整骨院・鍼灸院のブログで、原因を説明するほど読まれなくなるのはなぜか?
この記事の要約 この記事では、整骨院・鍼灸院のブログで症状の原因をていねいに書くほど、読まれなくなる理由を解説します。結論は、原因の説明が読み手には「あなたの生活が悪い」という責め言葉に聞こえやすいからです。いたわりの一文を添え、主語を「私」に変えると、同じ事実を誰も責めずに届けられます。
「腰痛の原因をていねいに書いたのに、最後まで読まれていない」
「医学的に正しいことを書いているのに、問い合わせにつながらない」
「生活習慣の話をすると、患者さんの表情が曇る」
このブログをご覧の先生に、こうしたお悩みがあるなら、今回の記事がお役に立てるかもしれません。
先に結論をお伝えします。原因の説明は、読み手には責め言葉に聞こえやすいのです。いたわりの一文を添えて、主語を「私」に変える。これだけで、同じ内容でも届く文章に変わります。
なぜ、正しい原因の説明が「責め言葉」に聞こえるのか?
こんにちは、治療院経営ラボ代表の作尾大介です。
令和8年7月24日、ラボの会員の先生に向けて、月次の復習WEB勉強会を開きました。第3回のテーマは「ブログの書き方」です。
当日、治療家のブログでよく見かける書き方として、こんな文章を取り上げました。
事務仕事をされる方は、腰痛になる傾向があります。長時間座っていると、股関節や骨盤、背中の筋肉が硬くなるからです。長時間の運転も、腰痛の原因になります。
書いた先生からすると、何も悪いことは書いていません。医学的にも、大きく外れてはいません。
ところが、読み手にはこう聞こえます。
「座りっぱなしのあなたが悪い」
「運転ばかりしているあなたが悪い」
読み手は、座りたくて座っているわけではありません。仕事や家庭の事情があって、座らざるを得ないのです。そのうえで腰痛に困り、答えを探してブログにたどり着いています。
そこで原因だけを突きつけられると、責められたと感じます。原因の話が長く続くほど、読み手は途中で離れていきます。

読み手は、内容を理解する前に何を感じているのか?
人は文章を「読む」前に、まず「感じて」います。
快・不快を判定する扁桃体(へんとうたい。脳の警報装置)は、内容を理解するより先に働きます。
上から目線や決めつけを感じた瞬間に「不快」と判定され、指は次のページへ進みます。
これは、院内の見た目やにおいと同じ仕組みです。詳しくは「なぜ「見た目」と「におい」が、治療効果とリピート率を決めているのか?」にまとめています。
責めずに伝えるには、どう書き換えればいいのか?
方法は2つあります。いたわりの一文を添えること。そして、主語を「私」にすることです。
いたわりの一文を、原因の前に置く
勉強会では、よくある書き方と、書き換えた例を並べました。
書き換える前
3時間以上座っていると腰痛が起こります。股関節まわりの筋肉が固まるからです。今から腰痛を解消する3つの方法を紹介します。
書き換えたあと
本来、体は動かしたほうが楽になります。それでも、3時間も座り続けるお仕事は本当に大変なことだと思います。こうした不調が起こらないように、私から3つの提案をさせてください。
伝えている事実は、ほとんど変わっていません。変わったのは、読み手が置かれた状況をいたわる一文だけです。
ほんのちょっとの違いです。それでも、文章の温度はがらりと変わります。

主語を「私」にする
もう一つは、主語を「あなた」から「私」に変えることです。
「事務仕事の人は肩がこる」と書くと、決めつけになります。これを、私が臨床で感じてきたことに置き換えます。
私はたくさんの患者さんを施術させていただいてきました。その中で感じるのは、事務のお仕事をまじめにこなされる方ほど、肩のつらさを訴えられることが多いということです。
同じ事実でも、「私」というフィルターを通すと、誰も責めていません。
作家の土門蘭さんの著書『本当のことを書く練習』には、本当のことを書くときの主語は常に自分だ、という趣旨の話が出てきます。決めつけは人を傷つける、とも。ブログを書く治療家にとっても、大切な視点だと感じています。
ただし、「私」を主語にできるのは、実際の体験や臨床で感じたことだけです。体験をつくって書けば、読み手の信頼を失います。
いたわりの一文は、どこに入れればいいのか?
入れる場所は、原因の説明が続くところの前後です。
たとえば、こんな一文です。
「ここまで、本当に大変でしたね」
「そう思ってしまうのも、無理はありません」
「ご自分を責めないでくださいね」
1記事に最低1つ。原因の話が長くなるときは、その前後に1つずつ。これくらいの感覚で入れてみてください。
読み手は、目の前で誰かに話しかけられているように感じます。「この先生に一度みてもらいたい」と思っていただけるのは、この瞬間です。
私が、問診では言っても文章では書かない一言とは?
ここで、私自身の話をします。
私は肩こりの説明に、よく排水溝のたとえを使います。
「排水溝も、長いこと放っておくと詰まって、水はけが悪くなります。肩の筋肉も同じで、固くなると巡りが悪くなるんです。だから今から、その詰まりをほぐしていきましょう」

施術中は、ここに一言足すことがあります。「排水溝も、たまには掃除しないといけません。だから、定期的に整えておきましょうね」。
けれど、この一言は文章には書きません。
目の前の患者さんには、表情を見ながら言葉を選べます。文章では、それができません。同じ一言が「放っておくと悪くなる」という脅しに受け取られるおそれがあるからです。
実は私も、いたわりの一文を先生方にお伝えしながら、書いているうちに忘れてしまうことがあります。勢いで書いた文章を人に読んでもらうと、「思いが先走っている」とよく言われていました。
書いた直後は、自分では気づけないものです。だから先生方には、一晩置いてから読み直すことをおすすめしています。
いたわりの一文は、施術室の言葉も変えるのか?
変わります。これは、勉強会でいちばんお伝えしたかったことの一つです。
文章でいたわりの一文を書き続けていると、同じ言葉が問診や施術中にも自然に出てくるようになります。

私は先生方に、まずご家族で練習してみてくださいとお伝えしています。「遅くまでありがとう」「朝早くから準備してくれてありがとう」。こうした言葉がふだんから出る人は、患者さんの前でも出ます。
ブログは、患者さんへの手紙です。同時に、先生ご自身の言葉を整える練習の場でもあるのです。
まとめ
- 原因の説明は、読み手には「あなたが悪い」という責め言葉に聞こえやすい
- 読み手は、内容を理解する前に快・不快を感じている
- いたわりの一文を、原因の説明の前後に置く
- 主語を「私」にすると、同じ事実でも誰も責めずに伝えられる(実際の体験に限る)
- 問診で言える一言でも、文章では脅しに受け取られるものがある
先生のブログの中から、原因の説明がいちばん長い記事を1本選んで、いたわりの一文を1つだけ足してみませんか?
「ブログを書いているのに、問い合わせにつながらない」
「医学的に正しいことを、患者さんに届く言葉にできない」
「自分の文章が患者さんにどう読まれているのか、わからない」
そんな時には、治療院経営ラボのサポートがきっとお役に立てると考えています。
ラボの会員の先生には、今回の内容を含めたブログの書き方を、勉強会で一つずつお伝えしています。もし、治療院経営ラボに興味のある先生はこちらからお問い合わせください。
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。あなたの治療技術と患者さんの期待が相乗効果を生み出し、多くの患者さんに愛される治療院となることを心から願っています。
(監修 治療院経営ラボ 代表 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)
治療院経営ラボ
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【参考文献・引用元】 ・土門蘭『本当のことを書く練習』

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