けてほしい方には、通院の案内をします。
鈴を持った方には、紹介しやすい材料を渡します。 お知り合いに手渡せる案内を1枚、お持ち帰りいただく。 それで十分です。
離脱率だけを見ないでください
離れたことを問題として数えない、というのも要ります。
離脱率だけを見ていると、この方はマイナスに見えます。 けれど連れてきてくださった方々を含めて数えれば、まったく違う数字になります。
言い換えると、一人の患者様としてではなく、一つのグループとして採算を見る。 経営と同じで、単体の赤字より全体の粗利で判断する場面ですね。
電子カルテに紹介の記録が残っているなら、そこも見えるようになります。 誰の紹介グループが、いま何人通っているのか。
その集計をしてみると、紹介者本人が来ていないことは、たいして気にならなくなりますよ。

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